■三重県総合防災訓練
本日は、九月の第一週末であり、日本全国での都道府県と並び、三重県でも防災訓練が計画されていた。防潮扉閉鎖や住民避難訓練などが各所で実施、明日かも知れぬ大規模災害への心構えを新たにした。
三重県総合防災訓練は、長島周辺において実施を計画しており、自治体や消防は勿論、航空機だけでも三重県及び奈良県の防災ヘリ計2機、大型輸送ヘリを含む陸上自衛隊ヘリ4機、航空自衛隊より固定翼機1機、海上保安庁と三重県警より各1機のヘリコプターを参加させる大規模なものであった(写真はイメージ)。
しかしながら本日、早朝より三重県には大雨洪水警報が発令されており、三重県は対策本部を設置、想定倒壊家屋や想定土砂崩れ、想定列車脱線、想定自動車多重事故に関する準備も、実際の災害対策が優先されることとなった。なお、大雨洪水警報は今現在、手元の情報では列車のダイヤに影響が出る程度の軽微な影響に収まっているようだ。
大規模地震においての考慮すべき命題は大きい。例えば、災害派遣の花形として認識される陸上自衛隊であるが、三重県は基本的に久居駐屯地の第33普通科連隊、明野駐屯地の航空機部隊という、能力的に限界があるのではとの印象は拭えない。例えば久居駐屯地から、三重県南端に近い熊野市まで約100kmある。四日市市の工業地帯から山間部の伊賀市、それに長大な海岸線がある。
近傍の部隊の支援を仰ぐとすれば、奈良県を警備担当区とする京都府大久保駐屯地の第四施設団となるが、これも遠い。結果、自衛隊の復旧能力は強大であるが広域災害には限界もあり、この点で相互補完が必要となる。しかし、消防や警察、自治体の防災担当課の能力にもやはり限界がある。こうして個々人による自主防災により補完する必要が生じる。
阪神大震災は神戸市を中心に激甚被害を与え、その影響は今日に及ぶ。直下型地震は局地的に激震が襲うが、三重県をはじめ各府県が直面している災害は直下型ではなく、プレート型であり、被害は広範に及ぶ為、防災の各機関が、局地へ能力を集中させることが難しくなる訳で、加えて津波の危険性が加わる。
こうした、防災にあたる機関が想定できない、できたとしても対処に充分な能力と態勢を恒常的に維持することが困難な状況には、連携により効率の高い防災活動を展開する必要がある。同時に生じるいわゆる例外状態と向き合う準備などを進めておく必要が大きい訳である。
こうしたことを考えつつ、C.ジョニー氏と共に会場付近を散策していると、作業服の人が本日の訓練は中止になりました、と。ううむ、そうなったならば致し方ない。こういう場合も考えてC.ジョニー氏と、次善の策は講じてあった。転進である!。転進の内容については後日。せっかく三重県まで展開したので、という大作戦を展開しました。
HARUNA
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