■青空を見上げて
秋風に吹かれ、屋内よりも屋上の方が爽やかな季節となってきた。青空の下に作業机を出し、東京にて購入した資料関係を整理精読していると、頭上を航空機が通りかかることがある。
自衛隊機も、ここまで来るのか、と驚きつつシャッターを切る。かなりの高高度なのだが、トリミングしてみるとそれなりの写真になっているのが嬉しい。その中の幾つかを紹介。参考までにタイトルとメイン写真が海上自衛隊機なのでカテゴリの分類は海自関係だが、陸海空の機体も掲載している。
写真を整理していて気づいたのだが、このP-3C、何か違和感がある。一見普通のP-3Cで、MAD(磁気探知機)が機体から後ろに伸びているのだが、機種部分にピトー管が見える、そしてカラーリングも見慣れているものとは違う、これは若しかしたら、ということで世界の艦船増刊“海上自衛隊2006-2007”を捲ってみた。
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とまあ、そんなわけで写真解説。五山送り火の撮影をしていると謎の航空機三機編隊が。飛行隊形やエンジン音から航空機に非常に詳しいYAMATO氏曰く、C-130Hだろうとのこと。この写真のような感じだったのだろうか。言われてみれば民間旅客機は三機編隊を組むとは考えがたい。夜間飛行訓練だったのだろう。
これは普通のP-3C。海上自衛隊の航空哨戒任務を一手に担う航空機で、1981年より導入を開始。100機を調達し、80機が運用されている。捜索レーダーの換装や衛星通信装置、チャフ発射装置などを搭載し機体の近代化を進めている。
さて、冒頭の写真。世界の艦船や自衛隊装備年鑑などを調べて結論を述べると、厚木基地の第51航空隊に一機が装備されている試験評価機UP-3Cのようである。その任務は新装備の機上試験を行う航空機で、機首のピトー管はテスト用のものである。
P-3Cより対潜装備を取り外し計測装置、データ処理装置などに載せ換えたもので、機体の上部には弾道ミサイル追跡用赤外線センサーが搭載されている、筈。この角度からは判別できないのが申し訳ないが、非常に珍しい機体である。日本海で試験していたのだろうか。
哨戒ヘリコプターSH-60J。海上自衛隊の主力艦載機で、対潜哨戒やミサイル誘導、工作船対処などの任務を有している。現在部隊配備が進められている新型のUH-60Kには更に小型高速目標(ミサイル艇)への対処(攻撃)能力が加えられている。
多用途ヘリコプターUH-1J。この距離からは所属の判別は不能。定期飛行訓練か、若しくは饗庭野演習場でヘリボーン訓練を行ったのだろうか。この近辺では八尾や明野、方面航空隊や師団飛行隊において運用されている。基本設計は古いが、富士重工により各種の能力向上が行われている隠れた新鋭機だ。
こちらは観測ヘリコプターOH-6D。タマゴ型の機体が愛らしい。UH-1Jと同じくこの距離からは所属は不明。軽快な運動性能を誇るが、弾着観測や航空索敵を行うには観測装置の能力不足を指摘する声もあり、新型のOH-1へ置き換えが進められているが、OH-1は高価格であり、中々交代が進んでいないのが現状だ。
陸上自衛隊の輸送ヘリコプターCH-47J。機首が透明、この機首の形状からJA型ではなくJ型かと推測。陸上自衛隊の第一ヘリコプター団や一部の方面航空隊、そして第12旅団、航空学校などに配備されている他、航空自衛隊にもレーダーサイトへの輸送用に配備されている。
航空自衛隊の救難ヘリコプターUH-60J。夜間飛行や悪天候下での運用も地形追随レーダーや赤外線暗視装置、そして高出力のエンジン二基が可能としている。胴体の両側には増槽が装着されており、長距離の飛行も可能である。海上保安庁や消防の救難ヘリが展開できない状況でも、出動が可能である(その分極めて高価格ではあるが)。
C-1輸送機。今日的には小型で、航続距離についても色々いわれているが、非常に小回りの利く高度な戦術輸送機である。この後継機、部隊配備の際にはC-2になるのだろうか、C-X初飛行、という情報はまだないものの、期待の大型輸送機も間もなく初飛行するといわれている。C-X初飛行の際には是非とも展開して撮影したい。
HARUNA
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