■Kobe Luminarie 2007
今年で十三回を数える神戸ルミナリエは、12月6日から17日までの期間、神戸市中央区旧外国人居留地から神戸市役所の隣、東遊園地において行われ、多くの来場者を集めている。
神戸ルミナリエは1995年の阪神大震災において多くの犠牲者を鎮魂するとともに、第二次世界大戦以来最大の被害からの復興と再興への夢を託して始まったもので、1995年12月の第一回から今年で十三回目となる。いまや、神戸市の希望を象徴する行事として定着した観があるこの行事へ、11日展開したので、本日はその様子を掲載したい。
点灯時間は、平日は1800~2130時、週末の金曜日は消燈が少し延びて1800~2200時、土曜日はやや早い点灯の1730~2200時、日曜日は屋台などの清掃時間を見込んでかやや消燈が早い1730~2130時。点灯の瞬間は多くの来場者が詰め掛けるので、やや時間をずらして、と広報されている。
ルミナリエ会場へは、阪急、阪神、JRなどが乗り入れる三ノ宮駅からが最も近いが、会場への順路へは、元町駅が一番近い。順路を設置しているのは、一度に多くの来場者がルミナリエ会場に押しかけるとパニックになってしまうので、徒歩で30分ほどかかる順路を設置している。このお陰で、会場は混んではいるが、常識的な範囲内の混雑に収まっており、光の芸術を堪能することが出来る。
撮影は、三脚を立てると非常に迷惑であり、ISO800の高感度に設定し、露出のF値を3.5とし、歩きながら撮影しても差し支えないシャッター速度1/80秒に設定し撮影した。立ち止まっての撮影はご遠慮ください、という放送が流れているが、渋滞しているので足を止めた一瞬を利用して撮影する。ちなみに今回の写真はIMAGE STABILIZERなどの手ブレ補正装置を搭載していないレンズで撮影。
会場までは、過去の事例では行きを安価な阪急電鉄で河原町か烏丸駅から十三駅乗換えで神戸線。帰路はやや高いが三ノ宮から京都まで直通の新快速が走るJRを利用したのだが、JRが物凄く混雑する。帰路は速い新快速、ということで考えることは同じなのだろうか。しかし、京都までは阪急の方が座れる可能性も高く、10分間隔の特急が運行されるという点で利点がある。
ルミナリエ会場、東遊園地から撮影。遊園地といっても、いわゆる遊園地ではなく、外国人居留地が神戸にあった時代に、居留地内での運動やスポーツ、子供達の遊戯の場所として用いられていた場所。神戸市役所の隣にあり、電飾は神戸市役所無料展望台からも観ることが出来る。
ルミナリエとは、イルミネーションのイタリア語luminarieを示しており、過去には神戸ハーバーランドなどにも会場が設置されたが、近年はこの旧居留地の会場に統合されている。企業献金と来場者の募金を資金源とする神戸ルミナリエでは、特に予算難による継続への影響が毎年心配されている。
会場への入場は無料で、毎年400万人以上が来場する。しかし、募金箱が設置されており、100円募金を呼びかけている。個人的な信念から京都における寺院の夜間特別拝観などの拝観料に準じて400円を投じているが、電飾の設置費用に加え、警備費用、光熱費などなどを考えると、これくらいが順当ではないだろうか。
さて、阪神大震災では、高速道路や新幹線の高架部分崩落、耐震強度が充分あると信じられていた大型建築物の破損や倒壊など、それまでは東宝の映画の中だけだと信じられていた描写が現実のものとなり、多くの課題を表面化させたが、その後、大型地震が幾つか生じている中で、被害を局限出来ている部分には、阪神大震災の教訓が反映されている部分がある、と信じたい。
写真は1.17希望の灯。日本には災害文化というものがあり、地震などが発生した時には被害を最小限に抑えるための文化があったが、それが失われつつある、とSF大家である小松左京は小説“日本沈没”に記している。しかし、まあ、過熱報道の弊害も含め、地震災害というようなもののイメージを阪神大震災を契機に共有できれば、今後の東海、東南海、南海地震や南関東地震などにも、なんらかの一助となるのではないかとも思う。
話が暗くなった。さてさて、神戸ルミナリエは、イルミネーションとしては日本最大規模のものであり、会場を出て神戸市役所の展望台に登れば、日本有数の港湾都市神戸の夜景を楽しめる。また、南京町の中華街や三ノ宮駅界隈など、味の街としても楽しめる機会である。17日までであるが、週末や最終日は物凄い混雑となるので、今夜あたり、足を運ばれてみてはどうだろうか。
HARUNA
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