■航空母艦一般公開
12月8日の横須賀アメリカ海軍施設一般公開。ここで最も関心を集めたのは、航空母艦キティーホークであろう。しかし、一般公開といっても、どこまでが一般公開されたのか、幾つかの場所で質問が寄せられたので、関心事に答え、本日はその特集。
航空母艦一般公開では、その都度公開区画は違う為、今回の記事はあくまで、12月8日の一般公開で開放された区画という点をあらかじめ記載したい。正門付近で、手早い、しかし、確実な手荷物検査を受け、そのままキティーホークへ。正解は多くの来艦者を集める空母を後回しにして、イージス艦から見学するのがベテランのスケジュールらしいのだが、素通りは難しい(笑)ので、艦載機エレベータ部分の階段を登り空母を見学する。
最初に見学するのは飛行甲板である。整備中の蒸気カタパルト。蒸気カタパルトは蒸気圧を利用して非常に短い距離でも、艦載機を発艦に必要な速力を付与させる装備である。1950年代はでは火薬式カタパルト、1960年代までは油圧式カタパルトなどが使用されていたが、安全性や性能の関係から蒸気カタパルトに統一された。このように、作業中の危険な場所や転落の危険性のある場所以外は飛行甲板を自由に見て回ることが出来る。
艦載機のフックが飛行甲板に叩きつけられ、直線的な窪みが各所に残されている。この着艦に必要な拘束ワイアやバリアーなど、固定翼機を運用する航空母艦には不可欠な装備が、蒸気カタパルトと並び飛行甲板の大きな見所である。
個々の装備や艦橋の各種アンテナについては詳報で掲載したい。
一般公開された格納庫。少数の兵装が展示されている他は、売店スペースとして用いられていた。室蘭や小樽、佐世保などにアメリカの航空母艦が寄港するときには艦載機を満載しているが、事実上の母港である横須賀に入港する際には艦載機はほぼ厚木基地に降ろしていることが多い。ただ、装備ラックや作業管制施設など、艦船ファンには見所は非常に多い。
見学時に多数が配布されているパンフレットには、公開区画の紹介として航海艦橋やOIC(作戦指揮所)などが挙げられていたので、恐らく公開されることもあるのだろう。この場合、例えば事前応募などが必要となることもあり、厳重なセキュリティを受けなければ立ち入ることの出来ないところも、含まれている。しかし、OIC,護衛艦のCICにあたる部分、まあ、モニターの電源を切っていれば問題ないのかもしれないが、通常、海上自衛隊では公開しない場所である。
ややタグボートなどが視界を遮るが、キティーホーク。飛行甲板と格納庫、これが12月8日のキティーホーク一般公開における開放区画である。9.11直後を考えると、横須賀海軍施設に立ち入ることが出来て、航空母艦にも乗艦できるようになった。遠からず厚木海軍航空基地WINGSも再開されるのかな、と思ってみたりもする。
HARUNA
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