◆祇園祭の風景
本日より、祇園祭は宵山を迎えた。山鉾巡行へと、祇園祭はいよいよその最高潮を迎えることとなる。本日は、その見どころについて紹介したい。14日・15日・16日宵山、17日が山鉾巡行である。
祇園祭は、疾病払いの神事が受け継がれたもので、怨霊が運ぶとされた疾病を、長刀鉾に輝く白刃が退散させ、無病息災を願う行事である。思い起こせば今日、新型インフルエンザが猛威を振い、さらに致死率の高い鳥インフルエンザのヒトヒト感染が始まるのではないかと危惧される時局にある。そう、こういう時こその祇園祭だ。
疾病祓いの伝統行事ではあるのだけれども、正直、今年の五月期、Weblog北大路機関が主として扱う自衛隊行事はもとより、各地の催事や祭事、イベントが新型インフルエンザの感染拡大により、軒並み中止、縮小されているのを概括し、もしかしたらば、祇園祭にも影響は及ぶのか、と漠然とした思いはあった。しかし、幸いにして杞憂だったようだ。
この宵山、本日14日から16日まで毎晩、京都市、京都府、京都府警が一致協力し、京都の中心部である四条通や烏丸通までの広範な地域に夕刻から交通規制を引き、地方都市の人口に匹敵する観覧者を迎えつつ、並ぶ山鉾に提燈を灯し、祇園囃子を奏でる中、一般公開されるものである。
さて、今年は、本日14日の宵宵宵山が火曜日、15日の宵宵山が水曜日、16日の宵山が木曜日で、山鉾巡行が17日金曜日。見事に休日を外れているが、その分、多少人口密度は減るのか、と思われるのかもしれないが、新幹線、JR在来線、阪急、京阪、近鉄で結ばれた京都へは多くの方が足を運ぶ。
上の写真の情景は、夜の帳が下りると、このような情景にかわってゆく。文字通り混雑する。宵山の時間帯は、終業時刻とも重なるので、その分混雑するのだが、宵山の山鉾が並ぶ地域でも、特に阪急線の駅周辺は混雑するものの、離れて行くと、混雑はそれほどでもない。経路を選ぶのが観覧のポイントだ。
写真は、阪急京都線の大宮駅と烏丸駅の間あたり。JRだと、京都駅からは距離があるので、地下鉄を利用して四条駅まで出る必要が出てくる。在来線の場合は京都駅で降りるのもいいが、混雑している場合は、一つ先の新快速の停車する山科駅から地下鉄東西線に乗り換えて烏丸御池駅で降りるのがいいかもしれない。
写真の奥に見えるのが京都駅。長刀鉾や月鉾のある四条通の四条烏丸周辺の半径300㍍が特に混雑する。自動車は全面通行止めになるのだが、併せて歩行者も一方通行の規制が多く、動く美術館である山鉾を多く観覧するには、やはり外周の空いている場所から廻ってゆくのが、コツといえるやも。
四条通の平日午前中の情景。かなり混雑する政令指定都市の中心通りが、毎日交通が規制され、多くの山鉾が並ぶ様は、圧巻で、宵山の前の時間帯にも多くの観光客が足を運んでいる。昼間の方が、当然人口密度も低く、主要道路の交通規制は行われていないが、散策にはちょうどいいかもしれない。
写真のとおり、多くの出店も並ぶ、昼間はあまり営業していない。もちろん、酒類も並び、ほろ酔い気分で幻想的な風景を楽しむ方もいるようだが、宵山のときには人口密度から歩き食が基本となってしまうのが難点。一方で、営業している飲食店も多いので、一休みを兼ねてゆっくりとするのもいいかもしれない。
HARUNA
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