◆祇園祭を楽しむ
祇園祭特集。昨日に続いて、本日は、山鉾巡行について特集したい。祇園祭の最高潮というべき、山鉾巡行は明後日17日金曜日、0900時から始まる。
いよいよ金曜日に行われる山鉾巡行は、一ヶ月間に及ぶ祇園祭の最高潮を示し、32基の山鉾が京都市の中心部を進む姿は、圧巻の一言に尽きる。小生のように、護衛艦などを多く撮影した身からいうと、観艦式や展示訓練において、艨艟が単縦陣にて大海原を往く勇壮な姿を髣髴させるようにも思える次第。
山鉾巡行。一度見てみたい、という声は方々から聞き、しかし平日で、と断念する方から、ブルートレインで観に行きましたという行動力の方、この為に有休をという方もいれば、この為に京都支社へ、もしくは京都の◎〇大学へ、という声も聞く。・・・、まあ、当方の経験上、学生の方々は前期試験の最終講義試験日とぴったり重なるのだけれどもね。
山鉾巡行は、0900時より始まるが、長刀鉾を先頭に0900時から始まるので、0900時までに、32の山鉾は、山鉾巡行の進む順番に集まってくる。ちなみに、長刀鉾は先頭をゆくのだが、そのほかの順番は、毎年、籤を引いて決める。したがって、四条烏丸から遠い鉾や山が最初に進むこともあるので、早朝から京都の中心部、四条界隈は活気に包まれる。
祇園祭は、京都の伝統を伝える姿勢そのものの行事ともいえ、1944年まで実施、1945年は戦局悪化(祇園祭は、終戦の前月だ)により山鉾巡行などの祭事は見送ったものの、終戦後の混乱が続く1946年には山鉾巡行は、行われている。それだけ、人々に支持されている祭事といえよう。
さてさて、この山鉾巡行を、どこからみるか。四条烏丸、ここには緩急の特急停車駅である烏丸駅と地下鉄烏丸線の四条駅があるのだが、ここを起点として、阪急京都本線の終点、河原町駅のある写真の四条河原町で大きく転回し、そこから河原町通りを京都市役所方面へ進んでゆく。ちなみに、一番の見どころは転回の瞬間だ。
山鉾巡行は、なんといっても10㌧以上ある鉾が動く勇壮な姿に惹かれるのだが、曳かれる山鉾は意外と速い。そして、四条通は、もともとがオフィス街なので、歩道も狭く、観覧はものすごい混雑だ。そこで早く移動する方法は、四条通の真下、阪急烏丸駅から河原町駅まで続く阪急地下道、もしくは並行する脇道を移動すると、経験上混雑は少ない。
河原町通りは、四条通と同じく歩道はアーケードのようになっており、蛇足ながらここならば、万一(というほどでもないが)の雨天でも、雨傘に頼らず山鉾巡行を観覧することが出来る。そして、山鉾巡行は、地下鉄東西線京都市役所前駅、つまり河原町御池にて二条城方面に転回する。
早朝朝一で撮影場所が確保できなかった場合はどうするのか、実は、山鉾巡行は、御池通り沿いの方が混雑が少ない。というのも、御池通りは歩道に屋根こそないものの、道幅が広く、その分、動きがスムーズ。有料席の後ろ側などは、立ち見になるのだが、混雑にさらされず、落ち着いてみることが出来るのだ。
もう一つ、横からではなく、正面から山鉾巡行を観るにはどうしたらいいのか。そのためには、交通規制が張られる規制線の向こう側に位置するのがい理想的だ。良い写真が撮ることが出来るだけに混みそうな印象のあるのだが、実は撮影に臨んでみると、まあ、時間帯があるのかもしれないが、それほど混むわけではない。
理由はいろいろ考えられるのだが、一つは街路樹の有無。上の写真は、御池通り上の写真、そして写真は、御池通りの歩道から。車道ということで、真ん中に街路樹を置くわけにもいかず、早い話が本当に暑いのだ。いや、熱いというべきか。なお、京都府警の方に聞いてみたのだが、規制時間中は撮影のために車道に出てもいいとのこと。
山鉾巡行、その撮影は奥が深く、ある意味、人生を掛けて何十年も撮影されている方もいらっしゃるとのことだ。あともうひとつ、撮影のもう一つのコツは撮影前に後ろを振り返ること。鉄道写真などを撮ると気づくのだが、空いているように見えて、実は他の人たちのカメラの延長線上にあることも多い。ライブビューア機能を活かし、後ろの方から撮った方が、身動きも容易であるし、いい写真が撮れるのかもしれない。
HARUNA
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