◆PM-27よしの
本日は巡視船特集。例えば“海上自衛隊地方隊用輸送艦、その現状と理想”や、“武器輸出三原則、V-107の先例からハリアーのライセンス生産を”、などなど、書きたいことは多々あるのですが、時間が無いので巡視船。
小松島に入港していたのは、徳島海上保安部の最新鋭巡視船“よしの”。よしの、は、とから型巡視船の七番船として2009年6月に竣工、文字通り就役したての最新鋭巡視船だ。総トン数335㌧、船体は軽合金製で全長56㍍。ディーゼルエンジン3基を搭載し出力は15000馬力、速力は30ノット以上とされる。
能登半島沖不審船事案を受け、海上保安庁は50ノットに達する高性能巡視船つるぎ型を整備したが、高性能とともに価格も高騰してしまい、6隻で建造は終了した。そこで、従来の巡視船としての警備救難能力に加え、武装工作船への対処も可能な防御力と速力を兼ね備えつつ、調達価格を抑えるという厳しい何代の下で整備されたのが、とから型巡視船。
調達価格を低減するために、徹底して重量軽減が行われており、特にエンジンの軽量化に重点が置かれている。警備任務には、遠隔操作式制動型20㍉多銃身機銃を搭載、放水銃もみえる。特にウォータージェットの噴射部分の一部を簡略化するなどして、軽量化を図っているとのことだが、これら簡略化により、調達は比較的順調に進んでいる。
単価は25億円程度2003年から就役が始まり、現在、2012年度分を併せ20隻の建造が決定している。なお、高速航行時の振動は物凄く、三番船から乗員用にハイバックシートを採用、振動時の乗員への負担を軽減している。海上保安庁は、1300㌧の“はてるま”型、1800㌧の“ひだ”型などを整備し、警備救難能力の向上に努める一方、老朽巡視船も多く、如何に代替船を建造するかは、変わらず大きな問題となっている。
小松島航空基地からSH-60Jが離陸。ただ、この日の祝賀飛行が行われるのは1730時との発表だったので、離陸には少し早い。しかも離陸したのは1機のみだったので、祝賀飛行ではなくミッションフライトの可能性が。SH-60Jは洋上の艦艇などへの物品輸送にも用いられることがあるとのことだ。
赤石岸壁の輸送艦おおすみ。200㍉望遠でも、この通り遠い。ここに、明日歩いてゆくのか、と見ていた。その昔、四国には小松島線というものがあり、その路線が現役のころは、湊への行き来は楽だったようだが、今日は廃線、小松島駅も無くなり、現在は、南小松島駅が特急停車駅として残っているのみ。
巡視艇うずかぜ。ひめぎく型(旧すずかぜ型)の13番艇。既に140隻以上が就役している海上保安庁の主力巡視艇。総トン数23㌧、ディーゼル2基により1820馬力、速力30ノットを発揮する、航続距離は160浬。船体は高張力鋼製で、後期型は放水銃を廃止、その余剰重量を防弾装甲に充てて警備力強化仕様としている。
巡視船びざん。徳島海上保安部に移転前は、巡視船ひろみね。あかぎ型巡視船の5番船として1989年に就役。満載排水量115㌧、ディーゼル2基出力4800馬力により、速力28ノットを発揮する。乗員は12名、あかぎ型の約半数は警備用に12.7㍉機銃を搭載しているが、本船は放水銃を装備している。航続距離は500浬。
HARUNA
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