◆外交では懸案のみ山積
今週金曜日にアメリカのバラクオバマ大統領が来日、鳩山首相と日米首脳会談が行われる予定となっている。安全保障から外交、国際金融、経済協調など日米間でこその議論が話し合われることとなるのだろう。
オバマ大統領の来日を見越して、先週から米空軍横田基地周辺では警察による検問などが強化されているとのこと。来日は13日の金曜日、十三日の金曜日といえば、仏教的には13という数字は縁起が良く、しかも大安吉日だ。そして勤め人から学徒まで嬉しい週末の金曜日に来日ということである。
しかし、キリスト教的に十三日の金曜日が凶日とされているように、突如米国内で起きた米軍兵士乱射事件にて弔問のために遅れた日程が、現在の日米関係において山積した問題を象徴しているようにも思えてきてしまう。対等な日米関係を目指して成立した鳩山民主党政権が、何を以て対等とするかを明確にしないことからの外交関係の迷走が根底だ。
幾つか問題はあるが、象徴的なもののひとつは、十年間の地元での協力要請と日米交渉を重ねた成果としての普天間基地移設問題を政権交代とともに民主党が白紙に還元しようとしたために生じた摩擦である。ゼロベースで議論すれば一方的な基地移転の候補地への地元押しつけでもしなければ、十年単位での調整が必要となろう。
対外的に大きな象徴はインド洋対テロ海上阻止行動給油支援の打ち切りに関するものだろうか、単純延長は無い、という前提であるので、何を以て単純延長以外とするのかは議論の余地があるものの、一方的な政策の提示により国際協調の枠組みから飛び出ようとする現状は、どのように日米間で整理されるのだろうか。
アフガニスタン復興支援問題でも、給油支援に変わる支援方式としては、どのようなものがあり得るのか、急速に治安が悪化する現状に鑑みて、国際社会に責任ある立場としての支援内容を提示できるかについても、自衛隊を派遣せずに民間人主体の支援を表明する今日は、暗礁に乗り上げつつある状況である。はたして、日米首脳会談の展開は如何なるものになるのだろうか。
HARUNA
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