■機甲師団の創隊記念行事
本日陸上自衛地第七師団創設記念行事を見学に東千歳駐屯地へ行ってまいりました。毎度のことですが、一眼レフの写真が整理できておりませんので、コンパクトデジタルカメラG-12の写真により取り急ぎ掲載です。
第七師団といえば、本年が機甲師団改編30周年。しかし、2006年の駐屯地祭にて豪雨があり、撮影機材の防滴対策が当時未発達だった東宝は大打撃を受ける事となりました。撮影機材の故障こそありませんでしたが、レンズの曇りにより撮影継続がほぼ不可能となり、満足な写真が撮れなかったわけです。こうした事情もありまして、第七師団の行事写真を紹介する際に悪天候写真が多いのはそういう理由だったりします。
あの年を契機に、当方は最大限の防護措置をとり、そのおかげで豪雨のさなかに撮影した豊川駐屯地祭、浜松基地航空祭ではその時点でもっとも納得のいく撮影が出来、加えて機材の故障もなく、さらに富士総合火力演習予行における夜間演習でも豪雨の最中導入したばかりのカメラを含め機材保全と撮影を両立させました。
正直なところ、東千歳駐屯地祭は数ある陸上自衛隊駐屯地記念行事の中で、迫力は最大級を超えて、最大、といって過言ではないでしょう。富士学校祭よりも迫力では数段上です。特に戦車の迫力は、一列二列ではなく一挙に五列で観閲行進するのですから、ここに勝る行事というのは思いつきません。
第七師団は機甲師団ということで、起動打撃による衝撃力を用いた前線の強行突破による敵主力の殲滅と戦線の崩壊を意図していますので、特にあらゆる装備が機械化されているというのも驚きです。そしてその多くが本土では中々見ることのできない装備、というのも特筆すべきでしょう。
機械化は徹底しており、戦車部隊はもちろん、普通科部隊も完全機械化、迫撃砲まで自走化されていますし、対戦車中隊はそもそも装甲戦闘車に対舟艇対戦車誘導弾が装備されているので配置はなく、特科ももちろん全てが自走榴弾砲、高射特科には自走高射機関砲と誘導弾が配備されているのです。
ここまでは想像がつくのですが、施設大隊や通信大隊まで装甲化されている、というのは驚きなのではないでしょうか。それはもう数両単位で本部管理中隊に配備、というのは本土でも事例は挙げられるのですが、通信中継車両や施設小隊の車両まで装甲化、偵察隊には戦車が配備され、連隊の情報小隊には偵察警戒車、これはもう重装備のひとことに尽きるのではないでしょうか。
加えて、第一電子隊という陸上自衛隊唯一といえるだろう電子戦部隊がいますし、第一高射特科団本部があり、さらには北部方面混成団の本部も駐屯地の表札には挙げられていて、式典に参加しました。駐屯地はとにかく広大で、一般開放されている地区だけでも見えるものはそれはそれは、という状態になっていました。
観閲行進の迫力は写真でしか表現できないのですけれども、模擬戦も規模がすごく、それはもう実弾を使用しない点を除けば迫力は富士総合火力演習と比較してもなかなかのもでして、一進一退とともに戦車部隊の攻撃前進、そして機械化部隊の速度を活かした展示とともに、空包の連続発射、地雷原処理装置の発射や富士総合火力演習と同じ煙幕の展開、凄かった。
今年は文字通りの快晴に恵まれまして、第二航空団からは練習機による祝賀飛行も実施、こうしたなかで毎回速報を掲載する際に用いているコンパクトデジタルカメラにもこれまでにない用法を実際に試す事が出来まして、行事とともに写真以外に得たものも多かったです。さいっごになりましたが、本日現地でお世話になりました皆様、開門前に正門付近でいろいろお聞かせいただきました首都圏からの方、道内にお住まいで海外の航空祭にも多くの経験をお聞かせいただきました方、そして何よりも隊員の皆様にこの場を借りてお礼申しあげます、ありがとうございました。
北大路機関:はるな
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