北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

中部方面隊創設51周年・伊丹駐屯地開庁60周年記念行事:速報

2011-10-17 23:09:58 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆伊丹駐屯地祭2011

最近のコンパクトデジカメの性能は凄いなあ、というのが何度も思う印象。超望遠が絶対必要、という状況を除けば、EOS7D&G-12という体制が確立しつつあります。

Img_4340 荒川龍一郎中部方面総監が部隊を視閲する。中部方面隊創設51周年、伊丹駐屯地開庁60周年記念行事へ足を運んでまいりました。まだEOS-7Dの写真は整理中の段階ですので、本日はコンパクトデジカメG-12で撮影しました写真の方を紹介。前日まで雨が、いや京都市内では当日の三時までかなりの雨量がりましたので、雨天行事かな、と危惧し、超望遠などは置いて行ったのですが、快晴になりました。

Img_4365 中部方面総監、先の火箱総監も陸幕長を務められましたが、前東北方面総監の君塚陸将は、折木総監時代に中部方面隊幕僚長を務めておられた、とのこと。折木総監が統幕長を務めている今年三月に、君塚幕僚長が東北方面総監を務めている東日本を、ということになります。一貫した人事体系、というものの端的な表れでして、こもともと総監と幕僚長という関係だったからこそ、スムーズに行った、なるほどなあ、と感心してしまいました。

Img_4391 中部方面隊には51周年という始まりの年であると共に伊丹駐屯地は60周年という節目の年。式典には中部方面隊隷下の第三師団、第十師団、第十三旅団、第十四旅団より各一個普通科連隊が代表部隊を参加させたほか、師団旅団、方面隊直轄部隊より人員900名、車両140両、航空機13機が参加、式典、観閲行進、訓練展示、装備品展示と行われました。

Img_4407 第33普通科連隊の観閲行進。伊丹駐屯地祭、河原町から阪急で450円という近場にあるのと、先週の第七師団創設記念行事の開門時間ということもあり、時間を完全に間違えて開門0800と思い込み、0731時には阪急伊丹駅に進出していたのですが、シャトルバス待ちの案内も無し、そこでしまった0900時からだったか、と気づきました次第。それならば、塚口でゆっくりコーヒーでも楽しめばよかったと反省しましたね。

Img_4397_2 第十四偵察隊。軽装甲機動車の装備により普通科部隊、偵察部隊の変化は特筆に値するものですが、偵察は斥候と異なり一定の戦闘を以て的勢力の水準を解明するものですから、今後陸上自衛隊の装甲化が進むことを踏まえれば105mm砲を搭載する機動戦闘車の配備が望ましい、一方で25m機関砲を搭載する87式偵察警戒車のような車両は、装甲戦闘車の不足を補完する形で普通科中隊の対戦車小隊に対戦車ミサイルの補完として装備があってもいいのかな、と思ったりします。

Img_4418 第三特科隊のFH-70榴弾砲。FH-70は、非常に高性能な榴弾砲として欧州で開発が進められたものの効果になりすぎ、結局欧州で普及せずNATO加盟国でも未だに旧式化したM-1榴弾砲、陸自がFH-70の前に使っている野砲を改修して運用している国もあるほど。牽引しいということで安価な火砲と勘違いされるのですが、半自動装てんや瞬発射撃能力で秀でたものがあり、後継として来年度より開発が本格化する火力戦闘車にも相当の性能が求められることになるでしょう。そもそも自走榴弾砲よりも戦略機動性と長期運用での生存性が重視された背景のある装備ですから、変な話99式自走榴弾砲の砲塔システムを重装輪回収車の車体に、というコンセプトでもいいのかな、と。

Img_442403式中距離地対空誘導弾の観閲行進。”有効”射程が従来のホークミサイルよりも延伸した、というこの装備は管区が非常に広く京阪神中京地区を抱える一方で一個群しか方面高射部隊を持たない中部方面隊にとり、需要な装備、これを見たくて遠方から、という方もいらしたほどです。そういえば、来年度予算に特殊トラックとして本装備の車両部分を汎用化したものが二両三億円で要求されていました。少々高いですが、開発開始となる火力戦闘車含め将来装備の重要な部分を担う装備となるやも。

Img_4481 第四施設団の92式地雷原処理車。本車と75式装甲ドーザは最前線で運用する戦闘工兵用の装備で、本来は師団施設大隊や旅団施設中隊に配備し、方面隊は建設工兵に特化するべき、と思うのですけれども、昨今は師団と旅団からこれら装備が方面隊に移管されているとのこと。連隊戦闘団を編成した場合の施設中隊や施設小隊への装備の難しさは認めるのですが、それならば全ての師団施設大隊や旅団施設中隊に行き渡るような戦闘工兵用の障害除去用装備の開発と配備が必要と考えるところです。

Img_4440 中部方面情報隊の行進。中部方面移動監視隊、中部方面無人偵察機隊、観閲行進に参加しているのは移動監視レーダ装置。とにかく海岸線が長く、そして対岸に安全保障上の脅威を抱える中部方面隊ではこの種の装備は必要不可欠。無人偵察機は二機程度といわれ小ぶりな部隊という印象もあるのですが先日東千歳駐屯地祭に足を運んだ際に駐車場よりかなりの数の第一電子隊所属車両が置かれていまして、職種は違いますが中部方面情報隊も指揮官は1佐が充てられているようですし、今後増勢される可能性も高い部隊かもしれません。

Img_449274式戦車の観閲行進。耐用年数から考えるに平成20年代末期には全て用途廃止となり最新鋭の10式戦車に置き換えられる予定ですが、富士教導団戦車教導隊にも中隊が配置されていない現状、延命改修を行わなければならない羽目に陥るのでは、と少々不安ながら一方で戦車らしい形状には親近感を抱きつつ去就を見守っている装備です。将来装輪装甲車体系や機動戦闘車、火力戦闘車の配備が進めば正面装備の面で大きく様変わりするのでしょうね。

Img_4501祝賀飛行、航空学校からAH-64D戦闘ヘリコプター二機が加わり、海上自衛隊舞鶴航空基地からもSH-60が飛行に加わりました。こののちの模擬戦では、第十師団vs第三師団、という表現のような状況の展開となったのですが、昨年度の失敗から今年度は手堅い位置から撮影、結果はご想像にお任せします。続いて昨日掲載のイージス艦ちょうかい一般公開へ足を運んだ、という次第です。

北大路機関:はるな

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コメント (1)
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