◆そうりゅう型潜水艦五番艦、神戸にて進水式
新しい潜水艦が神戸にて進水式を迎えました、そうりゅう型潜水艦の五番艦で、艦名は”ずいりゅう”です。そこで、舞鶴展示訓練にて撮影した潜水艦うんりゅう、その他の写真とともに掲載。
2011年10月20日 海自潜水艦の進水式 三菱重工造船所、神戸 神戸市兵庫区の三菱重工業神戸造船所で20日、海上自衛隊の潜水艦(2950トン)の命名・進水式が行われた。「ずいりゅう」と名付けられ、2013年3月に横須賀基地(神奈川県横須賀市)か呉基地(広島県呉市)のいずれかに配備される。
海上自衛隊によると、ずいりゅうは全長84mで、長時間潜水できる「そうりゅう型」。この型の潜水艦には想像上の動物の名前を付けることになっており、漢字で書くと「瑞竜」。進水式には防衛省や三菱重工の関係者ら約260人が参加。日本酒の瓶を船体にぶつけて割り、船体を水面に下ろし進水を祝った。今後、四国沖の太平洋などで試運転するhttp://photo.sankei.jp.msn.com/highlight/data/2011/10/20/24sub/
この潜水艦は、従来のディーゼル発電機による電力をバッテリーに逐電して航行する潜水艦と異なり、潜航中であっても搭載するケロシンと液化酸素により動力を得て推進することが可能なAIP潜水艦となっています。ディーゼル発電機の場合、発電には浮上し空気をトリオむ必要があったためこのシュノーケル部分がレーダーに発見されやすい致命的難点があり、AIP潜水艦はこの難点を解決した推進方式を有しています。
このAIP方式は開発したスウェーデンによりスターリング機関方式と呼ばれており、このほかにAIP方式として燃料電池を用いる方式などが開発されています。海上自衛隊では艦内に可燃物として危険性があるスターリング方式を採用しましたが、設計の古さの一方で1980年代より、このスターリング機関方式の運用研究を実施しており、近年の新技術と比較し手馴れている、という利点はあるといえましょう。
新潜水艦ずいりゅう、はこのAIP方式を採用したそうりゅう型潜水艦の五番艦にあたり、特筆すべきは搭載する電池が四番艦、くわえてそれ以前の、おやしお型潜水艦、はるしお型潜水艦にもちいられた鉛電池方式からリチウムイオン電池方式に改められており、水中航行性能が向上している点が挙げられます。
他方で昨年確定された新しい防衛計画の大綱においては、潜水艦勢力を現在の16隻から最終的に22隻へと増勢する構想で、建造配分はこれ以上強化することが出来ないことから既存潜水艦の艦齢を延長することとなります。構造上は問題ないのですが戦闘指揮能力等で大きな差異がありこの点、新造とともに如何に対応するかには、興味が尽きません。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)