北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成28年第1空挺団降下訓練始め(2016.01.10)と茨城県大洗・横須賀基地周辺周遊紀行

2016-01-14 22:22:52 | 旅行記
■第1空挺団降下訓練始め
 日曜日から連休と併せ首都圏の自衛隊関連行事やその他の観光と基地周辺散策へ足を運んでまいりました。

 機動戦闘車、日曜日はこの一言に尽きるところ。第1空挺団降下訓練初めでは、陸上自衛隊の最新装備として開発実験団装備実験隊が試験中の機動戦闘車が一般初公開となり、本土の74式戦車を置き換える機甲科の新装備になると共に新設される機動連隊では諸職種連合部隊として普通科部隊の直接支援に充てる新装備であり、快晴の空の下で多くの注目を集めていました。

 第1空挺団降下訓練初めは、落下傘強襲を任務とする自衛隊唯一の空挺部隊である第1空挺団が年頭に最初の降下訓練を展示するもので、指揮官戦闘の伝統にのっとり兒玉恭幸空挺団長以下指揮官が落下傘降下、続いて戦闘部隊の降下訓練を経て空挺戦闘を模擬戦闘として訓練展示する行事であり、一般の方も自由に見学する事が出来ます。

 落下傘強襲は、輸送機に搭載可能となる装備を中心に編成した軽歩兵部隊を、落下傘降下により地形を選ばず相手の想定外の地域にある後方連絡線や緊要地形などの要衝や航空拠点などの奪取へ投入する部隊で、ヘリコプターによるヘリボーン攻撃と異なり、輸送機により一挙に千km以上の距離を越えて展開する事が可能です。

 自衛隊最精鋭部隊と表現される空挺団ですが、空挺部隊が盛況といわれるゆえんは輸送機へ搭載可能な装備品の実で戦闘を展開する必要があり、その分の事前集積品や車両化という条件が非常に制限される中で個々人の要員が持つ戦闘能力を最大限にまで高め、戦闘能力を補完するとの発想の下、厳しい選抜と部隊訓練が行われる為のもの。

 第1空挺団は千葉県習志野駐屯地に団本部をおき、団本部、団本部中隊、第1普通科大隊、第2普通科大隊、第3普通科大隊、空挺特科大隊、通信中隊、施設中隊、空挺後方支援隊、空挺教育隊、を基幹とする編成で、空挺団の要員全てが習志野駐屯地に駐屯する完結された部隊となっていまして、1900名の隊員を以て編成されています。

 習志野訓練場、京成電鉄八千代台駅からバスで結ばれている首都圏の訓練場が舞台で、当日は快晴という文字そのものの好天に恵まれ、若干の風があったほかは落下傘降下に適した環境、更に暖冬の影響か一月の初等という例年の凍える季節ながらもそれほど寒さを感じさせず、早朝から多くの見学者が開門前の習志野訓練場に並びました。

 空挺団降下訓練始めではありますが、訓練展示の想定は島嶼部防衛で、空挺団の所属する中央即応集団隷下部隊、そして第1師団や第1機甲教育隊に富士教導団等の支援が今年度も行われ、10式戦車など精鋭装備が空挺団を支援、航空自衛隊や高射学校のペトリオットミサイルや自走高射機関砲も加わり戦車と榴弾砲といった重装備の重要性を示した展示ともなりました。

 第1空挺団は2004年の部隊改編により、従来の空挺普通科群一個を基幹とした編成から、三個空挺大隊を基幹とした編成に移行しており、各空挺大隊は本部中隊と第1中隊に第2中隊と第3中隊、という旅団普通科連隊に準じる編成を採っています。人員規模は380名と旅団普通科連隊の半分強ですが、本部中隊は情報小隊と対戦車小隊に通信中隊を有し、大隊には軽装甲機動車も配備され、ローテーションにて即応待機態勢をとる、文字通り即応部隊といえるでしょう。

 今回の首都圏展開は、空挺降下訓練始めに併せて観光を盛り込み、やや遅くなりましたが、正月旅行、という位置づけとしました。そこで今回、以前から多くの方に足を運ぶことを進められた茨城県大洗に展開しました、女子高生と戦車を題材としたアニメーション“ガールズ&パンツァー”の舞台となった場所で、現在劇場版が公開中、一時完売となっていたBD初回限定盤が再版され遅まきながら全巻揃えブームにのった、というところ。

 大洗では、地積見積に基づく検証を試みましたが、まあ、戦術的なものを考えればアニメーションは成り立たない、という印象です。しかし何よりも、当方は昨年の正月旅行がお伝えしましたが、テレビアニメーション“氷菓”の舞台である飛騨高山を、昨年は観艦式付帯行事となったテレビアニメーション“蒼き鋼のアルペジオ”の舞台の一つ横須賀を散策しましたが、大洗のガールズ&パンツァーのアニメーション聖地化と地元の関係には非常に強い印象を持ちました。

 蒼き鋼のアルペジオ、関連ではありませんが最後に横須賀を経由しまして今年の正月旅行としました。横須賀は原子力空母ロナルドレーガンが入港中で、横須賀軍港めぐり遊覧船は桟橋の工事という関係から臨時休航となっていたのが残念ではありましたが、駅前喫茶店のマスターにお教えいただいた横須賀の名所旧跡を散策し、なかなか興味深いものも出会えたところ。

 ヘリコプター搭載護衛艦いずも、逸見桟橋に停泊しており遠くからもその船体、満載排水量27000tの巨大な船体は横須賀地方総監部庁舎を越える大きさで、やはり何度みてもこれまでにない程凄い護衛艦です。横須賀駅と東京湾の間に巨大な壁の様に存在感を示すヘリコプター搭載護衛艦を眺めつつ、今回の正月旅行としました。

北大路機関:はるな くらま
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