有事の際に必要であればT-4練習機にもAAM-4を搭載するべきではないか、今回はその意見無茶な選択肢について紹介します。
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整備用品の事前備蓄という視点で、費用という面から指摘されるのがLRUの備蓄で、例えば旧東欧諸国でLRU方式の整備方式を採用する戦闘機を採用した空軍等ではLRUには非常に戸惑うとのこと、LRUの数が稼働率を決定づける要素であるのですが、言い換えればLRUが充分なければ早晩に稼働率は最低となってしまいます。この部分、旧ソ連製のMiG戦闘機など最低稼動率を最高稼動率よりも重視した機体には無かった発想のようです。
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事前にLRUを備蓄しておくという事は、補給処以外にLRUを大量備蓄しておくという意味でもあり、それならば、補給処と前線航空基地のLRU緊急輸送体制を構築した方がよいのではないか、との視点にも繋がります。もっとも、整備要員が整備工具だけを携行してヘリコプターに乗り込み、必要なLRUは随時連絡線を維持し補給、臨時分屯基地、つまり野戦飛行場で戦闘機と向き合う、というもの。そしてLRUについては、必要な数量を即座に基地から輸送する体制を構築し、弾薬についても輸送する体制を構築する、それだけの輸送機が無いと問われそうですが、冒頭のT-4練習機を有事の活用する視点に繋がる。
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初動の最小限の装備をコンテナにより輸送する。こうした場合、空輸する初動のコンテナは、ラッタルや弾薬輸送架と、大型消火器、1回から2回程度の再武装用ミサイルに燃料と燃料供給装置、予備車輪に照明器具と地上誘導装置程度に抑える事が可能です。もっとも、8機の戦闘機を展開させるのですから、1回程度の再武装としてもAAM-5短距離空対空ミサイル32発、AAM-4中射程空対空ミサイル32発、20mm機関砲弾7520発、チャフにIRフレアー、予備増槽24基、内容量は絞ったとして膨大な数に上りますが、ね。
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このLRU緊急輸送任務に威力を発揮するのが練習機です。上記の通り最低数の事前備蓄装備だけで膨大な数に上りますので、継続的に航空作戦を展開するには更に多くの物資が必要となります。そこで、T-4練習機、T-400練習機、共に速度があり、搭載量はトラベルポッドに搭載する程度ですので数は知れていますが、例えばT-4練習機だけで200機以上が生産されており、C-2輸送機やC-130H輸送機、C-1輸送機での輸送能力が限界に達した状況等では、重要な装備で大型ではないが兎に角早くいち早く、迅速に輸送する必要がある、という装備品の輸送には威力を発揮するでしょう。云わば、空飛ぶバイク便、というもの。
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T-4練習機の飛行能力を可能な範囲内で空輸支援に充てる、T-7練習機までLRU輸送支援任務へ投入する必要はありませんが、T-4練習機であればトラベルポッドへ搭載し輸送するほか、必要に応じ主翼にAAM-4やAAM-5を装着し空輸するという緊急輸送方法も検討されるべきでしょう。T-4練習機に左右各3発計6発のAAMを搭載、勿論射撃する必要はありませんのであくまで主翼吊下げ輸送に過ぎないのですが、輸送における選択肢に含めるだけで、輸送用航空機が50機程度の輸送機に留まるのか、200機以上の小型高速輸送手段を得るのか、大きく変わる事は間違いありません。
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ただ、選択肢には有事のさいに臨時分屯基地を展開させ戦闘機を分散運用させる時点dね、膨大な整備要員が必要となる為、列線整備要員の不足を教育訓練部隊より練習機の整備員を以て支援に充てる、という方式も考えられます。練習機を高速輸送任務へ用いる場合は、その練習機の運用要員も必要となりますので、こちらについてはその価値の判断が分かれるでしょう。
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NIFC-CA将来統合データリンクや自衛隊統合データリンク能力と練習機を合わせ、特に長射程化する中距離空対空ミサイルを早期警戒機の誘導に応じて運用するミサイルキャリアー的な用途にもちいる、という選択肢もあり得るのかもしれませんが、その為の練習機を用いるよりは平時にあっては操縦要員の養成に専念させ、有事の際には後方の航空補給拠点から第一線の臨時分屯基地に貴重な部品とミサイルを空輸する、平時と有事の任務を明確に区分し能力を発揮させることはできるでしょう。
北大路機関:はるな くらま
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整備用品の事前備蓄という視点で、費用という面から指摘されるのがLRUの備蓄で、例えば旧東欧諸国でLRU方式の整備方式を採用する戦闘機を採用した空軍等ではLRUには非常に戸惑うとのこと、LRUの数が稼働率を決定づける要素であるのですが、言い換えればLRUが充分なければ早晩に稼働率は最低となってしまいます。この部分、旧ソ連製のMiG戦闘機など最低稼動率を最高稼動率よりも重視した機体には無かった発想のようです。
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事前にLRUを備蓄しておくという事は、補給処以外にLRUを大量備蓄しておくという意味でもあり、それならば、補給処と前線航空基地のLRU緊急輸送体制を構築した方がよいのではないか、との視点にも繋がります。もっとも、整備要員が整備工具だけを携行してヘリコプターに乗り込み、必要なLRUは随時連絡線を維持し補給、臨時分屯基地、つまり野戦飛行場で戦闘機と向き合う、というもの。そしてLRUについては、必要な数量を即座に基地から輸送する体制を構築し、弾薬についても輸送する体制を構築する、それだけの輸送機が無いと問われそうですが、冒頭のT-4練習機を有事の活用する視点に繋がる。
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初動の最小限の装備をコンテナにより輸送する。こうした場合、空輸する初動のコンテナは、ラッタルや弾薬輸送架と、大型消火器、1回から2回程度の再武装用ミサイルに燃料と燃料供給装置、予備車輪に照明器具と地上誘導装置程度に抑える事が可能です。もっとも、8機の戦闘機を展開させるのですから、1回程度の再武装としてもAAM-5短距離空対空ミサイル32発、AAM-4中射程空対空ミサイル32発、20mm機関砲弾7520発、チャフにIRフレアー、予備増槽24基、内容量は絞ったとして膨大な数に上りますが、ね。
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このLRU緊急輸送任務に威力を発揮するのが練習機です。上記の通り最低数の事前備蓄装備だけで膨大な数に上りますので、継続的に航空作戦を展開するには更に多くの物資が必要となります。そこで、T-4練習機、T-400練習機、共に速度があり、搭載量はトラベルポッドに搭載する程度ですので数は知れていますが、例えばT-4練習機だけで200機以上が生産されており、C-2輸送機やC-130H輸送機、C-1輸送機での輸送能力が限界に達した状況等では、重要な装備で大型ではないが兎に角早くいち早く、迅速に輸送する必要がある、という装備品の輸送には威力を発揮するでしょう。云わば、空飛ぶバイク便、というもの。
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T-4練習機の飛行能力を可能な範囲内で空輸支援に充てる、T-7練習機までLRU輸送支援任務へ投入する必要はありませんが、T-4練習機であればトラベルポッドへ搭載し輸送するほか、必要に応じ主翼にAAM-4やAAM-5を装着し空輸するという緊急輸送方法も検討されるべきでしょう。T-4練習機に左右各3発計6発のAAMを搭載、勿論射撃する必要はありませんのであくまで主翼吊下げ輸送に過ぎないのですが、輸送における選択肢に含めるだけで、輸送用航空機が50機程度の輸送機に留まるのか、200機以上の小型高速輸送手段を得るのか、大きく変わる事は間違いありません。
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ただ、選択肢には有事のさいに臨時分屯基地を展開させ戦闘機を分散運用させる時点dね、膨大な整備要員が必要となる為、列線整備要員の不足を教育訓練部隊より練習機の整備員を以て支援に充てる、という方式も考えられます。練習機を高速輸送任務へ用いる場合は、その練習機の運用要員も必要となりますので、こちらについてはその価値の判断が分かれるでしょう。
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NIFC-CA将来統合データリンクや自衛隊統合データリンク能力と練習機を合わせ、特に長射程化する中距離空対空ミサイルを早期警戒機の誘導に応じて運用するミサイルキャリアー的な用途にもちいる、という選択肢もあり得るのかもしれませんが、その為の練習機を用いるよりは平時にあっては操縦要員の養成に専念させ、有事の際には後方の航空補給拠点から第一線の臨時分屯基地に貴重な部品とミサイルを空輸する、平時と有事の任務を明確に区分し能力を発揮させることはできるでしょう。
北大路機関:はるな くらま
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