■相模湾:自衛隊vs台風19号
観艦式の日程が令和元年観艦式が例の無い予行本番三日連続故に早い時期から悪天候の心配、台風直撃の懸念がありましたが、さて。

令和元年自衛隊観艦式がいよいよ今週末の三連休に挙行されます。巨大な護衛艦いずも、を観閲艦に冠する令和時代初の観艦式、いや天皇陛下と上皇陛下が在位する時代では旧帝国海軍の時代を含め初の観艦式となり、参加艦艇としては外国艦艇が11隻、海上自衛隊50周年観艦式に準じる規模の世界各国海軍の祝賀参加であり、海での令和時代の幕開けです。

台風19号、この祝賀機運に文字通り水を差すように昨日6日に発生しました、熱帯低気圧が発達した台風、20“19”年に併せて台風“19”号、しかも現在の位置は本日1800時時点でマリアナ諸島西北西を毎時30kmの速度で日本列島に向っています。大きさは大型、中心気圧は915hPaで強さは猛烈、瞬間最大風速は実に75m/sという規格外に育ちました。

自衛隊vs台風19号、中心気圧915hPaという規模は今年最大の台風であり、明日は900hPaまで発達、風速55m/sと瞬間最大風速75m/s、11日金曜日には大東島沖に接近するという。また日本付近には低気圧と前線の雲が広がり、西日本と東日本は今夜から猛烈な雨となり明日には北日本も本降りとなる。果たして自衛隊観艦式はいったいどうなるのでしょうか。

自衛隊観艦式2015、実はこの本番でも観艦式の直ぐ近くに台風が接近していました。10月14日に発生した平成27年台風25号が小笠原諸島南方を進んでおり、最盛期の中心気圧は930hPsという規模、また観艦式当日にはさらに南方のフィリピン当方を先に発生した平成27年台風27号が進んでおり、ダブルタイフーンという状況で観艦式は実施されています。

くらま観閲艦とした自衛隊観艦式2015、台風が二つも南に猛威を振るい、実は波が非常に高く、満載排水量7200tの掃海母艦ぶんご、が波浪に煽られてそのまま艦首下まで見えてしまう程の迫力でしたが、天気晴朗ナレドモ波高シ、という日本海海戦の故事そのままの迫力で粛々と挙行されています。高層ビルのエレベータに延々乗り続けている感覚でした。

野分でも高波でも朝霧でも時雨でも海風でも満潮でも、どれも旧海軍の駆逐艦の名前ですが観艦式というものは実施されるのですね。そして海上自衛隊観艦式は第一回となる1957年の海上自衛隊東京湾観艦式から、2015年の28回を数えた観艦式まで、悪天候で中止となったものは一度も無いのですね。航空部隊の参加規模縮小や飛行中止だけはありましたが。

観艦式に雨天中止は無い、特に前回の観艦式は台風が二つも太平洋上を進んでおり、うち一つは日本列島に接近する経路の中でも挙行している、と説明しましたらば多少は安心できるでしょうか。ただ、今回の台風19号は進路が微妙であり、最悪の場合には観艦式の変更があり得るかもしれません。現在の予報では12日午後の時点で紀伊半島南、という。

台風19号の進路は太平洋高気圧の外縁を進んでおり、予報の多くは現在位置から週末にかけて本州へ接近する経路を示しています。もちろん本州へ近づけば海水温が低下する為に勢力を減じる事となりましょうが、土曜日の観艦式第一回予行と日曜日の観艦式第二回予行については、海上自衛隊が台風準備をどのように行うかにより変更があり得るでしょう。

観艦式、招待客や乗艦者は台風で大丈夫なのか、という視点について。まず、基地や岸壁が台風の波浪による影響を受ける場合は、残念ながら中止となる可能性が高い、また台風避泊と重なった場合でも同様です。しかし、それ以外、単に波が高い程度や風が凄い程度のどちらかであれば実施されます、その場合は前甲板が立ち入り禁止となる可能性が高い。

暴風警報下では流石に中止となる可能性が高いのですが、出航して一定以上の環境となった場合、過去には乗員居室等が開放され、船酔いにて危険な状況では収容される事がありました。場合によっては、上甲板封鎖、という可能性もあるでしょう。ただ、過去にはミサイル艇が波浪に没するような厳しい状況でも実施されていますので、流石というか、ね。

台風避泊、海上自衛隊では台風が接近した場合、岸壁や桟橋に係留したままでは艦艇が波浪と共に岸壁や桟橋に打ち付けられ、艦艇や施設が破損する恐れがある為、風よけとなる半島や離島の島影に避難します。乗員の上甲板通行は禁止され、どうしても甲板作業が必要となった場合に備え命綱も張られる。これと重なると、基地にそもそも艦が居ません。

台風避泊が必要な進路となった場合、観艦式実施には影響があり得るでしょう。ただ、台風避泊が完了したならば順次横須賀基地や横浜港、木更津港へ戻る事となります。過去海上自衛隊は悪天候でも内容を工夫し観艦式を実施してきました。観艦式は国威発揚の為の国家行事、余程の台風被害が生じ安倍総理大臣が決断しない限り、実施するのではないか。

台風19号がこのまま速度を増しますと、観艦式予行と台風は外れるのですが、明日には900hPsの勢力に育つ台風が、勢力をそのままに京阪神地区から東海地方にかけて直撃する事となり、最大瞬間風速75m/sの突風は想像できません。ただ、今回の台風で確実に言えるのは鉄道について東海道山陽新幹線を始め大規模計画運休が在り得る、ということです。

計画運休、近年台風による被害を事前抑止する為に早い時期に計画運休が発表され、特に三連休に接近する事からJR各社は早い時期に計画運休を発表し、安全を第一とした運行が予想されます。14日の観艦式本番では恐らく現在の予報では台風19号の直撃は免れますので、台風一過の快晴が期待できますが、早めに首都圏まで移動し、宿泊するのが望ましい。

しかし、台風19号、十月に接近する台風としては規格外の規模となりつつあります。今年は台風15号千葉県広域停電等の記憶に在りますが、進路と規模が不気味な水準に達しています。観艦式も重要ですが、フリートウィークにお出かけの際には、まず自宅周辺の台風対策や屋根と雨戸の台風接近前の補修、避難計画等、万全の準備を忘れてはなりません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
観艦式の日程が令和元年観艦式が例の無い予行本番三日連続故に早い時期から悪天候の心配、台風直撃の懸念がありましたが、さて。

令和元年自衛隊観艦式がいよいよ今週末の三連休に挙行されます。巨大な護衛艦いずも、を観閲艦に冠する令和時代初の観艦式、いや天皇陛下と上皇陛下が在位する時代では旧帝国海軍の時代を含め初の観艦式となり、参加艦艇としては外国艦艇が11隻、海上自衛隊50周年観艦式に準じる規模の世界各国海軍の祝賀参加であり、海での令和時代の幕開けです。

台風19号、この祝賀機運に文字通り水を差すように昨日6日に発生しました、熱帯低気圧が発達した台風、20“19”年に併せて台風“19”号、しかも現在の位置は本日1800時時点でマリアナ諸島西北西を毎時30kmの速度で日本列島に向っています。大きさは大型、中心気圧は915hPaで強さは猛烈、瞬間最大風速は実に75m/sという規格外に育ちました。

自衛隊vs台風19号、中心気圧915hPaという規模は今年最大の台風であり、明日は900hPaまで発達、風速55m/sと瞬間最大風速75m/s、11日金曜日には大東島沖に接近するという。また日本付近には低気圧と前線の雲が広がり、西日本と東日本は今夜から猛烈な雨となり明日には北日本も本降りとなる。果たして自衛隊観艦式はいったいどうなるのでしょうか。

自衛隊観艦式2015、実はこの本番でも観艦式の直ぐ近くに台風が接近していました。10月14日に発生した平成27年台風25号が小笠原諸島南方を進んでおり、最盛期の中心気圧は930hPsという規模、また観艦式当日にはさらに南方のフィリピン当方を先に発生した平成27年台風27号が進んでおり、ダブルタイフーンという状況で観艦式は実施されています。

くらま観閲艦とした自衛隊観艦式2015、台風が二つも南に猛威を振るい、実は波が非常に高く、満載排水量7200tの掃海母艦ぶんご、が波浪に煽られてそのまま艦首下まで見えてしまう程の迫力でしたが、天気晴朗ナレドモ波高シ、という日本海海戦の故事そのままの迫力で粛々と挙行されています。高層ビルのエレベータに延々乗り続けている感覚でした。

野分でも高波でも朝霧でも時雨でも海風でも満潮でも、どれも旧海軍の駆逐艦の名前ですが観艦式というものは実施されるのですね。そして海上自衛隊観艦式は第一回となる1957年の海上自衛隊東京湾観艦式から、2015年の28回を数えた観艦式まで、悪天候で中止となったものは一度も無いのですね。航空部隊の参加規模縮小や飛行中止だけはありましたが。

観艦式に雨天中止は無い、特に前回の観艦式は台風が二つも太平洋上を進んでおり、うち一つは日本列島に接近する経路の中でも挙行している、と説明しましたらば多少は安心できるでしょうか。ただ、今回の台風19号は進路が微妙であり、最悪の場合には観艦式の変更があり得るかもしれません。現在の予報では12日午後の時点で紀伊半島南、という。

台風19号の進路は太平洋高気圧の外縁を進んでおり、予報の多くは現在位置から週末にかけて本州へ接近する経路を示しています。もちろん本州へ近づけば海水温が低下する為に勢力を減じる事となりましょうが、土曜日の観艦式第一回予行と日曜日の観艦式第二回予行については、海上自衛隊が台風準備をどのように行うかにより変更があり得るでしょう。

観艦式、招待客や乗艦者は台風で大丈夫なのか、という視点について。まず、基地や岸壁が台風の波浪による影響を受ける場合は、残念ながら中止となる可能性が高い、また台風避泊と重なった場合でも同様です。しかし、それ以外、単に波が高い程度や風が凄い程度のどちらかであれば実施されます、その場合は前甲板が立ち入り禁止となる可能性が高い。

暴風警報下では流石に中止となる可能性が高いのですが、出航して一定以上の環境となった場合、過去には乗員居室等が開放され、船酔いにて危険な状況では収容される事がありました。場合によっては、上甲板封鎖、という可能性もあるでしょう。ただ、過去にはミサイル艇が波浪に没するような厳しい状況でも実施されていますので、流石というか、ね。

台風避泊、海上自衛隊では台風が接近した場合、岸壁や桟橋に係留したままでは艦艇が波浪と共に岸壁や桟橋に打ち付けられ、艦艇や施設が破損する恐れがある為、風よけとなる半島や離島の島影に避難します。乗員の上甲板通行は禁止され、どうしても甲板作業が必要となった場合に備え命綱も張られる。これと重なると、基地にそもそも艦が居ません。

台風避泊が必要な進路となった場合、観艦式実施には影響があり得るでしょう。ただ、台風避泊が完了したならば順次横須賀基地や横浜港、木更津港へ戻る事となります。過去海上自衛隊は悪天候でも内容を工夫し観艦式を実施してきました。観艦式は国威発揚の為の国家行事、余程の台風被害が生じ安倍総理大臣が決断しない限り、実施するのではないか。

台風19号がこのまま速度を増しますと、観艦式予行と台風は外れるのですが、明日には900hPsの勢力に育つ台風が、勢力をそのままに京阪神地区から東海地方にかけて直撃する事となり、最大瞬間風速75m/sの突風は想像できません。ただ、今回の台風で確実に言えるのは鉄道について東海道山陽新幹線を始め大規模計画運休が在り得る、ということです。

計画運休、近年台風による被害を事前抑止する為に早い時期に計画運休が発表され、特に三連休に接近する事からJR各社は早い時期に計画運休を発表し、安全を第一とした運行が予想されます。14日の観艦式本番では恐らく現在の予報では台風19号の直撃は免れますので、台風一過の快晴が期待できますが、早めに首都圏まで移動し、宿泊するのが望ましい。

しかし、台風19号、十月に接近する台風としては規格外の規模となりつつあります。今年は台風15号千葉県広域停電等の記憶に在りますが、進路と規模が不気味な水準に達しています。観艦式も重要ですが、フリートウィークにお出かけの際には、まず自宅周辺の台風対策や屋根と雨戸の台風接近前の補修、避難計画等、万全の準備を忘れてはなりません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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