■しまかぜ,鉄道の日記念特集
十月十四日は鉄道の日です。特急に乗る事が旅行の目的で、という発想はしかしそれならば山手線でも延々巡ればよい、それよりも一歩進んだ発想は、この特急に見出せる。
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近畿日本鉄道は2013年に新型特急近鉄50000系電車しまかぜ号を投入し、特別優美な車体形状と車内設備から大きな話題に、2014年にはブルーリボン賞を受賞します。実際登場当初は特急券が全く入手できないほどの人気列車で、当初の二編成に加え一編成が増備されています。
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アーバンライナーに伊勢志摩ライナー、近鉄には驚かされる事ばかりですね。ビスタカーとして二階建て特急、ダブルデッカー車を我が国において初めて投入した時代から、近鉄特急は常に革新的なものでして、元々は東京と大阪を結ぶ急行電鉄を目指していた名残り。
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しまかぜ号は伊勢志摩への特急として、特に伊勢神宮と志摩という観光地や参詣へ向かう特急ですので、車内設備と共に展望席という観光特急に求められる設備を理想的な形で実現していまして、名古屋伊勢志摩間の運行に加え2014年からは京都へも乗り入れています。
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近鉄50000系電車、展望に配慮した配置とともに普通車のシートピッチはアーバンライナーのデラックスシート並、ダブルデッカー車にはカフェテリアが配置されサロン席とコンパートメント、団体旅行から個人旅行にビジネス旅客まで様々な旅客需要に対応している。
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移動を楽しむ、という特急を選ぶ選択肢を近鉄特急は新しい形で再認識させてくれているようで、これは対照的な存在としてのクルーズトレイン、移動の選択肢では無く乗る事に特化し、目的地を最初から度外視する列車に対し交通手段との本分を思い出し、2014年にはブルーリボン賞を受賞します。
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アーバンライナーという主力特急、伊勢志摩ライナーと、しまかぜ、と共に忘れてはならないのは名阪特急という位置づけにあるアーバンライナーで、新幹線のグリーン車を上回るデラックスシート、車内の絨毯や洗面設備と喫食体制、サービスが生きている印象です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/47/58cab310b62d6711484ffe9aca2ba117.jpg)
スナックカーとして、近鉄名阪特急は1960年代に東海道新幹線開業により、一種無条件降伏に近い状況まで乗客を新幹線に持って行かれまして、二両編成と短縮運行しても空席が目立ったため、単行運行も真剣に検討されたと伝わりますが、サービスで回復しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/cf/52474ddda2f307ec42c8f5f51b0ce157.jpg)
サービス重視を示した新型特急スナックカーは、車内に軽食を提供する設備を配置しまして、草創期の東海道新幹線が食堂車ではなくビュッフェと簡易化していたのに対し、私鉄特急ながら本格喫食設備を配置、運営は短期ながら個性を発揮しその固定客を繋ぎました。
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クルーズトレインと観光特急の線引きは、目的地という観光地への連絡性を上質な特急により実現している、という部分でしょう。クルーズトレインでは目的地と目的地を巡るのではなく、パッケージ化された旅程を列車で巡り自由度が減じている。この当たりが違う。
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JALパック世代にはクルーズトレインは一つの理想形なのかもしれませんが、目的地が無いクルーズ、目的地があって其処へ向かう際に上質な旅行を、という特急、全体としては需要は後者の方が多いのではないでしょうか、旅客単価は前者の方が高くなりますが、ね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/52/147f12649126262cc74fbee0dc9a0f24.jpg)
観光特急のもう一つの魅力は、観光特急の車内が充実する事で、ビジネス旅客も利用し得る、という点ではないでしょうか、一種のプレミアムな出張といいますか、乗車券に特急券を上積みするだけで上質な観光特急という日常の業務多忙中にも非日常を味わえるもの。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/7d/ac957385318234553c23780903dd6d4f.jpg)
サニーカーと、近鉄特急再興の流れは、東海道新幹線が国鉄累積赤字を受けて値上げを定期的に継続し、割安感が生じると共に、名神高速道路開通に伴う高速バスに対してはサービスでの存在感を示し、選ばれる存在として位置付けられアーバンライナーへ繋ぎました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/eb/4eae7280960c4c4776f27b295112ff14.jpg)
のぞみ号のように、交通機関の責務は速度であるとして、サービスを極限まで簡略化し多姿を見ますと、近鉄特急の速度以外にも選ぶ選択肢の在り方への希求は、単純に早く移動できる公共交通機関に徹すれば何れより早い旅客機に追い抜かれると認識すべきでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/57/7d390ac23a6ef4e7dbab68fd1156f4fc.jpg)
勿論、近鉄には短距離特急はあります、ACE等は連絡特急ですので、それほど特筆するサービスは有していませんし、特急料金設定が長距離の割安感に対し短距離では少々考えさせられる点は無いでもありませんが、さくらライナーのような短距離の上質な特急も並ぶ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/a2/4703736bbaced0adaf1aa16767610546.jpg)
伊勢志摩の晴れやかな空、その狙いのもとに開発された特急です。近鉄特急が時代のニーズを確実にとらえている、その背景に緻密なマーケティング戦略がありまして、伊勢志摩方面への旅客アンケート、京阪神と中京に首都圏での理想特急への意識調査がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/24/0a83ca5599625568fe02dbd92e13037c.jpg)
しまかぜ、先行する観光特急伊勢志摩ライナーから、旅客調査に基づく車両の開発という試みは始まっています。その分高く、六両二編成で取得費用は37億円、一編成18億5000万円、N700系新幹線16両が一編成で48億円ですので一両あたりは新幹線より高くなった。
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新幹線を含む鉄道事業者、特に長距離特急を運行する旅客鉄道会社が忘れてはならないのは、一見独占企業にみえるも、リージョナルジェットや格安航空台頭により独占体制は長く続かず相応にサービスを重視し選ばれる努力を続けねば状況は変わる、希望の星ですね。しかし同じ名前の護衛艦が在って、観艦式中止に併せてこんな記事を作成してみました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
十月十四日は鉄道の日です。特急に乗る事が旅行の目的で、という発想はしかしそれならば山手線でも延々巡ればよい、それよりも一歩進んだ発想は、この特急に見出せる。
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近畿日本鉄道は2013年に新型特急近鉄50000系電車しまかぜ号を投入し、特別優美な車体形状と車内設備から大きな話題に、2014年にはブルーリボン賞を受賞します。実際登場当初は特急券が全く入手できないほどの人気列車で、当初の二編成に加え一編成が増備されています。
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アーバンライナーに伊勢志摩ライナー、近鉄には驚かされる事ばかりですね。ビスタカーとして二階建て特急、ダブルデッカー車を我が国において初めて投入した時代から、近鉄特急は常に革新的なものでして、元々は東京と大阪を結ぶ急行電鉄を目指していた名残り。
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しまかぜ号は伊勢志摩への特急として、特に伊勢神宮と志摩という観光地や参詣へ向かう特急ですので、車内設備と共に展望席という観光特急に求められる設備を理想的な形で実現していまして、名古屋伊勢志摩間の運行に加え2014年からは京都へも乗り入れています。
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近鉄50000系電車、展望に配慮した配置とともに普通車のシートピッチはアーバンライナーのデラックスシート並、ダブルデッカー車にはカフェテリアが配置されサロン席とコンパートメント、団体旅行から個人旅行にビジネス旅客まで様々な旅客需要に対応している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/8f/611ce2c0e5d060a01da312eee1d66fde.jpg)
移動を楽しむ、という特急を選ぶ選択肢を近鉄特急は新しい形で再認識させてくれているようで、これは対照的な存在としてのクルーズトレイン、移動の選択肢では無く乗る事に特化し、目的地を最初から度外視する列車に対し交通手段との本分を思い出し、2014年にはブルーリボン賞を受賞します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/32/84334ba9426efddfc25b290146ae733a.jpg)
アーバンライナーという主力特急、伊勢志摩ライナーと、しまかぜ、と共に忘れてはならないのは名阪特急という位置づけにあるアーバンライナーで、新幹線のグリーン車を上回るデラックスシート、車内の絨毯や洗面設備と喫食体制、サービスが生きている印象です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/47/58cab310b62d6711484ffe9aca2ba117.jpg)
スナックカーとして、近鉄名阪特急は1960年代に東海道新幹線開業により、一種無条件降伏に近い状況まで乗客を新幹線に持って行かれまして、二両編成と短縮運行しても空席が目立ったため、単行運行も真剣に検討されたと伝わりますが、サービスで回復しました。
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サービス重視を示した新型特急スナックカーは、車内に軽食を提供する設備を配置しまして、草創期の東海道新幹線が食堂車ではなくビュッフェと簡易化していたのに対し、私鉄特急ながら本格喫食設備を配置、運営は短期ながら個性を発揮しその固定客を繋ぎました。
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クルーズトレインと観光特急の線引きは、目的地という観光地への連絡性を上質な特急により実現している、という部分でしょう。クルーズトレインでは目的地と目的地を巡るのではなく、パッケージ化された旅程を列車で巡り自由度が減じている。この当たりが違う。
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JALパック世代にはクルーズトレインは一つの理想形なのかもしれませんが、目的地が無いクルーズ、目的地があって其処へ向かう際に上質な旅行を、という特急、全体としては需要は後者の方が多いのではないでしょうか、旅客単価は前者の方が高くなりますが、ね。
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観光特急のもう一つの魅力は、観光特急の車内が充実する事で、ビジネス旅客も利用し得る、という点ではないでしょうか、一種のプレミアムな出張といいますか、乗車券に特急券を上積みするだけで上質な観光特急という日常の業務多忙中にも非日常を味わえるもの。
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サニーカーと、近鉄特急再興の流れは、東海道新幹線が国鉄累積赤字を受けて値上げを定期的に継続し、割安感が生じると共に、名神高速道路開通に伴う高速バスに対してはサービスでの存在感を示し、選ばれる存在として位置付けられアーバンライナーへ繋ぎました。
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のぞみ号のように、交通機関の責務は速度であるとして、サービスを極限まで簡略化し多姿を見ますと、近鉄特急の速度以外にも選ぶ選択肢の在り方への希求は、単純に早く移動できる公共交通機関に徹すれば何れより早い旅客機に追い抜かれると認識すべきでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/57/7d390ac23a6ef4e7dbab68fd1156f4fc.jpg)
勿論、近鉄には短距離特急はあります、ACE等は連絡特急ですので、それほど特筆するサービスは有していませんし、特急料金設定が長距離の割安感に対し短距離では少々考えさせられる点は無いでもありませんが、さくらライナーのような短距離の上質な特急も並ぶ。
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伊勢志摩の晴れやかな空、その狙いのもとに開発された特急です。近鉄特急が時代のニーズを確実にとらえている、その背景に緻密なマーケティング戦略がありまして、伊勢志摩方面への旅客アンケート、京阪神と中京に首都圏での理想特急への意識調査がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/24/0a83ca5599625568fe02dbd92e13037c.jpg)
しまかぜ、先行する観光特急伊勢志摩ライナーから、旅客調査に基づく車両の開発という試みは始まっています。その分高く、六両二編成で取得費用は37億円、一編成18億5000万円、N700系新幹線16両が一編成で48億円ですので一両あたりは新幹線より高くなった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/3e/bbbe605772f61ff1e3eac081265dc6c2.jpg)
新幹線を含む鉄道事業者、特に長距離特急を運行する旅客鉄道会社が忘れてはならないのは、一見独占企業にみえるも、リージョナルジェットや格安航空台頭により独占体制は長く続かず相応にサービスを重視し選ばれる努力を続けねば状況は変わる、希望の星ですね。しかし同じ名前の護衛艦が在って、観艦式中止に併せてこんな記事を作成してみました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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