北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都発幕間旅情】かがやき&はくたか,東京-高崎-上田-長野撮影と北陸新幹線京都大阪延伸

2019-10-16 20:04:49 | コラム
■北陸新幹線E7系&W7系電車
 E7系とW7系新幹線、金沢まで開通していますが、ゆくゆくは大阪延伸となる北陸新幹線ですので、京都で視られるのは待ち遠しいですね。(本記事は台風19号上陸前,相馬原駐屯地祭撮影の写真を元に作成しました)

 北陸新幹線の敦賀大阪間経路が福井小浜市京都府京都市経由経路に画定し早二年、これにより北陸新幹線の東京大阪経路が漸く画定しまして、残る難題は東海道新幹線過密状態を前に京都大阪間の北陸新幹線経路を新線建設とするのか、乗り入れるのか、が残るのみ。

 大阪と東京を結ぶ北陸新幹線、正確には高崎と金沢までの区間が現在の北陸新幹線で、高崎東京間は東北新幹線と線路を強要している為、現在の営業距離は路線距離345.5 kmとなっていますが、現時点で福井県敦賀駅まで路線建設が進められています整備新幹線の一つ。

 所要時間を視ますと東京から金沢まで始発の新幹線かがやき号利用で二時間半、そして金沢から新大阪まで北陸本線特急サンダーバード利用で二時間半、北陸新幹線が完全開業しますと、東京から新大阪までおおむね四時間十五分程度で結ばれる事となるのでしょう。

 京都から金沢に向け特急サンダーバードが、そして京都開業はまだまだ先の話しなのですけれども、北陸新幹線金沢開業と共に特急雷鳥が廃止となりました故、北陸新幹線、京都からはその足音が聞こえてくるという意味で関心を以て望見してきました新幹線計画です。

 一方で我が国新幹線整備計画全般から見ますと北陸新幹線の完全開業は、東京と大阪を結ぶ東海道新幹線の迂回経路を建設する事となりますので、例えば東海道新幹線が沿線火災や突発災害により一定以上の長時間運休となる際には、この有無が意味を持つ事でしょう。

 しかしながら、考えさせられることは少なくはありません。その筆頭は今更ながら我田引鉄、即ち我田引水の如く鉄道事業を政治的な地方支持基盤へ転用するべく採算性以外の面で建設された新駅や路線経路がその配置から見て摂れまして長期的運用を考えてしまう。

 高崎駅、安中榛名駅、軽井沢駅、佐久平駅、上田駅、長野駅、飯山駅、上越妙高駅、糸魚川駅、黒部宇奈月温泉駅、富山駅、新高岡駅、金沢駅、と北陸新幹線経路は進むのですが、長野駅から黒部宇奈月温泉駅の区間は新潟県へ大きく迂回し速達性を損なっています。

 安中榛名駅等は政治駅と云われますように開業当初駅前人口は数名しかいなかったもので、しかも榛名の名を冠するため目の前の榛名山へ行けるのかと問われれば榛名山へは高崎駅まで戻らなければ登れないという、政治家のための政治駅としか説明できないものでした。

 この上で敦賀京都間の経路を視ますと、新幹線の重要な責務に速達性、特に東海道新幹線の迂回経路ならばなおさらの要件があるのですが、小浜市を経由しますと所要距離が大きくなります、何故湖西線に沿って滋賀県内を京都へ結ばなかったのか、若干疑問にも思う。

 しかし、小浜経由の決定は、当初検討案でした舞鶴若狭経路を経て山陰線経由で京都へ至る経路ですと、舞鶴線と山陰線綾部京都間が廃止か第三セクター化される懸念がありましたし、湖西線に沿った路線では湖西線の今後が、福知山経由ですと京都を通らなかった可能性もある。

 京都終点でもよいのではないか、北陸新幹線は京都までの経由地が画定しましたが具体経路は未定で、更に大阪までの経路は完全に未定となっています、特に京都大阪間は人口密集地を走行するため地価が高く、東海道新幹線乗り入れも不能、新線建設は難しいのです。

 大規模災害時の迂回経路として用いる場合、現在運行されているE7系とW7系は12両編成であり、輸送需要に対応するべく編成延長の余地はあります、京都終点案、収支が安定するまで暫定案ででも対応する事も可能でしょう。ともあれ、現在は金沢や長野か東京まで行かねば見られない電車、京都駅で視られるのが待ち遠しいですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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