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【京都発幕間旅情】令和元年観艦式-横須賀海軍カレー特集,JR横須賀-京急汐入-横須賀中央

2019-10-10 20:15:37 | グルメ
■横須賀海軍カレー巡り紀行
 カレーライスと聞きますと、何と言いますか文字にしてわずか六文字ではありますが、その発音と音程の響きだけで既に心躍るのは当方だけではないでしょう。

 海軍カレーは海上自衛隊が毎週金曜日の昼食に食する伝統料理です。カレーライスは今や国民食となっていますが、その源流を遡りますと帝国海軍に至るといい、言い換えれば江戸時代の日本にはまだなかった事に率直に驚く程、カレーは日本食文化に根付いています。

 海軍カレー、カレーライスです。横須賀では海上自衛隊の監修とともに実際の艦艇で供されているカレーを再現したカレーを提供していまして、こうした艦艇で用いられているプレートを使うお店も。なお、海上自衛隊では、曹士はこのプレート上に好きなだけ盛れる。

 カレーの素晴らしい所は実は野菜が大量に入っていますので、子供に野菜を一杯食べて欲しい時などに、カレーは秘密兵器なのですね。体も暖まりますし文字通り栄養満点、海上自衛隊では毎週必ず金曜日にカレーが供されます。要するに明日がカレーの日ということ。

 ここは横須賀汐入駅前のMIKASAカフェ、どぶ板通りの入り口に位置しまして、深夜時間帯は営業していないのですがランチタイムには嬉しい大きなシカゴドックに大迫力の薫る横須賀ネイビーバーガーや本場といえるニューヨークベイクドチーズケーキも美味しい。

 MIKASAカフェは、掃海艇はつしまカレーを再現して供しています。海軍カレーが平成に入り有名となりまして、カレーを日本の食文化へ運び込んだ旧海軍の食文化での象徴といえるような事から、横須賀や佐世保に呉では海軍カレーを名物とするお店が多いのです。

 横須賀には海上自衛隊の基地の街ならではの美味しい店、アメリカ海軍が齎せた舶来文化の混合した異国情緒と現代日本文化の不思議な調和が醸し出されていましす。そこで今回はひとつ海軍カレー、カレーと横須賀に焦点を絞って散策した情景を紹介してみましょう。

 横須賀基地、海上自衛隊自衛艦隊司令部が置かれると共にアメリカ海軍が世界に有する最大の同盟国拠点である世界の海洋自由原則への要衝です。そして江戸時代に海外への拠点を期し明治以来軍港都市でもある横須賀は、その海軍文化というべきものを湛えている。

 TSUNAMI,横須賀基地から程近い横町は旧海軍時代、用水路に鉄製の蓋を通路として繁華街とした通称“どぶ板通り”といい、TSUNAMIはこの汐入駅側、海軍カレーとネイビーバーガーの名店として知られ、第七艦隊バーガー等ボリューム巨大なメニューで名高い。

 ステーキカレー、白飯の向こうにレンズの効果から本来は存在感が薄くなるはずのカレーに、しかし明白に見えるものは明らかにビーフステーキ、ビーフステーキと云いますと本来は晩餐の主役ですが、海軍の街、いや海軍カレーの街横須賀では一時は副菜となり得る。

 ステーキカレーは海軍カレーというよりはカレー料理というべきなのですが、その中でも至高といえる。ビーフステーキはたっぷり150gは、というボリュームで、熱々のカレーにミディアムレアで焼き上げられ、少し赤身がブラックペッパーに美味飾られ存在感大です。

 TSUNAMIのステーキカレー、ステーキを口に含み馥郁とした赤身を噛締めつつ次にカレーで白飯を頂く。適度な辛味がステーキを引き立て満足感を誘う。店内はこの日満員で一階部分には収まりきらず二階の御座敷に並ぶ温泉宿のような椅子とテーブルで頂きました。

 横須賀基地、海軍カレーとネイビーバーガーの二項を中心に様々な食文化の集まる街ですが、海軍カレーは旧海軍がイギリスから持ち込んだもの。一週間の曜日感覚を毎週金曜日にカレーと共に思い出し、且つ主計科は一週間の食材の区切りをカレーに含めるという。

 コルセール、横須賀基地を一望するヴェルニー公園という、JR横須賀駅から京急汐入駅前に掛け此処に軍港を建設する際の功労者ヴェルニー氏を記念する公園があります。コルセールはこの公園にテラスカフェレストランという眺望豊かなお店を構えているのですが。

 海軍カレー、眺望豊かな店内からはアメリカ海軍横須賀施設と海上自衛隊横須賀基地が目の前に並びまして、海軍カレーやカレーライスの他にピルスナーをお昼からちょっぴり頂く事も、甘い物なんかもあったりします。この海軍カレーとカレーライスの違いについて。

 コルセールは横須賀海軍カレー認定店となっていますが、海軍カレーというものはカレーと共にサラダと牛乳がつけられる、より正統正確にはビタミンEを考えニンニクも必須なのですけれども、カレーライスと海軍カレーはここで定義が明確になっていたりします。

 イージス艦やヘリコプター搭載護衛艦を眺めつつ海軍カレーを頂きますと、ここヴェルニー公園は毎年恒例という、横須賀カレーフェスタ、海上自衛隊最強のカレーを投票で選ぶ祭典の会場ともなっていまして、海軍のカレー、何かそれっぽい気分を満喫できましょう。

 横須賀基地、海上自衛隊の基地は京都の舞鶴基地や広島の呉基地に長崎の佐世保基地など、護衛艦が多数配備される基地が数多くある中、舞鶴や佐世保に呉が毎週末に一般公開されるのに対し、サマーフェスタ等年に数回しか一般公開されません。故に一般公開日は混む。

 Chateraiseカフェ。ケーキ等洋菓子店のChateraiseですが横須賀ヴェルニー公園隣接のChateraiseは海軍カレーをカフェコーナーにて提供しています。横須賀基地一般公開日には基地のカレー店が大混雑する事もあり、カフェオレとカレーをChateraiseで頂きました。

 Chateraise海軍カレーは店内に軍艦旗が輝いていますが、カレーと牛乳が伴う本格派の海軍カレーだ。カレーにはフライドオニオンが着飾っていまして、スープカレーの雰囲気にビーフが浮かぶ。スープカレーといいますと元々イギリスからの海軍カレーはこれに近い。

 海軍カレーはスープカレーに近い、今日イギリスでのパブで供されるカレーはドライカレーが主流となりましたが、伝来当初のカレーは揺れる艦内、日本の軍艦は当時小さかった、そこでは白い制服にカレーの飛沫、との状況となり片栗粉等でとろみをつけた歴史がある。

 Chateraiseはヴェルニー公園に隣接していまして、軍艦と違って揺れませんので、スープカレーというイギリス原型に近いカレーであっても、寧ろご飯と愛称は良く、ミルクとカフェオレ、牛乳が被ってしまったか、フライドオニオンの歯ごたえと共に堪能できました。

 横須賀基地、横須賀とは現代歩き回っても古い時代の面影を見つけ出すのは、なにしろ護衛艦からして世代交代を続ける為に思い起こすのは難しいのですが、実は戦前戦中戦後を知る人というのは意外と多いのです。ただ、出会いの場が一見さんではなかなかに難しい。

 喫茶平林、京浜急行汐入駅前の高架部分に隣接した喫茶店です。看板ワンコが迎えてくれまして、2012年観艦式撮影で疲労困憊した当方を招いてくれたのも喫茶平林さん看板ワンコ殿でした。ここは薫り高い珈琲のお店ですが、ドライカレーやカレーライスも美味しい。

 喫茶店とはかく在りたいもの、という正統派の珈琲を愉しめる喫茶店では横須賀の戦前戦中戦後のお話しを聞く事も出来ました。海軍歴史や軍艦の要目に横須賀要塞なんてものは資料でどれだけでも知る事が出来ますが、当時の雰囲気や空気の流れは人に聞くしか、と。

 カレーライス、中辛のカレーでして、海軍カレーではなくしたがって牛乳というものはカレーに含まれません喫茶店のカレーという。カレーライスですが海軍の街カレーの街ということもあり、さっぱりとしたカレーです。こちらではドライカレーも軽食などにお勧め。

 アイスココアの甘味で疲れをいやしたのちに、昼食がまだの際にはカレーかドライカレー、休憩の際には続いて珈琲を頂きます。ここで知りました横須賀の歴史や寺社仏閣と名所旧跡、横須賀は明治以来の伝統の街、海軍だけではもったいない、とお教えいただきました。

 横須賀、繁華街どぶ板通りは京浜急行汐入駅から京浜急行横須賀中央駅までを結んでいます。海上自衛隊横須賀基地がJR横須賀駅とJR田浦駅にかけて広がっているのに対し、旧海軍横須賀鎮守府あたりを接収したアメリカ海軍施設はこの、どぶ板通りに沿って広がる。

 どぶ板食堂、横須賀繁華街の名店です。店内ではネイビーバーガーにピザから海軍カレーまで楽しむことが出来ます。カウンターの御洒落な雰囲気に家族や小団体向けのボックス席等並んでいますが、スコッチやバーボンも楽しめますし、この潜水艦うずしおカレーも。

 うずしおカレー、潜水艦うずしお提供のカレーレシピを再現したもので、ライスが潜水艦のようにカレーの海に浮かんでいます。海上自衛隊は陸海空自衛隊の中でも食事の質が重視されている事で知られますが、中でも潜水艦の食事はその頂点に達しているともいう。

 潜水艦のどの艦が美味しい、というのではなく潜水艦は全て護衛艦や基地よりも美味しいという。これには理由がありまして、潜水艦は食事以外の娯楽が無い為に集中力と士気を最強とするべく食事予算に重点的な配慮を行っている為なのだとか。実際これ美味しい。

 どぶ板食堂うずしおカレー、横須賀では定期的に護衛艦や潜水艦に輸送艦に掃海艇や基地のカレーを再現したカレーを提供するお店がありまして、観光協会単位で様々なカレーを愉しめるよう工夫しているとか。今回一部を紹介しましたがカレーで歩く横須賀、面白い。

 今回はJR横須賀駅から京急汐入駅前までのヴェルニー公園と汐入駅前から京急横須賀中央駅まで至るどぶ板通りを散策しまして、この内の御縁があるといいますか、偶然巡り合いましたお店を紹介しました。文字通り横須賀には無数のカレーが供されているのですね。

 カレーは美味しいのですが一杯で満腹となりますので、横須賀に住居を構えていなければなかなかに何杯も、とは難しい。そんななかでの紹介です。横須賀へ観光へと歩みを進められる方も、是非カレー探訪と云いますか、カレーを考えて散策してみてはどうでしょう。

 海軍カレー特集はこうした通り。さて、観艦式2019フリートウィークの盛り上がり、明日は金曜日という事で是非横須賀へ、とお勧めしたいところですが、現在、横須賀を含む首都圏へは台風19号が接近中です。この台風は当初予報と進路が違い東に振れていまして、東京湾が大潮の満潮時刻と重なるようにかなりの勢力で首都圏に直撃するとの予報が出た。

 海上自衛隊護衛艦は台風避泊を開始しました。本日夕方のAIS船舶位置情報によれば、イージス艦あたご三重県尾鷲市沖、護衛艦あけぼの愛知県伊良子水道沖、練習艦せとゆき愛知県渥美半島沖、輸送艦しもきた駿河湾沼津沖、護衛艦さみだれ静岡県伊豆半島沖、多用途支援艦えんしゅう静岡県伊豆半島沖、護衛艦ありあけ伊豆大島西方沖、と続々動き出す。

 台風避泊は、海洋観測艦わかさ伊豆大島西方沖、護衛艦いかづち伊豆大島西方沖、補給艦ましゅう伊豆大島東方沖、護衛艦てるづき静岡県伊東市沖、護衛艦むらさめ相模湾、護衛艦たかなみ相模湾、ヘリコプター搭載護衛艦いずも千葉県館山沖浦賀水道、イージス艦ちょうかい浦賀水道、掃海母艦うらが浦賀水道、護衛艦あさひ浦賀水道、次々と出航します。

 護衛艦あさゆき千葉県館山沖浦賀水道、ミサイル護衛艦はたかぜ浦賀水道、イージス艦こんごう浦賀水道、ミサイル護衛艦しまかぜ浦賀水道、護衛艦ふゆづき浦賀水道、ヘリコプター搭載護衛艦かが神奈川県横須賀沖、何れも航行中でして、恐らく伊豆大島や伊豆半島ではこの規模の台風に対応するのは難しく、伊勢湾か紀伊半島まで進むようにみえます。

 台風19号、自衛隊観艦式本番実施可否は13日午前中の発表ですので、首都圏に被害が無ければ護衛艦は全速力で横須賀へ、被害が大きければ史上最大の災害派遣へそのまま出動、という事でしょう。しかし紀伊半島まで避航するのは異例でして、それだけ今回の台風は巨大だ、ということです。それだけにに皆様、今回この台風を甘く見ないでほしいのです。

 横須賀をお勧めした今回の特集記事ですが、例えば東京23区の江東五区は海抜ゼロメートル地帯が広がり、高潮浸水となりますと1959年伊勢湾台風のような津波に匹敵する高潮被害が起こりかねません。例えば江東五区や横浜臨海部では思い切って三連休、12日午前中のJR計画運休より前に台風圏外へ旅行や疎開も検討されては如何でしょうか。自衛隊は観艦式事前公開を全て中止する程に、この台風を警戒しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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