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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

台風19号と令和元年観艦式:艦艇34隻-航空機40機縮小,護衛艦隊は大阪湾を東へ進路をとる

2019-10-12 20:01:27 | 北大路機関 広報
■台風伊豆半島上陸!東京湾へ
 台風19号、報道によれば伊豆半島に上陸しました、予報よりも西よりの進路となりましたがこのまま東京湾へ向かうとの予報で、暴風豪雨高潮全てに警戒が必要です。

 自衛隊観艦式は台風19号の影響を踏まえ11日、縮小が決定されました。参加艦艇34隻と航空機40機、予定通り14日に安倍総理を観閲官とする。最終的な実施可否は明日午前中に行われますが、台風19号首都圏を通過する残り十時間、大きな被害が発生した場合には観艦式参加艦艇がそのまま災害派遣統合任務部隊海上部隊として任務加入となりましょう。

 伊豆半島に台風19号が上陸、気象庁は一時間ほど前に静岡県伊豆半島へ台風が上陸したと発表しました。伊豆半島下田市や伊東市は満潮時刻を迎えており、今後高潮被害への厳重な警戒が必要となります。高潮被害は台風に低気圧に巻き上げられ上昇した海面が暴風と共に行き場を失い、台風進路上が内陸部だれば暴風を伴い海の壁となり侵攻する災害です。

 大雨特別警報発令、気象庁は静岡県、神奈川県、東京都、埼玉県、群馬県、山梨県、長野県、以上一都六県に対し本日1510時に大雨特別警報を発令しました。台風は首都圏にまだ達していませんが、台風に伴う雨雲は猛烈な雨となっており、過去経験の無いような豪雨により激甚被害が及ぶ可能性があるとして、避難所に囚われず命を守る行動を呼びかけた。

 気象庁は1951時、新たに大雨特別警報を、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、へ追加しました。静岡県、神奈川県、東京都、埼玉県、群馬県、山梨県、長野県への大雨特別警報は継続して発令されており、一都十県に同時に大雨特別警報が発令されるという、大雨特別警報制度開始以来最も広範囲に発令されたかたちです。外は暗く生命第一の行動が必要だ。

 多摩川が氾濫危険水位に。気象庁は品川区と大田区及び世田谷区と狛江市、横浜市と川崎市に対し警戒を呼び掛けています。既に1540時には調布市の観測所及び東京青梅市と大田区の観測所で氾濫危険水位に達しており、低い土地への警戒を呼び掛けています。多摩川は水量が多く一旦決壊となれば百万人単位の孤立者が生じ、今後数時間は要注意でしょう。

 荒川が氾濫危険水位に、注意を要する報道がありました。これは国土交通省埼玉熊谷観測所で1600時頃に観測したものです。決壊や越水となっていませんが水量が多い為に万一決壊となればさいたま市、川口市等に重大な影響が出るとして注意を呼び掛けています。大雨特別警報発令の地域では今後数時間は、豪雨が続く予報が示され、予断を許しません。

 相模川は城山ダム緊急放流が予定され、相模原市と平塚市と茅ヶ崎市及び厚木市に海老名市や座間市等周辺自治体へ警戒を呼びかけています。城山ダムは総貯水量が6230万tですが歴史的豪雨によりダム貯水量が限界となる為、緊急放流を行いダム決壊を阻止します。ただ、これにより下流の水位が短時間で一気に上昇する為、低地浸水の危険性が生じる。

 下久保ダムの水位上昇、埼玉県と群馬県の境にある下久保ダムでも明日13日0100時にも緊急放流を行う可能性を国土交通省が整備しました、群馬県藤岡市や高崎市等に影響があります。こうした中、自衛隊観艦式参加部隊は周防灘や広島湾、大阪湾や伊勢湾と駿河湾へ台風避泊を行っていましたが、台風災害派遣か観艦式へ、抜錨し東へ進路を取りました。

 あけぼの、ありあけ、紀伊半島南端串本南方海域を1730時に通過し熊野灘へ入りました。観艦式参加部隊は台風避泊地である九州周防灘や大阪湾を続々と抜錨、巨大台風19号を追い立て撃滅するように東への進路を取りつつあります。輸送艦くにさき、紀伊半島田辺沖を1800時、護衛艦はるさめ、掃海母艦うらが、護衛艦あさひ、1500時に、南下しました。

 ちょうかい、1800時に和歌山県御坊市沖を南下、イージス艦に続航しミサイル護衛艦しまかぜ、護衛艦むらさめ、護衛艦いかづち、由良水道を南下しています。大阪湾に台風避泊していた護衛艦はやはり1800時、ミサイル護衛艦はたかぜ先頭に南下に転じ、周防灘に避泊していたイージス艦あたご、は護衛艦ふゆづき、伴い明石海峡を経て大阪湾に入ります。

 こんごう、1830時に明石海峡を通過し大阪湾へ入りました。掃海艇つのしま、なおしま、明石海峡付近で行動を共にしており、一方瀬戸内海小豆島周辺いは掃海艇ちちじま遊弋中です。ヘリコプター搭載護衛艦いずも、11日0030時時点では大阪湾淡路島周辺海域に台風避泊中となっていましたが、現段階ではAIS作動中でなく、現在位置は非開示のまま。

 たかなみ、さみだれ、やまゆき、せとゆき。伊勢湾には1830時時点で護衛艦及び練習艦4隻が台風避泊中となっています。伊勢湾は尤も台風避泊地として適した三河湾が商船により満杯状態となっています。イージス艦みょうこう、観艦式参加部隊ではありませんが1830時に舞鶴基地を若狭湾へ出ています、若狭湾へ台風避泊でしょうか、実任務でしょうか。

 まや、建造中の最新鋭イージス艦は相模湾の小田原沖を遊弋中です。間もなく台風が直撃する海域にはこの他に多くの艦艇が台風避泊中となっていまして、しもきた、あさゆき、輸送艦と護衛艦は現在台風間近の伊豆半島西方海域である沼津沖駿河湾を遊弋しています、自衛艦のほかに、周辺には海上保安庁巡視船しきね、いず、も台風避泊中となっています。

 台風vs観艦式、と表現しましたが、実際問題大きな被害が生じたならば海上自衛隊は即座に災害派遣へ切替えるべく進んでいる事は言うまでもありません。いわば戦後連綿と整備した防災インフラが巨大台風と戦っている構図ですが、自衛隊は政府が防衛力を必要とした際に、必要な部隊を必要な場所へ展開させる事が任務となります。さてその台風ですが。

 高潮被害、今後三時間から五時間で最も警戒しなければならないのは高潮です。台風の進路は伊豆半島を抜け三浦半島近くの湾口から東京湾へ吹き込む形で進行します、この場合は2m規模の高潮が東京湾臨海部で進み、暴風により防潮堤を越える危険性が生じます。また大雨特別警報は継続しており、河口部で高潮により行き場を失った流れが逆流の恐れも。

 955hPs、台風は最盛期に905hPsまで成長しましたが、唯一の楽観要素は勢力を減じている事です。風速は気象庁によれば40m/sであり依然として暴風ではありますが最盛期よりも勢力を減じています。現在位置は大丈夫なのか、退避の必要はあるのか、避難路は安全であるのか、命を守る為の個々人の判断力と経験が問われています。安全を確保してください。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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