■日米安保改定六〇周年の本日
本日は1960年の日米安全保障条約改訂から60年、さてこうした中で状況は仮想の“習志野島”を舞台に島嶼部防衛の想定で訓練展示が進みます。
CH-47J/JA輸送ヘリコプター、陸上自衛隊に至宝というべき輸送ヘリコプターは川崎重工にてライセンス生産され、航法装置等の仕様変更により直輸入機体は取得費用が物凄く高騰するのに対し、川崎重工のライセンス生産機は現実的な生産費に収まっていて幸いです。
AH-1S対戦車ヘリコプターが敵情をうかがう。習志野訓練場は旧陸軍騎兵部隊の演習場で、明治時代に志野原騎兵隊長の天覧演習に満足した明治天皇が騎兵術は志野原に学ぶべし、と賜ったのが習志野の地名の始り。しかし、戦後はこのように宅地開発が進みました。
UH-1J多用途ヘリコプター、マンション建設が進み、不思議な情景を醸し出しています。もっともこの構図は24-600mm光学ズームのCANON-G3Xという妙な高倍率ズームカメラの性能ゆえの構図でもあるのですが、マンションとUH-1J多用途ヘリコプター、面白い。
UH-1J多用途ヘリコプターから一斉に降下を開始する空挺隊員、空挺作戦の要諦は速度に在ります。速度により、軍事上の“戦力転換点”、相対戦力比の逆転を機動力により遮二無二実現する事が骨子であり、第二戦線の構築や後方連絡線の遮断、勝機を造り出します。
AAV-7水陸両用車の戦闘加入、一般に攻撃三倍原則という防御に対して三倍の兵力を展開させねば勝利は得られないとの原則があり、戦闘力は攻撃側にとり時間や展開する空間と共に急激に消耗する実情があります、ここを増援により優劣の変化を抑える必要がある。
AAV-7は二両が展開し、空挺団が構築した重迫撃砲陣地を超越し第一線へ急行します。今回の想定は島嶼部防衛、通常空挺部隊は最高度の機動力を以て地上戦闘の重戦力が構成する主力にたいし、包囲部隊や迂回機動、緊要地形の確保を以て敵戦力を撃滅するのが務め。
AAV-7から12.7mm機銃が。島嶼部防衛における戦闘では仮想“習志野島”の沿岸部に空挺部隊が強襲降下し空挺堡を構築、これを以て島嶼部奪取を担う水陸機動団主力と即応機動連隊が上陸する為の敵の接近経路を封じる事が任務です。わが着上陸は完了しました。
第22即応機動連隊、16式機動戦闘車が第1空挺団の軽装甲機動車と協同し肉薄します。第22即応機動連隊は多賀城駐屯地に第22普通科連隊を改編し創設された新しい精鋭部隊で、第6師団隷下にあります。部隊マークをみると第6戦車大隊から大きく変りましたね。
仮設敵部隊もT-74戦車とBTR-96装輪装甲車を展開して盛んに反撃を加えてきます。74式戦車、いやT-74戦車は油気圧懸架装置により地形防御を最大限活かす構造という事ですが、確かに稜線に殆ど隠れており、我が空挺部隊の防衛線に機械化打撃力で迫ってきます。
16式機動戦闘車とともに第1空挺団第2普通科大隊本部管理中隊対戦車小隊の中距離多目的誘導弾が必殺の対戦車ミサイルを展開します。幌取り外し空輸に備え最大限軽量化していますが、このミサイル、射程は8km程度あるとされ、軽装備の空挺団には心強い味方だ。
60mmB迫撃砲、空挺団の新装備が敵に向け火を噴きます。オーストリアのヒルテンベルガー社製M6C小型迫撃砲で受領僅か5.1kgと軽量ながら射程1600mを発揮し毎分15発の連続射撃が可能です。水陸機動団や特殊作戦群に配備され、空挺降下訓練始めでは初参加か。
10式戦車と90式戦車、重戦力部隊が戦闘加入を開始します。10式戦車は駒門の第1戦車大隊の所属、そして90式戦車は林の向こう側に車体と砲身の一部が見えています、自衛隊迷彩というものは本当に日本の国土に溶け込むのだ、90式戦車が証明してくれました。
10式戦車の射撃、AAV-7と比べ小柄で精悍な車体には120mm滑腔砲が先進的な射撃統制装置と共に搭載され、蛇行し回避運動を継続つつ遠距離での移動目標を高精度に撃破する性能があります、相方となる新装甲戦闘車の試験も昨今、装備実験隊にて進む最中という。
AH-1S対戦車ヘリコプターが上空から敵戦車にTOW対戦車ミサイルを以て猛攻を掛ける、年々老朽化により用途廃止が進む機体、後継機AH-64Dが高過ぎ調達中止となったのですが、AH-1ZにしろEC-665/PAH-2にしろ世界に安い戦闘ヘリコプターなんてありません。
90式戦車と10式戦車は装甲防御力に物を言わせて第一線を超越、奥に展開する空挺団降着部隊は後続する空挺団の軽装甲機動車と合流を果たしました、仮想“習志野島”に着上陸した敵は戦車に蹴散らされたとの想定、こうして訓練場には状況終了のラッパが鳴り響く。
空挺団集合。例年ですと、逆襲部隊が攻撃を仕掛けてきまして、負傷者が発生しヘリコプターによるダストオフ緊急搬送や、逆襲部隊と我が増援部隊と第一線の維持を巡る激しい攻防戦が展示されるのですが、何か本年はあっさりと状況終了、となった印象なのですよ。
降下訓練始めは前篇で示しました通り、防衛大臣視察の公的行事、訓示に向けて集合を急ぎます。第82空挺師団と共に降下した第1空挺団、なにしろ日本唯一の軍隊とかいろいろといわれる空挺団ですので、引き締まっているのが羨ましいですね。私も運動しなければ。
AH-1S対戦車ヘリコプターとUH-1J多用途ヘリコプター、一時代を築いた陸上自衛隊ヘリコプターですが、後継機の問題と真剣に向き合わねばなりません。特に第82空挺師団と連携するのですから、思い切ったUH-60JAやAH-64Dの一括大量取得が必要だとも、思う。
状況終了とともにCH-47J.JA輸送ヘリコプターが編隊飛行を行います。実はこの最中、小雨が飛んでいたのですね。天気予報では雨天が曇天と二転三転し、遂に降雨か、と嘆息に防滴装備準備の右往左往でしたが、本降りとなる前に状況終了となったのは幸いでした。
河野防衛大臣に対し敬礼。CANON-G3X、同じCANONのカメラでも昨年この様子を撮影しましたCANON-G7Xmark2では24-105mmというズーム、対してCANON-G3Xはデジタルズームで2400mm相当まで延びるのですが、ノイズを抑える設計でもう少し見える。
河野防衛大臣訓示。自衛隊はこの二週間前の年末にホルムズ海峡タンカー攻撃事案を受けてアラビア海へ情報収集への護衛案派遣が決定していまして、更に南シナ海の緊張と東シナ海の情勢、北朝鮮ミサイル等、緊張感を以て地球規模の情勢と向き合わねばなりません。
第82空挺師団副師団長と第1空挺団長の降下徽章交換式、防衛大臣訓示に続いて実施されました。グリーンベレーも並ぶ最中でこうした式典、なるほど、今年の訓練展示が素早く状況終了となりましたのは、日米空挺部隊のこうした交歓の式典が在る為、だったのか。
降下徽章交換式、多国間の空挺部隊が共同訓練を実施した際には行う交換行事という事ですが、この後に集合している日米空挺兵全員が降下徽章を交換しました。世界中の何処の国でも空挺部隊は最精鋭部隊、この精鋭部隊同士の交歓というものは、なにか新しかった。
グリーンベレーと徽章を交換するのはやはり精鋭、特殊作戦群の隊員なのでしょうか、日米空挺部隊の協同と共に展示された島嶼部防衛、令和時代初の空挺降下訓練初めにして新しい2020年代の始まりを告げる日米空挺部隊の降下訓練は、こうして完了しました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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本日は1960年の日米安全保障条約改訂から60年、さてこうした中で状況は仮想の“習志野島”を舞台に島嶼部防衛の想定で訓練展示が進みます。
CH-47J/JA輸送ヘリコプター、陸上自衛隊に至宝というべき輸送ヘリコプターは川崎重工にてライセンス生産され、航法装置等の仕様変更により直輸入機体は取得費用が物凄く高騰するのに対し、川崎重工のライセンス生産機は現実的な生産費に収まっていて幸いです。
AH-1S対戦車ヘリコプターが敵情をうかがう。習志野訓練場は旧陸軍騎兵部隊の演習場で、明治時代に志野原騎兵隊長の天覧演習に満足した明治天皇が騎兵術は志野原に学ぶべし、と賜ったのが習志野の地名の始り。しかし、戦後はこのように宅地開発が進みました。
UH-1J多用途ヘリコプター、マンション建設が進み、不思議な情景を醸し出しています。もっともこの構図は24-600mm光学ズームのCANON-G3Xという妙な高倍率ズームカメラの性能ゆえの構図でもあるのですが、マンションとUH-1J多用途ヘリコプター、面白い。
UH-1J多用途ヘリコプターから一斉に降下を開始する空挺隊員、空挺作戦の要諦は速度に在ります。速度により、軍事上の“戦力転換点”、相対戦力比の逆転を機動力により遮二無二実現する事が骨子であり、第二戦線の構築や後方連絡線の遮断、勝機を造り出します。
AAV-7水陸両用車の戦闘加入、一般に攻撃三倍原則という防御に対して三倍の兵力を展開させねば勝利は得られないとの原則があり、戦闘力は攻撃側にとり時間や展開する空間と共に急激に消耗する実情があります、ここを増援により優劣の変化を抑える必要がある。
AAV-7は二両が展開し、空挺団が構築した重迫撃砲陣地を超越し第一線へ急行します。今回の想定は島嶼部防衛、通常空挺部隊は最高度の機動力を以て地上戦闘の重戦力が構成する主力にたいし、包囲部隊や迂回機動、緊要地形の確保を以て敵戦力を撃滅するのが務め。
AAV-7から12.7mm機銃が。島嶼部防衛における戦闘では仮想“習志野島”の沿岸部に空挺部隊が強襲降下し空挺堡を構築、これを以て島嶼部奪取を担う水陸機動団主力と即応機動連隊が上陸する為の敵の接近経路を封じる事が任務です。わが着上陸は完了しました。
第22即応機動連隊、16式機動戦闘車が第1空挺団の軽装甲機動車と協同し肉薄します。第22即応機動連隊は多賀城駐屯地に第22普通科連隊を改編し創設された新しい精鋭部隊で、第6師団隷下にあります。部隊マークをみると第6戦車大隊から大きく変りましたね。
仮設敵部隊もT-74戦車とBTR-96装輪装甲車を展開して盛んに反撃を加えてきます。74式戦車、いやT-74戦車は油気圧懸架装置により地形防御を最大限活かす構造という事ですが、確かに稜線に殆ど隠れており、我が空挺部隊の防衛線に機械化打撃力で迫ってきます。
16式機動戦闘車とともに第1空挺団第2普通科大隊本部管理中隊対戦車小隊の中距離多目的誘導弾が必殺の対戦車ミサイルを展開します。幌取り外し空輸に備え最大限軽量化していますが、このミサイル、射程は8km程度あるとされ、軽装備の空挺団には心強い味方だ。
60mmB迫撃砲、空挺団の新装備が敵に向け火を噴きます。オーストリアのヒルテンベルガー社製M6C小型迫撃砲で受領僅か5.1kgと軽量ながら射程1600mを発揮し毎分15発の連続射撃が可能です。水陸機動団や特殊作戦群に配備され、空挺降下訓練始めでは初参加か。
10式戦車と90式戦車、重戦力部隊が戦闘加入を開始します。10式戦車は駒門の第1戦車大隊の所属、そして90式戦車は林の向こう側に車体と砲身の一部が見えています、自衛隊迷彩というものは本当に日本の国土に溶け込むのだ、90式戦車が証明してくれました。
10式戦車の射撃、AAV-7と比べ小柄で精悍な車体には120mm滑腔砲が先進的な射撃統制装置と共に搭載され、蛇行し回避運動を継続つつ遠距離での移動目標を高精度に撃破する性能があります、相方となる新装甲戦闘車の試験も昨今、装備実験隊にて進む最中という。
AH-1S対戦車ヘリコプターが上空から敵戦車にTOW対戦車ミサイルを以て猛攻を掛ける、年々老朽化により用途廃止が進む機体、後継機AH-64Dが高過ぎ調達中止となったのですが、AH-1ZにしろEC-665/PAH-2にしろ世界に安い戦闘ヘリコプターなんてありません。
90式戦車と10式戦車は装甲防御力に物を言わせて第一線を超越、奥に展開する空挺団降着部隊は後続する空挺団の軽装甲機動車と合流を果たしました、仮想“習志野島”に着上陸した敵は戦車に蹴散らされたとの想定、こうして訓練場には状況終了のラッパが鳴り響く。
空挺団集合。例年ですと、逆襲部隊が攻撃を仕掛けてきまして、負傷者が発生しヘリコプターによるダストオフ緊急搬送や、逆襲部隊と我が増援部隊と第一線の維持を巡る激しい攻防戦が展示されるのですが、何か本年はあっさりと状況終了、となった印象なのですよ。
降下訓練始めは前篇で示しました通り、防衛大臣視察の公的行事、訓示に向けて集合を急ぎます。第82空挺師団と共に降下した第1空挺団、なにしろ日本唯一の軍隊とかいろいろといわれる空挺団ですので、引き締まっているのが羨ましいですね。私も運動しなければ。
AH-1S対戦車ヘリコプターとUH-1J多用途ヘリコプター、一時代を築いた陸上自衛隊ヘリコプターですが、後継機の問題と真剣に向き合わねばなりません。特に第82空挺師団と連携するのですから、思い切ったUH-60JAやAH-64Dの一括大量取得が必要だとも、思う。
状況終了とともにCH-47J.JA輸送ヘリコプターが編隊飛行を行います。実はこの最中、小雨が飛んでいたのですね。天気予報では雨天が曇天と二転三転し、遂に降雨か、と嘆息に防滴装備準備の右往左往でしたが、本降りとなる前に状況終了となったのは幸いでした。
河野防衛大臣に対し敬礼。CANON-G3X、同じCANONのカメラでも昨年この様子を撮影しましたCANON-G7Xmark2では24-105mmというズーム、対してCANON-G3Xはデジタルズームで2400mm相当まで延びるのですが、ノイズを抑える設計でもう少し見える。
河野防衛大臣訓示。自衛隊はこの二週間前の年末にホルムズ海峡タンカー攻撃事案を受けてアラビア海へ情報収集への護衛案派遣が決定していまして、更に南シナ海の緊張と東シナ海の情勢、北朝鮮ミサイル等、緊張感を以て地球規模の情勢と向き合わねばなりません。
第82空挺師団副師団長と第1空挺団長の降下徽章交換式、防衛大臣訓示に続いて実施されました。グリーンベレーも並ぶ最中でこうした式典、なるほど、今年の訓練展示が素早く状況終了となりましたのは、日米空挺部隊のこうした交歓の式典が在る為、だったのか。
降下徽章交換式、多国間の空挺部隊が共同訓練を実施した際には行う交換行事という事ですが、この後に集合している日米空挺兵全員が降下徽章を交換しました。世界中の何処の国でも空挺部隊は最精鋭部隊、この精鋭部隊同士の交歓というものは、なにか新しかった。
グリーンベレーと徽章を交換するのはやはり精鋭、特殊作戦群の隊員なのでしょうか、日米空挺部隊の協同と共に展示された島嶼部防衛、令和時代初の空挺降下訓練初めにして新しい2020年代の始まりを告げる日米空挺部隊の降下訓練は、こうして完了しました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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