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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

中国感染爆発!新型コロナウィルス肺炎,中国本土SARS超える六〇〇〇名感染者と日本流入

2020-01-29 20:20:09 | 国際・政治
■2019-nCoV封じ込めるCSH
 新型コロナウィルス2019-nCoVが中国本土で猛威を振るっており、感染者数は遂にあのSARSを越え感染拡大が止まりません。

 2019-nCoV、新型コロナウィルスについて。中国では感染爆発が発生しています。27日の感染者数は4515名と一日で1771名増大、28日には朝の時点で5974名と1459名感染増大が報じられています。2003年に中国を中心に流行したSARS新型肺炎感染者は中国本土において5327名、中国本土の2019-nCoV新型コロナウィルス感染者はSARSを越えた。

 封鎖都市武漢へ中国は人民解放軍衛生部隊を中心に6000名を全土から集結させ、治療に向かっており、軍衛生学校を解散し派遣するなど戦時体制に近い勢いです。しかし武漢では検査キットが払底している状況であり、実際の感染者数はこの数倍に上るとの懸念があるほか、生活物資枯渇が始り次段階を迎えると共に、上海や北京と香港でも緊張が広がる。

 日本国内では奈良県で初の国内感染、武漢滞在歴のない日本人バス運転手の男性が新型コロナウィルス肺炎と診断され、中国人観光客からの感染の可能性が示唆されると共に、日本国内を旅行中の中国人観光客や中国からの駐在員、新型コロナウィルス肺炎発症が相次ぎ報道されています。邦人救出や水際検査を進めると共に、次段階を警戒すべきでしょう。

 WHO世界保健機関テドロス事務局長は北京を訪問、中国の習近平国家主席と会談し、習主席は2019-nCoV新型コロナウィルス封じ込めに自信を示し、WHOへ衛生緊急事態宣言PHEIC発動を抑制するよう要求しました。その上で習主席は各国が進める自国民の武漢からの退避を、“退避に代替する”手段を話し合い、今後外国人脱出困難化を示唆しました。

 習主席による“退避に代替する”手段が検討される中、昨夜邦人救出へ出発した全日空チャーター機の第一便が本日羽田空港に帰国、武漢からの帰国希望者のうち206名が脱出に成功しましたが、発熱症状のある4名が東京都内の指定病院へ搬送されると共に政府は帰国者全員を千葉県南部などに政府が用意したホテル等で経過観察を行うという方針です。

 米中航空便封鎖措置回避、アメリカ政府は一時アメリカと中国を結ぶ全旅客機の停止を検討していましたが本日、実施見合わせで米中間が合意します。他方、日本が先陣を切った自国民救出、同じく武漢から自国民救出を進めるオーストラリア政府は、クリスマス島等を検疫地に指定し、チャーター機を一時潜伏期間中を強制隔離する方法を検討中という。

 武漢市内では特に中国国内の死者が100名に達した時点での致死率は3.6%と、中国政府が示した闘鶏通りであれば急上昇しました。武漢以外の中国国内での新型コロナウィルス致死率の微妙な差異がある点に注目すべきでしょう、中国国内の致死率は27日までの時点で3%弱で推移していましたが、28日と29日とにかけて感染者数の拡大は余りにも急です。

 少なくともこの33名に一人が死亡する致死率は、中国国内での死亡事例は幸い未だ無く、中国以外の感染者の致死率では低くなっている点が読みとれます。武漢に死者が集中しており、周辺部にじりじりと犠牲者の分布が拡大している状況ですので、武漢では既にウィルスが変異しており、感染拡大が進んでいる、こう類推することができるかもしれません。

 重要な点は高致死率の新型コロナウィルスと新型コロナウィルスを分けうる点で、邦人保護の観点から、武漢の500名を救うのか、中国全土42万の在留邦人を保護するのか、この判断の分水嶺となるでしょう。しかし、高致死率のコロナウィルスにほかの地域でも変異する懸念はあるのですが。変異の驚異的速度、流行相の脅威度はここにあるように思える。

 中国衛生当局は26日の記者会見において、感染力がやや強くなった、として新たにウィルスが変異しつつある状況を発表しました。また、発症前の無症感染者からも感染する可能性が本日27日に入り指摘され、これでは空港でのスクリーニングなどを発熱の確認に依存しており、感染を発見できず通す懸念が各国の防疫担当者に新しい頭痛の種を示しました。

 ウィルススプレッターという、一人から周辺へ多数の感染源となる事例が今後もっとも警戒されるところです、特に現時点で新型コロナウィルスは潜伏期間が七日前後、最短は先週まで四日でしたが二日で発症する事例が示され、他方で最大二週間ちかい潜伏期間が確認、現在では発症しないまま感染させるウィルススプレッターの問題が新しい脅威です。

 感染拡大の可能性、ウィルスは変異しているという前提で、感染力を増した新型が日本国内に流入する、次の段階の脅威です。また日本国内に入り始めている感染者で無症患者から感染が始まり、ヒトヒト感染を経て日本国内で変異する、この可能性もあります。対策は必要でしょう、例えば臨時の野外病院を構築できる病院法の特措法による改正などです。

 新型コロナウィルス肺炎について。今回の中国での感染爆発について、SARSやMARSといった過去のウィルス性肺炎と比較し、感染力の拡大や致死率の上昇まで、ウィルス変異に関して時間が非常に短いように報道の間隔から考えます。すると、日本への伝播、つまり単なる新型肺炎伝播ではなく感染爆発事態そのものの伝播を、留意せねばなりません。

 厚生労働省は、基本的な手荒いうがい、この二つの励行を示唆していますが、果たしてこの二つだけで感染爆発を抑制できるのか、悲観的な視点と対策というものを考える必要があるでしょう。場合によっては在日米軍、その保管設備提供を踏まえ今後数ヶ月の危機管理体制を確立の必要があるでしょう。希望はあります。新型インフルエンザの教訓という。

 新型インフルエンザ、前回にWHO世界保健機関が緊急事態宣言を示したパンデミー危機に際して、対策が構築されました。新型インフルエンザはWHO正規の誤報といわれ、当初は10%近い致死率を保った新型インフルエンザが世界規模で大流行すると考えられた。スペイン風邪以来の危機が懸念され異例の速さで衛生緊急事態PHEICを宣言しています。

 PHEIC,これにより各国は非常態勢に移行しました。しかし、当初の高い致死率は誤報であり、0.1%以下という通常のインフルエンザ並であったのですね。PHEIC,しかしこの新型インフルエンザとともに、発症患者はそのまま医療施設に向かうのではなく、保健所への連絡とともに多数指定された発熱外来において発熱の原因を特定する手順が組まれました。

 新型インフルエンザかほかの疾病かを把握し、院内感染を防ぎつつ検査を行い、その上で陰圧病棟等に移すという手順が。こうした手順で感染拡大を阻止する施設へ集約し集中治療する枠組みが。武漢での現状の中国衛生当局対処は、発熱外来設置が1月23日以降であり、流感でも肺炎でも新型肺炎でも、発熱があった市民は衛生当局の指定病院へ急ぎます。

 武漢市では最大の総合医療設備に殺到し、結果的に院内感染が感染爆発を助長させたように懸念します。危機管理の視点からみますと、この点、中国当局は新型肺炎の奇襲に平時手続きから有事への切り替えが遅れた。我が国では、幸い未だ感染爆発は国内で発生しておらず、危険性が通常の肺炎とは異なるものであるという共通認識が確立しています。

 感染に対し、時間的な余裕はあるといえましょう。その上で、感染爆発が日本国内に伝播した場合、実のところ在日米軍資材提供要請が必要です。相模原総合補給処、ここには軍団用の、陸軍事前集積貯蔵 APSが備蓄されており、この中には戦闘支援病院CSHというものがあり過般式病院施設、中でも600名規模の病床を有する機材が備蓄されています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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