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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和二年度一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2021.01.30-2021.01.31)

2021-01-29 20:02:54 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 行事予定は今週も無いのですが、ファントムの写真でも眺めつつ毎週恒例となりますか自衛隊行事再開に向けてのCOVID-19情勢を見てゆきましょう。

 アストラゼネカ製COVID-19ワクチン、日本国内でライセンス生産開始へ。1月28日に驚きの報道がNHKにより発せられました。ライセンス生産、日本ではF-15戦闘機など、優れた海外製製品を国内で安定的に供給させる、一種のお家芸というべきものですが、兵庫県内の製薬メーカーを通じ9000万回分を国内製造、輸入ワクチン不足を補完するとのこと。

 ライセンス生産は今年に入ってからの最大の朗報といえるかもしれません。このライセンス生産は日本だけの動きではなく、フランスもパスツール研究所による独自ワクチンを断念しライセンス生産に切り替える、としています。製造体制が整いいつ頃に供給開始となるかはまだ未知数ですが、将来的には世界のワクチン供給にも寄与できるかもしれません。

 一億の大台に。世界の感染者数が遂に1月27日、一億名の大台に乗りました。理解度の低い楽観論者には、世界中で毎年の風邪罹患者は一億くらい簡単に越えていると誤解しているかもしれませんが、14ヶ月前患者0号が確認された疾病が一億になった、つまり14ヶ月で感染者が一億倍に感染爆発し、しかもその致死率が2%という点が問題の骨子なのです。

 イギリス死者10万。同じ1月27日にイギリス政府はイギリス国内の死者数が10万を越えたと発表、全て自分の責任であるとしてジョンソン首相は国民に陳謝しました。僅か11ヶ月前、ハンコック保健相は"感染死者を2万人以下に抑えられれば成功だ"と発言しましたが、その数字は二ヶ月後に凌駕し、制御不能のままに10万、まだ増加は続いています最中だ。

 20万以下に死者を抑えられれば我々は上手くやったと言える。2020年3月の当時の米トランプ大統領発言ですが、そのアメリカはバイデン新大統領に政権交代した直後の1月23日に死者40万に到達、第二次世界大戦の死者数を越えました。米CDCは2月中に50万に到達するとしており、これはアメリカ史上最大の死者数を出した南北戦争戦死者数に並ぶ。

 COVID-19の感染、米英の事例をみればわかるとおり、制御不能となると文字通り軌道修正がまったく利かない事でしょう。日本の感染対策が大袈裟と批判する声がありますが、無感症キャリアが無意識に広範囲にクラスターの種をまき、ある程度まで感染を容認した場合に突然ニトログリセリンのように弾けて大爆発する点こそ、COVID-19の恐怖という。

 ワクチン国際争奪戦が本格化しています。欧州ではアストラゼネカが設備工事の必要から三月末までの供給量を8000万から3100万に大幅に下方修正、EUは反発している。日本国内でのワクチン接種開始は先進国の中でも大きく遅れており、未だゼロ、二月下旬からの医療従事者へのワクチン接種開始を目指して大車輪で準備が進められている実状です。

 日本でのワクチン接種の遅れは、それだけ感染者数が少ない点の裏返しといえるでしょう。死者数が最盛期にイギリスでは三日間で阪神大震災の死者数と同じ死者がでており、アメリカでは五日間で東日本大震災の死者数とおなじ死者が出ている状況、これではアレルギー反応など副作用の厳密な検証よりも死者を減らすこと、緊張感が違うということですね。

 日本でのワクチン開発の遅れも、それだけ感染者数が少ない事の裏返しです。市中感染者が一年間で37万6300名と死者5388名(NHK27日2359時)、それも冬になり急増した為で、2020年中頃に国産ワクチンを治験した場合でも、ワクチン接種者とプラシーボ接種者ともに感染者無し、と市中感染者が少ないために効力が確認できない成功者のジレンマが。

 教訓は、日本は上手くやっている、という事実を謝った視点で解釈して、だから単なる風邪のように扱い規制を緩めよう、と実施するならば即座に死者10万まで跳ね上がります。正解は現時点では恐らく、このまま感染を抑えてワクチンを待とう。一方、スモン、サリドマイド、非加熱血液製剤、フィブリノゲン、日本は過去幾度も薬害があったのですね。

 教訓は、管理できるリスクは最大限管理したい、という過去の薬害への反省があるのかもしれません。例えばシノバックのような不活性化ワクチンでは過去に京都ジフテリア予防接種事件のような不活性化不十分のワクチン事故があり、一方でmRNAワクチンというファイザーやアストラゼネカのワクチン方式は、新しい技術であり知識は広がっていません。

 mRNAワクチンは、しかし大元の開発国は日本であり、ジカ熱が大流行した2016年、つまりCOVID-19よりさかのぼること3年前に、核酸がもつ免疫賦活化効果を高める免疫獲得に危険なウィルスそのものを用いず情報だけを免疫細胞に獲得させる方式として示したものです。従来の不活性化ワクチン、危険なウィルスを弱らせ免疫に戦い方を教えていた。

 東京大学と東京医科歯科大学が開発しました。非常に残念なのは、大手マスコミを中心にコロナワクチンへの不安ばかりを報道していて、不安というものも副作用エビデンスなどに基づくものではなく、市民ひとりひとりの"わからない""漠然とした不安"というものを羅列のように報じているものが目立ち、これが世論でのワクチン接種遅延を助長する点です。

 mRNAワクチンは、わかりやすくいえば、危険な試験を前に本試験の問題用紙と模範解答を試験前に配付して備えさせるようなもの。模範解答をそのまま提出するのですから合格は約束されているようなものです。不活性化ワクチンは、とにかく練習問題と過去問で鍛えるようなものですので、mRNAワクチンの安全性と確実性は当然といえるものでしょう。

 日本ってこんなにスゴイ国!、ガイコクジンに云わせるようなテレビ番組が、個人的にはもう少し世界をみてはどうかといいたいのですが視聴率が取れるのか制作費を抑えられるためか、テレビ欄で案外あります。しかし残念なのはmRNAワクチンこそは、日本がスゴイと誇れる技術であり、しかも現在もっともタイムリーな話題でありながら、無視されている点かもしれません。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の行事なし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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