■緊急特集:陸自ヘリ墜落
UH-60JA多用途ヘリコプターは基本的に安全な機種といわれていましたが今回の事案と時間のかかり過ぎている航空救難、やはり全般的に予算が足りていません。
ヘリコプターの急激な機数縮小、これも意図したものではなく閣議決定された防衛計画の大綱に基づきヘリコプター部隊を増やし新しい脅威に対抗しようとしているものの、年度予算という閣議決定により、その防衛大綱を実行する為の航空機調達が削られている状況があります。政治が大風呂敷を広げ自衛隊が対応し、しかし政治がその予算を認めない。
先決となるのは先ず事故の根絶です。ただ、予算不足の長期化によりかつてのような、少数機種で数百機が保有されていた時代ではなく少数多種多様な航空装備体系となっていますので、機種当たりの手厚い運用基盤とノウハウが蓄積されているという状況ではありません、単純に予算を増やす選択肢だけでは、再構築するまでの期間はやはり懸念が続く。
予算が足りないのだから、オーストラリアなどが実施しているような、列線整備以上の整備をメーカー支援に外注として出すことも出来ません、整備員が足りないのではなく予算、今の予算のままではすべての航空機を整備できない、ただ、北海道と九州南部以外のヘリ部隊を廃止するならば、メーカー支援の整備を行った場合でも予算が足りるかも知れない。
南海トラフ地震にヘリコプターなしでどうするのか、という反論があるのかも知れませんが、それが政治の選択なのであれば問題があると考える場合は、まともな防衛力を整備できる政治を選ぶほかありません。防衛費を増額するといういまの岸田政権ですが、手遅れであるとともに反撃能力整備という、一から構築故、さらに予算を食う事業に集中します。
火砲、戦車、装甲車、あらゆる装備がミサイル防衛の費用負担、それも二年三年であれば立て直せた、しかし、ミサイル防衛が開始された後の二年後はWeblog北大路機関が開始された時代ですので、どれだけ無理を強い続けてきたかはわかるでしょう。他方で自衛隊はシビリアンコントロール、予算は一種の法律であり政治に関与することなどは出来ません。
政治がこの装備でこの任務をやれ、といわれればやるほか無い現状であり、その結果の事故が発生している、部隊の定数われをみて見ぬ振りをしつつ、いつか予算が元通りになると考えて存続している、ヘリコプターの視点でいえば、航空機の寿命を考えれば20年とは、いつかは正社員と言いくるめられて非正規雇用のまま60歳を迎えてしまった構図に近い。
防衛力強化が叫ばれる昨今ですが現実をみていない、先ず必要なのは防衛力の再建であり、既に防衛力は崩壊しているという現状の直視です。応用の状況に陥ったドイツは30兆円規模の基金を2022年に立ち上げ、足りない装備の調達という、強化するのではなく先ず再建するところから着手しています。日本も先ず、こうした方式が先に必要なのです。
防衛費は増額するのではないか。こうした反論があるでしょう、防衛費は今後数年間を掛けてGDP2%まで増額する指針が示されています。ただ、議論が全て金額に注目されているようで中身を吟味していない点が問題ではないか、実際、防衛費は増額するが増額した以上の費用を必要とする反撃能力整備が進められる方針であり、増額の恩恵は廻りません。
自衛隊の予算規模を考えるならば、その規模を縮小するほかありません。ただ、誤解されない様に強調したいのは、まともな装備を持つ部隊でなければ現代戦闘や将来戦闘に対応する事は出来ず、規模と定員だけ大きな部隊を編成して人員も装備も定数割れのまま看過するよりは、現実的な規模に抑え、防衛力を再建した時点で次を考えれば良い、とおもう。
第3師団のような地域配備師団は災害派遣を考えれば地元としては心強いものですが、第11旅団のような装甲近代化旅団をもととした機動旅団の方が、人員定数は半分程度ではありますが、戦車大隊もありますし威力偵察を行うに十分な即応機動連隊も置かれている、今後は地域配備師団も機動運用に充てるという政府方針ですが、現実的能力的に無理です。
第11旅団型の部隊であれば、中国の中型合成旅団に十分対応でき、運用次第では重型合成旅団にも開けた地形での運動戦を避けるならば十分対抗できる、仮に15個ある師団と旅団をこの編成に改編した場合は、戦車が450両と機動戦闘車が定数通りならば300両必要となりますが、人員規模は4万7000名程度で済みます、現在の実員でも完全充足可能だ。
災害派遣や防衛力を単に書類上の人員規模と考えるのではなく、機動打撃力や砲兵火力である、と認識するならば定員は少なくとも現実的な規模に抑え、その上で小型の部隊であっても充分な能力を整備する方が肝要でしょう。それとも政治は自衛隊にランボーやメイトリクス大佐のような隊員が揃っていると考えているのか、と。現実を見る必要がある。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
UH-60JA多用途ヘリコプターは基本的に安全な機種といわれていましたが今回の事案と時間のかかり過ぎている航空救難、やはり全般的に予算が足りていません。
ヘリコプターの急激な機数縮小、これも意図したものではなく閣議決定された防衛計画の大綱に基づきヘリコプター部隊を増やし新しい脅威に対抗しようとしているものの、年度予算という閣議決定により、その防衛大綱を実行する為の航空機調達が削られている状況があります。政治が大風呂敷を広げ自衛隊が対応し、しかし政治がその予算を認めない。
先決となるのは先ず事故の根絶です。ただ、予算不足の長期化によりかつてのような、少数機種で数百機が保有されていた時代ではなく少数多種多様な航空装備体系となっていますので、機種当たりの手厚い運用基盤とノウハウが蓄積されているという状況ではありません、単純に予算を増やす選択肢だけでは、再構築するまでの期間はやはり懸念が続く。
予算が足りないのだから、オーストラリアなどが実施しているような、列線整備以上の整備をメーカー支援に外注として出すことも出来ません、整備員が足りないのではなく予算、今の予算のままではすべての航空機を整備できない、ただ、北海道と九州南部以外のヘリ部隊を廃止するならば、メーカー支援の整備を行った場合でも予算が足りるかも知れない。
南海トラフ地震にヘリコプターなしでどうするのか、という反論があるのかも知れませんが、それが政治の選択なのであれば問題があると考える場合は、まともな防衛力を整備できる政治を選ぶほかありません。防衛費を増額するといういまの岸田政権ですが、手遅れであるとともに反撃能力整備という、一から構築故、さらに予算を食う事業に集中します。
火砲、戦車、装甲車、あらゆる装備がミサイル防衛の費用負担、それも二年三年であれば立て直せた、しかし、ミサイル防衛が開始された後の二年後はWeblog北大路機関が開始された時代ですので、どれだけ無理を強い続けてきたかはわかるでしょう。他方で自衛隊はシビリアンコントロール、予算は一種の法律であり政治に関与することなどは出来ません。
政治がこの装備でこの任務をやれ、といわれればやるほか無い現状であり、その結果の事故が発生している、部隊の定数われをみて見ぬ振りをしつつ、いつか予算が元通りになると考えて存続している、ヘリコプターの視点でいえば、航空機の寿命を考えれば20年とは、いつかは正社員と言いくるめられて非正規雇用のまま60歳を迎えてしまった構図に近い。
防衛力強化が叫ばれる昨今ですが現実をみていない、先ず必要なのは防衛力の再建であり、既に防衛力は崩壊しているという現状の直視です。応用の状況に陥ったドイツは30兆円規模の基金を2022年に立ち上げ、足りない装備の調達という、強化するのではなく先ず再建するところから着手しています。日本も先ず、こうした方式が先に必要なのです。
防衛費は増額するのではないか。こうした反論があるでしょう、防衛費は今後数年間を掛けてGDP2%まで増額する指針が示されています。ただ、議論が全て金額に注目されているようで中身を吟味していない点が問題ではないか、実際、防衛費は増額するが増額した以上の費用を必要とする反撃能力整備が進められる方針であり、増額の恩恵は廻りません。
自衛隊の予算規模を考えるならば、その規模を縮小するほかありません。ただ、誤解されない様に強調したいのは、まともな装備を持つ部隊でなければ現代戦闘や将来戦闘に対応する事は出来ず、規模と定員だけ大きな部隊を編成して人員も装備も定数割れのまま看過するよりは、現実的な規模に抑え、防衛力を再建した時点で次を考えれば良い、とおもう。
第3師団のような地域配備師団は災害派遣を考えれば地元としては心強いものですが、第11旅団のような装甲近代化旅団をもととした機動旅団の方が、人員定数は半分程度ではありますが、戦車大隊もありますし威力偵察を行うに十分な即応機動連隊も置かれている、今後は地域配備師団も機動運用に充てるという政府方針ですが、現実的能力的に無理です。
第11旅団型の部隊であれば、中国の中型合成旅団に十分対応でき、運用次第では重型合成旅団にも開けた地形での運動戦を避けるならば十分対抗できる、仮に15個ある師団と旅団をこの編成に改編した場合は、戦車が450両と機動戦闘車が定数通りならば300両必要となりますが、人員規模は4万7000名程度で済みます、現在の実員でも完全充足可能だ。
災害派遣や防衛力を単に書類上の人員規模と考えるのではなく、機動打撃力や砲兵火力である、と認識するならば定員は少なくとも現実的な規模に抑え、その上で小型の部隊であっても充分な能力を整備する方が肝要でしょう。それとも政治は自衛隊にランボーやメイトリクス大佐のような隊員が揃っていると考えているのか、と。現実を見る必要がある。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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