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【京都幕間旅情】大報恩寺-千本釈迦堂観桜,三月の桜便りは京都に春の訪れを伝える枝垂れのおかめ桜

2024-04-03 20:00:50 | 写真
■三月の枝垂れ桜
 新年度と年度末を分かつ三月末は土曜日と日曜日でしたが散策に出てみますと意外と枝垂れ桜を中心に満開へ近づいていました。二日後の新年度は更に。

 大報恩寺さん、千本釈迦堂というのは通称といいますか愛称であり、正しくは大報恩寺という。ここには枝垂桜であるおかめ桜が京都では早咲きの桜という印象がありまして、ちょうど早めに拝観へ探訪しました際にも煌々と優美を静かに示していました。

 京都に桜とは春の便り、という印象を最初に伝えるところは何処だろう、河津桜を含めますと意外な場所が梅花の香り残る頃合いから春の便りを、いわば梅花が旧暦の春便りならば桜花は新暦の春の便りか、いち早く届けてくれるのですが、考えてみると。

 平野神社は桜の便りが最速だ、けれども境内には十月桜という、年末から延々と咲いている桜が、さくらを神紋とする平野神社の矜持を示していますので、初詣でも桜がかすかながら咲いて迎えてくれる故に、ここが春の便り、といわれますと、それは、ねえ。

 千本釈迦堂に行ってきた、とはずいぶん昔の学生時代に兎角現実主義で活発且つ闊達で快活という、こういう人物になりたいものだ、という名古屋からの学友殿が朗らかに語っていまして、頃合いは師走の頃、なるほど急に信心深く、とおもえば視点は逆で。

 大根焚き、という。いまは有料なのですけれども20年前は無料だったのだろうか、余程このことが無ければ混雑を避けるわたしとしては、ふーんそうなんだあ、という程度の話題ではありましたが、意外と街中にあります、けれども大寺の千本釈迦堂の印象だ。

 振る舞い酒を無料で頂ける神社は平野神社の初詣でお神酒をコップ酒感覚でお参りの際に頂けますし、そういえば上賀茂神社も観月祭で参拝者に月見団子とお神酒の振る舞いが無料であったか、忠臣蔵の大石神社も甘酒の初詣振る舞いが、と考えれば数多い。

 千本釈迦堂はこうした印象の一つではあるのですが、いまは有料であるという。ただ拝観の方は、本堂と宝物館の拝観は有料ですが堂宇の目の前までは自由に拝観できるようになっていまして、小さな賽銭箱に気持ちだけは拝観料を収め日々手を合わせる。

 上京区七本松通今出川上ル溝前町、こう書きますと知らない方には上京区といえば京都御所でしょうけれども、実のところ七本松通りは都おどり広告がいつの間にか北野おどり掲示に変わっているあたり、そう、千本今出川の交差点から住宅街の方へ入ったさき。

 新西国三十三箇所第十六番札所としても知られる堂宇は、本堂釈迦堂が国宝指定されていることでも知られます。そして寺の歴史は実は鎌倉時代からという、禅寺を除けば平安朝やその以前からの歴史を湛える寺社仏閣多い洛中に在っては意外なあたらしさ。

 釈迦堂は、檜皮葺の屋根を冠しました入母屋造の造りとなっていまして、正面桁行五間の間口からはご本尊が微かに。しかしほかの寺院と比較しましても古さを湛えていまして、それもそのはず、京都市では二番目、洛中に在っては現存最古の建物だという。

 安貞元年こと西暦1227年に上棟となりました釈迦堂ですが、この約二百年の後に勃発しました応仁の乱においてほぼすべての寺社仏閣が被害を受けた中で洛中では例外的に戦災を免れたことで、結果的ではあるのだけれども、洛中最古の建物となりました。

 おかめ桜、早咲きの枝垂れ桜はこの釈迦堂の前に、支柱に助けられてはいるのだけれども、旧王都に桜の便り、というのはここがその最初あたりという印象がありまして、まだ蕾、と観光協会がWebに情報を載せる傍ら、それは見事な春の便りを示していました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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