北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-第一線火力として必須となりつつある25mm/30mm機関砲

2025-01-09 07:00:33 | 先端軍事テクノロジー
■防衛情報-ウクライナ戦争
 今回は装備面について。

 30mm機関砲の重要性について。ロシアウクライナ戦争は来月で開戦3年を迎える事となりますが、この戦争を通じて自衛隊が大きな戦訓としなければならない点として、第一線火力として25mm乃至30mm機関砲の装備は最早必須となっているという状況です。自衛隊には偵察警戒車などに僅かしか装備されていない装備でもあるのですが。

 30mm機関砲は、BMP-2装甲戦闘車の主武装であるとともに、ウクライナ軍は軽装甲車にも搭載し第一線火力支援に重宝しています。この30mm機関砲は、一撃では戦車等を撃破する事はできませんが、複数個所から同時に使用することでロシア軍のT-80戦車等に対しても有効長出来を加えた事例が多数あります、無論、装甲車にも有効ですが。

 固定陣地への30mm機関砲攻撃、歩兵部隊の陣地には重機関銃などで武装している事例は多いものの、射撃陣地などへ30mm機関砲を射撃した場合、土嚢などで厳重に部押している場合でも簡単に破壊される事例があり、ウクライナ軍はこうした状況に対応するために、例えばランドクルーザーなどを転用した軽装甲車であっても30mmを積むもよう。

 JLTV統合軽量戦術車輛などで30mmRWS遠隔操作銃塔を搭載するものが増えていますが、日本としても、今後導入する軽装甲機動車の後継車両には12.7mm機銃では威力不足で、エリコン25mm機関砲程度は標準装備としなければ、機関砲が普通科部隊の標準的装備としなければ、撃ち負けるという実情を理解しなければなりません。

 機関砲は同時に無人機攻撃や航空攻撃に対しても一定程度有用です。30mmRWSについては10式戦車近代化改修に際して搭載するという情報もあるようですが、パトリアAMVやハーケイ軽装甲機動車などに標準装備しなければ、ロシアウクライナ戦争での重要な戦訓を無視したといわれても仕方が有りません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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