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日印合同戦闘機演習ヴィーアガーディアン23演習完了-帰国へ,日印合同訓練の大きな意義

2023-01-27 07:00:24 | 国際・政治
■日印防衛協力の意義
 Su-30戦闘機の離陸は凄かったという話でして少し見に行きたかった気もしますが着陸を撮影出来ただけでも、ね。

 インド空軍は1月26日までに初の日本での日印戦闘機部隊合同訓練を完了し、予定では本日27日に百里基地より撤収を開始します。昨日1月26日はインド建国記念日となっていまして、敢えて訓練日程を調整し、建国記念日を日本において祝うという点でも今回のインド空軍戦闘機部隊の日本展開を如何にインド軍やインド政府が重視しているか、わかる。

 FOIP自由で開かれたインド太平洋原則、この安倍政権時代に提唱し世界の政治家や外交官へ二つの大洋という視座から物事を俯瞰する視座において、インドはアジアの人口大国という位置づけから世界最大の民主主義国家という役割を求められ、そして大国としての地位を世界に認識させたという点で、日本との防衛協力の深化を進めている現状があります。

 日本もF-15戦闘機とKC-767空中給油輸送機にC-2輸送機とともに今後はインドへの訓練展開を強化することとなるのでしょうが、重要なのは既にF-15戦闘機部隊の国外訓練はグアムやアラスカのみならず、フィリピンへ派遣する水準まで強化されており、これが一過性の防衛協力に留まらない、新しい時代の防衛協力実績を着々と積んでいる事でしょう。

 航空自衛隊とインド空軍の合同演習、可能ならば隔年で互いの国へ戦闘機部隊を展開させる体制が望ましい、これは海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦によるプレゼンスオペレーションとして、二十年前ならばそんな非現実的な規模、と思われる訓練を定期的に実施しています、護衛艦で定期的実施できる任務ですので戦闘機でも不可能とは言い切れない。

 Su-30戦闘機のインドから日本への展開は、タイとフィリピンを経由して実現しましたが、言い換えれば、定期的に日印が戦闘機合同訓練を実施するならば、中継地となるフィリピンやタイにおいても、親善訓練を実施できる余地を生みますし、特に東南アジア諸国では戦闘機保有数が50機以下という空軍が多く、訓練部隊い展開の意義は過小評価できません。

 FOIP自由で開かれたインド太平洋原則、これは軍事同盟なんていうものではなく、難しい事は考えずに民間も通商も軍隊も平和にみんなでやってゆこう、こうした理念ではあるのですが、相容れないのは地域閉塞主義や海洋閉塞主義というような軍事力や力による現状変更です、理念である為に組織の様に破壊できません、ただ維持する努力は必要なのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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