■核不拡散条約再検討会議
ロシア軍ウクライナ侵攻に伴う各国批判に対し世界を水爆で脅すという驚くべき状況の中で核軍縮の模索が始まりました。
岸田総理出席のもとNPT核不拡散条約再検討会議が七年ぶりに開催されました、本来は五年に一度開かれる会議ではあるのですが、この二年間はCOVID-19感染拡大を受け開催できないままとなっていました。NPT核不拡散条約、この核不拡散はこれだけの加盟国と履行状況に鑑みれば、既に強行規範としての機能を有しているとさえいいうる国際公序です。
しかし、ウクライナ戦争、この現実とNPT核不拡散条約は深く関係していることからも目を背けるべきではありません。もちろんNPTは重要であり、NPTの国際公序としての履行がなければ核軍縮は冷戦後にも大きく停滞していたことは確かです。そしてその現実をふまえた上でも、核兵器を放棄するリスクを、示してしまいました。戦争はいまもつづく。
1968年までに明示して核爆発装置を作動させ保有した国を例外とする核兵器国と位置づけ、その上で核兵器国と非核兵器国を分け、前者には核軍縮義務を、後者には核兵器開発の禁止を明示したのがNPTの枠組みです。そして冷戦後、ソ連から大量の水爆、900発以上の水爆を継承したウクライナは当初、ソ連から国家継承による核兵器国の地位を求めている。
NPTは、しかし1968年当時にウクライナは独立国ではないこと、そして国家継承はロシア連邦がソ連邦を継承したこと、この二つの事実を以てウクライナの核兵器はロシアに移管する国際合意が為され、疑似弾頭の紛れ込む余地のないよう当事国当局者にくわえNPTからの査察枠組みを通じ核兵器は全てロシアへ移管、核管理の歴史的転換点となりました。
核兵器を放棄したウクライナ、そのウクライナが今年ロシア軍の侵攻を受けた際、世界は立ち上がりませんでした。武器援助を欧米の一部と豪州などが決断しましたが、紛争停止へ実行力有る措置はロシアの圧力を前に決断することはなく、応援という曖昧な行動に止まりました、核兵器を放棄した後の安保を誰もリスクを負わない、担保しなかった事実が。
移管された核兵器はロシア軍の管理下に移り、現在も運用される戦略核はそのまま、ロシアが世界を脅迫する手段に活用されています、ウクライナが核兵器をロシアに移管したために世界に脅迫に用いられる核兵器が増えたのですね。そしておそらくウクライナが核兵器を保持したままであればロシア軍はウクライナに侵攻できなかったといえるではないか。
厳しい現実ではありますが冷戦後、核兵器国以外の核保有国は増えることとなりました、インド、パキスタン、北朝鮮、そしてこれから核兵器廃絶に取り組むので有れば、これらの諸国や核軍縮義務の枠組みに参画している核兵器国の安全保障の構築もいずれは模索せねばなりません、そのためにもウクライナ核放棄という決断の結果を直面すべきでしょう。
核兵器をなくすのは簡単です、おそらく全面核戦争が起これば24時間以内に大半の戦略核が地球上から消えることとなるでしょう。全て使われるからです。ただ、これ以外の選択肢により核兵器を削減し核廃絶の道を模索することがNPTの枠組みです、そのためにもポスト核兵器の安全保障体制も重ねて議論する、現実を直視することが求められるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
ロシア軍ウクライナ侵攻に伴う各国批判に対し世界を水爆で脅すという驚くべき状況の中で核軍縮の模索が始まりました。
岸田総理出席のもとNPT核不拡散条約再検討会議が七年ぶりに開催されました、本来は五年に一度開かれる会議ではあるのですが、この二年間はCOVID-19感染拡大を受け開催できないままとなっていました。NPT核不拡散条約、この核不拡散はこれだけの加盟国と履行状況に鑑みれば、既に強行規範としての機能を有しているとさえいいうる国際公序です。
しかし、ウクライナ戦争、この現実とNPT核不拡散条約は深く関係していることからも目を背けるべきではありません。もちろんNPTは重要であり、NPTの国際公序としての履行がなければ核軍縮は冷戦後にも大きく停滞していたことは確かです。そしてその現実をふまえた上でも、核兵器を放棄するリスクを、示してしまいました。戦争はいまもつづく。
1968年までに明示して核爆発装置を作動させ保有した国を例外とする核兵器国と位置づけ、その上で核兵器国と非核兵器国を分け、前者には核軍縮義務を、後者には核兵器開発の禁止を明示したのがNPTの枠組みです。そして冷戦後、ソ連から大量の水爆、900発以上の水爆を継承したウクライナは当初、ソ連から国家継承による核兵器国の地位を求めている。
NPTは、しかし1968年当時にウクライナは独立国ではないこと、そして国家継承はロシア連邦がソ連邦を継承したこと、この二つの事実を以てウクライナの核兵器はロシアに移管する国際合意が為され、疑似弾頭の紛れ込む余地のないよう当事国当局者にくわえNPTからの査察枠組みを通じ核兵器は全てロシアへ移管、核管理の歴史的転換点となりました。
核兵器を放棄したウクライナ、そのウクライナが今年ロシア軍の侵攻を受けた際、世界は立ち上がりませんでした。武器援助を欧米の一部と豪州などが決断しましたが、紛争停止へ実行力有る措置はロシアの圧力を前に決断することはなく、応援という曖昧な行動に止まりました、核兵器を放棄した後の安保を誰もリスクを負わない、担保しなかった事実が。
移管された核兵器はロシア軍の管理下に移り、現在も運用される戦略核はそのまま、ロシアが世界を脅迫する手段に活用されています、ウクライナが核兵器をロシアに移管したために世界に脅迫に用いられる核兵器が増えたのですね。そしておそらくウクライナが核兵器を保持したままであればロシア軍はウクライナに侵攻できなかったといえるではないか。
厳しい現実ではありますが冷戦後、核兵器国以外の核保有国は増えることとなりました、インド、パキスタン、北朝鮮、そしてこれから核兵器廃絶に取り組むので有れば、これらの諸国や核軍縮義務の枠組みに参画している核兵器国の安全保障の構築もいずれは模索せねばなりません、そのためにもウクライナ核放棄という決断の結果を直面すべきでしょう。
核兵器をなくすのは簡単です、おそらく全面核戦争が起これば24時間以内に大半の戦略核が地球上から消えることとなるでしょう。全て使われるからです。ただ、これ以外の選択肢により核兵器を削減し核廃絶の道を模索することがNPTの枠組みです、そのためにもポスト核兵器の安全保障体制も重ねて議論する、現実を直視することが求められるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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