■臨時情報-台湾海峡危機
日本では平和を再確認する広島原爆の日と長崎原爆の日を経て終戦記念日が参りますが、日本の直ぐ南では戦争の危機が広がっている。
ペロシ下院議長の台湾訪問を受けての報復となる中国人民解放軍の軍事演習は日本の排他的経済水域に弾道ミサイルを撃ち込み、無人機による台湾領空侵犯や日本のEEZ設定を認めないという中国にとっては日本など存在ないしないが如くという1972年日中国交正常化以来の友好関係を踏みにじる、中国指導者の正気を疑う程の大きな緊張となっています。
金門島限定侵攻は有り得るリスク、こう認識すべきかもしれません。中国軍の台湾侵攻が切迫している、こう表現しますと考え過ぎだとか、切迫しているとは言っても台湾海峡を渡るには膨大な準備が掛かり艦艇の動向からその可能性は低い、こう反論があるでしょう。しかし考えなければならないのは限定侵攻ならば、それ程準備が不要という、特に離島に。
金門県の金門島は中国大陸から2km、泳いで渡れない事も無いですが、1949年に同じことを考えた人民解放軍は19000名の兵力で侵攻を試み、半数以下しか上陸できないばかりか徹底的な反撃を受け戦死者3900名、捕虜5100名という大敗を被った事が有ります。これを古寧頭戦役というのですが、しかし、1949年と2022年では人民解放軍は根本から違う。
人民解放軍は1949年にはジャンク船で侵攻し風向きにより統制できず上陸後は火炎瓶で破壊されました、鎌倉時代の蒙古襲来とあまり変わらない水準で侵攻していたのです、しかし現代の人民解放軍には05式水陸両用戦闘車などまともなというよりも世界第一線級の水陸両用車輛が揃いヘリコプターの数も増えています、2kmの海峡はそう遠くありません。
時は台湾を有利にする、金門島侵攻を危惧するもう一つの背景は、台湾がアメリカから調達するATACMS陸軍戦術ミサイルシステムやハープーン沿岸防衛システム、そしてM-1A2戦車といった装備が引き渡される前に侵攻しなければ、特にATACMSとハープーン配備後では金門島限定侵攻さえも不可能となる懸念があるのです、その前に叩くという可能性が。
金門県の人口は14万、過去の台湾海峡危機の際には避難命令が発令されましたが、前回の台湾海峡危機は中華民国総統選挙という、日程の上での住民疎開計画を立てる事が出来ました。他方で、今回のペロシ下院議長台湾訪問は、これを想定して金門島の住民疎開と防衛強化を行う時間がありませんでした、限定侵攻、このリスクは直視すべき問題でしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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日本では平和を再確認する広島原爆の日と長崎原爆の日を経て終戦記念日が参りますが、日本の直ぐ南では戦争の危機が広がっている。
ペロシ下院議長の台湾訪問を受けての報復となる中国人民解放軍の軍事演習は日本の排他的経済水域に弾道ミサイルを撃ち込み、無人機による台湾領空侵犯や日本のEEZ設定を認めないという中国にとっては日本など存在ないしないが如くという1972年日中国交正常化以来の友好関係を踏みにじる、中国指導者の正気を疑う程の大きな緊張となっています。
金門島限定侵攻は有り得るリスク、こう認識すべきかもしれません。中国軍の台湾侵攻が切迫している、こう表現しますと考え過ぎだとか、切迫しているとは言っても台湾海峡を渡るには膨大な準備が掛かり艦艇の動向からその可能性は低い、こう反論があるでしょう。しかし考えなければならないのは限定侵攻ならば、それ程準備が不要という、特に離島に。
金門県の金門島は中国大陸から2km、泳いで渡れない事も無いですが、1949年に同じことを考えた人民解放軍は19000名の兵力で侵攻を試み、半数以下しか上陸できないばかりか徹底的な反撃を受け戦死者3900名、捕虜5100名という大敗を被った事が有ります。これを古寧頭戦役というのですが、しかし、1949年と2022年では人民解放軍は根本から違う。
人民解放軍は1949年にはジャンク船で侵攻し風向きにより統制できず上陸後は火炎瓶で破壊されました、鎌倉時代の蒙古襲来とあまり変わらない水準で侵攻していたのです、しかし現代の人民解放軍には05式水陸両用戦闘車などまともなというよりも世界第一線級の水陸両用車輛が揃いヘリコプターの数も増えています、2kmの海峡はそう遠くありません。
時は台湾を有利にする、金門島侵攻を危惧するもう一つの背景は、台湾がアメリカから調達するATACMS陸軍戦術ミサイルシステムやハープーン沿岸防衛システム、そしてM-1A2戦車といった装備が引き渡される前に侵攻しなければ、特にATACMSとハープーン配備後では金門島限定侵攻さえも不可能となる懸念があるのです、その前に叩くという可能性が。
金門県の人口は14万、過去の台湾海峡危機の際には避難命令が発令されましたが、前回の台湾海峡危機は中華民国総統選挙という、日程の上での住民疎開計画を立てる事が出来ました。他方で、今回のペロシ下院議長台湾訪問は、これを想定して金門島の住民疎開と防衛強化を行う時間がありませんでした、限定侵攻、このリスクは直視すべき問題でしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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