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クレムリン宮殿に無人機攻撃-ロシア大統領府が報復宣言,近距離用クワッドドローンでの攻撃の可能性

2023-05-04 07:00:23 | 国際・政治
■臨時情報-クレムリン攻撃
 モスクワ軍管区は地対空ミサイルの密集地域であり安易には近づけない、とは冷戦時代に云われたものです。1987年に西ドイツの少年がセスナ機で赤の広場に着陸した事が有りましたが。

 クレムリンが無人機攻撃を受けた、ロシア大統領府は3日夜、ロシアの首都モスクワにあるクレムリン宮殿が攻撃を受けたと発表しました。更に攻撃の様子とされる、旗掲揚台近くで無人機が爆発する様子などの映像が出され、そしてロシア大統領府はウクライナの攻撃であったと断定し報復を行うと発表しています。なお、被害はないとの事でした。

 クワッドドローンにみえる、映像を見ますと飛行している無人機の様子が“フリスビーのような飛び方”をしていまして、これはご覧になった方など判るとおもいますが“富士総合火力演習における無人機の低空飛行の様子”に非常に似ているのです、同じ富士総合火力演習でも高空を滞空するスカイレンジャー70とは異なる、みれば分かる飛び方なのです。

 クワッドドローンがウクライナ国境からモスクワまで450kmを飛翔できるのか、固定翼方式の無人機は兎も角として、ウクライナ軍は確かにクワッドドローンを多用しています。しかしここまで行動半径の大きいものは固定翼式のものしかなく、回転翼式と定義を広くした場合でもアメリカのMQ-8Cファイアスカウトの行動半径280kmでしかありません。

 日本からハワイに飛行する旅客機航路にヘリコプター航路が無いのは何故か。唐突に思われるかもしれませんが、今回のクレムリン攻撃にクワッドドローンが使用された事への疑問はこの問いと重なります、理由は一つ、固定翼式の旅客機と比較して飛行効率が悪い為です。また、ロシアもウクライナへの長距離無人機攻撃は固定翼機型を用いています。

 ウクライナ特殊部隊が警戒厳重なモスクワ市内まで浸透し大統領府から10km以内の近距離で発進させた、というならばクワッドドローンである事の説明にはなります。しかしそれ以上に説得力ある説明は、日本の1931年柳条湖事件の自作自演の様に被害が出ぬようロシア側がウクライナの攻撃に見せかけた偽旗作戦を行ったのではないか、ということです。

 リットン調査団のような国連主体の調査団をロシアが報復攻撃を行う前に派遣すべきではないか。1931年柳条湖事件に際し、中華民国政府が南満州鉄道爆破事件などは中国軍の破壊工作ではなく日本側の偽旗作戦だとして調査団を派遣要請し国際連盟が派遣した調査団です。もっとも、画像解析により、少なくとも450km程度飛行できる固定翼無人機である事が判明するならば別なのですがね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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