■二〇三〇年への防衛力整備
平成最後の年に明示された防衛大綱、その先を考える事は早計に思われるかもしれませんが着眼点として一つ。
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潜水艦は次期防衛大綱にて30隻体制へ向かうのではないか。現在は定数22隻体制となっている潜水艦定数は間もなく潜水艦そうりゅう型の増産により整備完了となります。しかし海上自衛隊の潜水艦増勢はここで完了するとは考えられないのですよね。こう言いますのも海上自衛隊潜水艦はかつて16年で現役を退いていました、定数16隻時代の話です。
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潜水艦は護衛艦と同程度の24年を現役とできる筈でしたが1976年の防衛大綱に置いて潜水艦の定数が16隻と確立し、その上で政府は潜水艦の運用を宗谷海峡津軽海峡対馬海峡、戦略三海峡と呼ばれる海域の警戒監視に充てると説明していた為、16隻が事実上固定化されたという事情があります。そして日本には潜水艦建造技術をもつ企業が二つありました。
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三菱重工と川崎重工が共に頭に潜水艦造船所を有しています。そして世界を見ますと潜水艦の造船能力を持つ国そのものが少ない中で、二階書の造船所を維持している事例は非常に稀有なのです。更に潜水艦は建造が二年で完了しますので交互に潜水艦を発注しますと、毎年一隻の潜水艦が完成する事となります、潜水艦定数が16隻ということはそういうこと。
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川崎重工と三菱重工、潜水艦の建造はどちらか一社が撤退した場合は独占企業となります、この問題もありますがどちらかが撤退した場合は日本の潜水艦建造能力は半減する事となります。そして潜水艦建造能力の構築は簡単ではない、更に潜水艦建造技術全般の維持に関する意義としまして、最新鋭の潜水艦度独自に国産出来るかも左右される点があります。
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建造技術、この事は潜水艦の継続受注を得られない事で潜水艦技術を喪失したオランダの事例、潜水艦建造技術開発に苦心するオーストラリアの事例を視ますと非常に分り易い。結果、日本は潜水艦を就役から16年で第一線から練習潜水艦へ種別変更しており、概ね18年程度で除籍していました。呉の除籍潜水艦は中小海軍からは羨望の的となっていました。
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22隻体制、おやしお型潜水艦を綿密に検証調査した結果、少なくとも22年程度は現役の能力を維持する、と結論が出されます。潜水艦の船体は高張鋼で構成される為、潜航を繰り返すと共に耐性の劣化が進みますが、我が国潜水艦技術はそれ程低いものではありません、結果、早めに除籍させる事は不経済であり国有財産の過小評価として22隻体制へ進みます。
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南西諸島警戒監視強化、16隻体制から22隻体制への転換は明確には示されていませんが戦略三海峡の警戒監視とともに新たな警戒監視点が増大した事を暗に示しています。もっとも戦略三海峡警備は従来説明されていた警戒監視の概念であり、海上自衛隊潜水艦の行動は明確にどの海域へ警戒展開しているかについて、明確に示されたものではありません。
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潜水艦、護衛艦は元々耐用年数24年とされ、改修と延命により32年程度現役に留まる事が常態化しています。そして潜水艦は上記の耐用強度により一概には言えないのですが、安全潜航深度を一般にいわれる550mから500m程度に抑える事でも、潜水艦としての優位性は簡単に喪失するものではありません。つまり30年以上の運用は充分可能でしょう。
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おやしお型潜水艦が現在延命を実施しているのですが、単純な発想としては本型が2030年まであと十年第一線での性能を維持できるか、という事に尽きます。そして世界にはより古い潜水艦が数の上では多い。運用面での特色では、乗員数で護衛艦の半分程度である潜水艦は人員不足に悩む海上自衛隊にとり、作戦単位を増やし得る有力な装備と云えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/a9/85733fd0dfeeef00bb3c3f0edcc3fc7d.jpg)
そうりゅう型に続く潜水艦、しかし問題点はあります。例えば艦名で空母蒼龍の艦名を冠した潜水艦そうりゅう型の瑞祥動物はそろそろネタ切れが近づいています。まあこの問題は冗談としまして、最大の問題は潜水艦適性を有する乗員の確保でしょう。虫歯や副鼻腔炎はじめ潜水艦の気圧変化が健康上支障を来す疾患は数多ありますが、適正にかかわる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/f3/0c5cd202671b895070ed773c6cc90f78.jpg)
潜水艦適性は現在、自衛官候補生の時点で潜水艦適性を有する候補生へは優先的に潜水艦乗艦を薦められるという状況が続きます。また潜水艦の16隻から22隻への拡充も教育訓練が非常に厳しい状況となっており、潜水艦隊全体の防衛力は強化されるが各艦でみれば戦力全般は低下の可能性がある、とも指摘する指揮官は意外の他多い事に驚かされました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/02/d44277ae1f46faf388e0aac525caffc0.jpg)
しかし選択肢としてはどうでしょう。次期防衛大綱、つまり十年後ですが、周辺情勢の緊迫化と共に増大する脅威に対し、我が国の経済成長は停滞が続く事から抜本的な防衛予算の増勢は見込めません。この場合、30年使える潜水艦を22年で第一線から除籍させている事は合理的とは言い難く、潜水艦の再度の増勢は真剣に検討されるのではないでしょうか。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
平成最後の年に明示された防衛大綱、その先を考える事は早計に思われるかもしれませんが着眼点として一つ。
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潜水艦は次期防衛大綱にて30隻体制へ向かうのではないか。現在は定数22隻体制となっている潜水艦定数は間もなく潜水艦そうりゅう型の増産により整備完了となります。しかし海上自衛隊の潜水艦増勢はここで完了するとは考えられないのですよね。こう言いますのも海上自衛隊潜水艦はかつて16年で現役を退いていました、定数16隻時代の話です。
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潜水艦は護衛艦と同程度の24年を現役とできる筈でしたが1976年の防衛大綱に置いて潜水艦の定数が16隻と確立し、その上で政府は潜水艦の運用を宗谷海峡津軽海峡対馬海峡、戦略三海峡と呼ばれる海域の警戒監視に充てると説明していた為、16隻が事実上固定化されたという事情があります。そして日本には潜水艦建造技術をもつ企業が二つありました。
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三菱重工と川崎重工が共に頭に潜水艦造船所を有しています。そして世界を見ますと潜水艦の造船能力を持つ国そのものが少ない中で、二階書の造船所を維持している事例は非常に稀有なのです。更に潜水艦は建造が二年で完了しますので交互に潜水艦を発注しますと、毎年一隻の潜水艦が完成する事となります、潜水艦定数が16隻ということはそういうこと。
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川崎重工と三菱重工、潜水艦の建造はどちらか一社が撤退した場合は独占企業となります、この問題もありますがどちらかが撤退した場合は日本の潜水艦建造能力は半減する事となります。そして潜水艦建造能力の構築は簡単ではない、更に潜水艦建造技術全般の維持に関する意義としまして、最新鋭の潜水艦度独自に国産出来るかも左右される点があります。
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建造技術、この事は潜水艦の継続受注を得られない事で潜水艦技術を喪失したオランダの事例、潜水艦建造技術開発に苦心するオーストラリアの事例を視ますと非常に分り易い。結果、日本は潜水艦を就役から16年で第一線から練習潜水艦へ種別変更しており、概ね18年程度で除籍していました。呉の除籍潜水艦は中小海軍からは羨望の的となっていました。
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22隻体制、おやしお型潜水艦を綿密に検証調査した結果、少なくとも22年程度は現役の能力を維持する、と結論が出されます。潜水艦の船体は高張鋼で構成される為、潜航を繰り返すと共に耐性の劣化が進みますが、我が国潜水艦技術はそれ程低いものではありません、結果、早めに除籍させる事は不経済であり国有財産の過小評価として22隻体制へ進みます。
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南西諸島警戒監視強化、16隻体制から22隻体制への転換は明確には示されていませんが戦略三海峡の警戒監視とともに新たな警戒監視点が増大した事を暗に示しています。もっとも戦略三海峡警備は従来説明されていた警戒監視の概念であり、海上自衛隊潜水艦の行動は明確にどの海域へ警戒展開しているかについて、明確に示されたものではありません。
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潜水艦、護衛艦は元々耐用年数24年とされ、改修と延命により32年程度現役に留まる事が常態化しています。そして潜水艦は上記の耐用強度により一概には言えないのですが、安全潜航深度を一般にいわれる550mから500m程度に抑える事でも、潜水艦としての優位性は簡単に喪失するものではありません。つまり30年以上の運用は充分可能でしょう。
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おやしお型潜水艦が現在延命を実施しているのですが、単純な発想としては本型が2030年まであと十年第一線での性能を維持できるか、という事に尽きます。そして世界にはより古い潜水艦が数の上では多い。運用面での特色では、乗員数で護衛艦の半分程度である潜水艦は人員不足に悩む海上自衛隊にとり、作戦単位を増やし得る有力な装備と云えます。
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そうりゅう型に続く潜水艦、しかし問題点はあります。例えば艦名で空母蒼龍の艦名を冠した潜水艦そうりゅう型の瑞祥動物はそろそろネタ切れが近づいています。まあこの問題は冗談としまして、最大の問題は潜水艦適性を有する乗員の確保でしょう。虫歯や副鼻腔炎はじめ潜水艦の気圧変化が健康上支障を来す疾患は数多ありますが、適正にかかわる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/f3/0c5cd202671b895070ed773c6cc90f78.jpg)
潜水艦適性は現在、自衛官候補生の時点で潜水艦適性を有する候補生へは優先的に潜水艦乗艦を薦められるという状況が続きます。また潜水艦の16隻から22隻への拡充も教育訓練が非常に厳しい状況となっており、潜水艦隊全体の防衛力は強化されるが各艦でみれば戦力全般は低下の可能性がある、とも指摘する指揮官は意外の他多い事に驚かされました。
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しかし選択肢としてはどうでしょう。次期防衛大綱、つまり十年後ですが、周辺情勢の緊迫化と共に増大する脅威に対し、我が国の経済成長は停滞が続く事から抜本的な防衛予算の増勢は見込めません。この場合、30年使える潜水艦を22年で第一線から除籍させている事は合理的とは言い難く、潜水艦の再度の増勢は真剣に検討されるのではないでしょうか。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今の計画でも練習船と試験潜水艦を含めると
25隻ですから5隻増やすという感じですね。
潜水艦隊員の離職率が高いので、その対策や、
やはり自衛官がもっと誇らしい職業に思われるように、
憲法改正して、自衛隊の明文化、
階級名称も大将大佐、大尉、
現役時に勲章をもらえるようにする。
観閲式に天皇陛下の観閲を受ける。
国民から尊敬される対象となるような各種施策。
給料や手当、退職金、年金の増額、宿舎の更新と面積アップ
等を充実させて充足率を上げる必要がありますね。
このままの少子化が進むと隊員確保は危険水準になりますね。
いえいえ、海上防衛力整備と予算不足の両立で日本のが取りうる選択肢として、潜水艦の限界の耐用年数、という視点ですので、潜水艦を第一線で30年使う、くらいしか選択肢が無い、という悲痛な視点です
練習潜水艦はこれとは別に、作戦には耐用年数限界ぎだ、まだ潜れるものを制限して使うこととなる、という理解でお読みいただければ、と
でも、どうでしょう?
電子技術では、既に日本を超えた中国です。
安易に捕捉できるという前提で検討をした方がいいと思うのです。
となると、やはり、憲法改正&敵地攻撃能力の具備が最終的な回答になるのだろうと思うのです。
それと同時に、今よりも国民の意見がダイレクトに政府の施策へ反映させることができる仕組みの構築が必要でしょうね。
性能的に少し厳しいのでは?