■横須賀散策紀行 塚山公園
横須賀散策ということで、塚山公園と安針台公園とを散策してきた。その途中に基地を一望できる場所があり、眼下に広がる海浜港湾の絶景は久々の潮風とともに清涼感を与えてくれる。今回は塚山公園への道程と眺望の掲載。
海上自衛隊の艦艇基地としては、主要なもので横須賀、佐世保、舞鶴、呉、大湊が挙げられる。京都府の日本海側にあり、京都市内から特急で一本の舞鶴基地と並び、首都圏から京浜急行で一本の横須賀基地は小生が機会をみつけ足を運ぶ基地である。写真は、手前に長浦地区の横須賀地方隊の“はつゆき”型護衛艦三隻、その向こうに横浜市内の高層ビルが見える。
横浜が望見できるこの塚山公園からは、横須賀本港の艦艇なども見ることが出来るが、横須賀地方総監部とアメリカ海軍の海軍施設などは山陰に隠れてみることは出来ない。ただ、艦艇を眼下に見下ろすことが出来るところは限られており、ここからば入港してくる様子も見ることが出来るのではないか。
この塚山公園へは、京浜急行電鉄で向かう。JRから品川駅で京浜急行に乗り換え、そこから快速特急にて金沢文庫駅へ。そして普通電車に乗り換えて按針塚駅で降車する。按針塚駅から塚山公園までは自販機やコンビニが見当たらないので、補給は駅前で行うのが妥当であろう。
按針塚とは、400年前に九州に漂着したイギリス人航海士ウィリアム・アダムスの塚で、徳川家康の新任を得て江戸幕府顧問となり、造船技術や交易などで日本の鎖国体制下での国際交流に大きな功績を残し、三浦按針という日本名とともに三浦半島逸見に250石の領地を与えられ、アングロサクソンのサムライとなった。駅前にこの塚山公園までの案内看板があった。
地図に従い歩いてゆく。徒歩20分ということであるが、京都や、坂道が多いことで知られる神戸よりも階段や急な上り坂が多い。
しばらく登ってゆくと、横須賀港外に試験艦「あすか」がみえた。航跡がみえないことから停泊しているのだろうか。
登ってゆくと、急傾斜地崩落危険地区、と書かれた標識があった。京浜急行とJR横須賀線が首都圏とを結び、ベットタウンとしての位置づけを有しているのだろうか、急傾斜危険地区であっても住宅街と商店が軒を連ねていた。
足を進めると、マンションが高台に並んでいる。一瞬私有地かとも思ったが、境界もなく他に行く道も無いので、更に進んでゆく。
こういったところでは、コンビニに行くのにも大変だろう、と思いつつ、他方、船が好きな人には魅力的な場所なのだろうか。
港と海が見えてくる。駅を出発したのは1508時、この場所は横浜横須賀道路。写真のICは本町山中有料道路との分岐点である。写真は1526時に撮影したもので、マンションから繋がる道も分岐点。自動車一台ようやく通れる道、向こう側からタクシーが来たが、乗っても目的地に行けるか微妙なのでスルー。“塚山公園こちら”という案内に沿って、錆びた鉄製階段を慎重に登ってゆく。
公園に到着したのは1536時。按針塚とかかれた道標には、港の見える丘、とかかれており期待は膨らむ。
公園の入り口にはジュースの自販機とお手洗いがあったので、補給物資が尽きた場合はここで補充することが出来る。公園にはイヌの散歩に来ている人が二組ほど。
海洋観測艦「わかさ」(満載排水量3200㌧)、となりに最大の海洋観測艦である「にちなん」、護衛艦の「おおなみ」「たかなみ」(ともに満載排水量6300㌧)が並んでいる。
その沖合いには先ほど写真を載せた「あすか」が停泊している。
米海軍艦艇。第七艦隊旗艦「ブルーリッジ」(満載排水量19648㌧)がみえる。空母「キティーホーク」は停泊していなかった。また、イージス艦も少なからず出ているようで、イージス駆逐艦が一隻見える程度か、少し残念。
後ほど、この駆逐艦は「カーティスウィルバー」(満載排水量8422㌧)であるということがわかった。
横浜のランドマークタワーと長浦の護衛艦。横須賀地方隊第21護衛隊の「はつゆき」「しらゆき」「さわゆき」(ともに満載排水量4000㌧)であろうか。この長浦には、標的艦として最後のご奉公を待つ旧護衛艦隊旗艦「たちかぜ」が係留されているはずだが、ここからは確認することが出来なかった。
今回は、撮影がメインではないのでレンズは一本のみ。望遠レンズを持っているわけでもなく、最大の200㍉ではこれが限界。少し霞が掛かっているのだが、撮影環境は順光。午前中は逆光なのだろう。
この塚山公園は、艦艇ほのかにも桜の名所であるようだ。枝垂桜、染井吉野、里桜、山桜、大山桜、大島桜という多種多様な桜があるようで、一応、ここの近くまではタクシーも入ってこれるようだ(鉄製階段は徒歩の場合の近道)。
立ち入り可能な場所で横浜の高層ビルと艦艇を一枚に収められるスポットはそこまで多くないと思う、やや駅から遠いが、興味のある方は足を運んでみては如何だろうか。
HARUNA
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