◆東日本大震災日米合同任務へ参加艦
米海軍によれば、海軍は現在横須賀へ前進配備中の原子力空母ジョージワシントンをロナルドレーガンへ置き換える、とのこと。
アメリカ海軍は、空母ミッドウェー、インディペンデンス、キティーホーク、ジョージワシントンと横須賀基地へ空母を前進配備し、太平洋艦隊の最大と言える作戦展開能力を以て我が国との西太平洋を俯瞰するステイクホルダーとしてのアメリカが果たす役割の象徴的存在として位置づけられてきました。
現在横須賀へ配備されているジョージワシントンは、従来、蒸気タービン方式により推進する通常動力空母から原子力を動力として推進する航空母艦へ転換されたもので、第二次大戦以来の米海軍が常に実戦において練磨した運用と装備の技術、最大で80機の艦載機を搭載する能力を以て、文字通り世界の海軍が保有する航空母艦と比較し比類ない能力を整備しています。
アメリカ海軍はその集大成として1975年より原子力推進方式のニミッツ級を建造、実質的に無限大の航続距離を有するほか、通常動力空母のような自艦用燃料を必要としないためその分多くの航空機燃料や随伴艦燃料に弾薬と物資を搭載することが可能で、航空母艦はアメリカの国防戦略において主柱を占めるに至りましたが、原子力であるため数年に一度、原子炉の炉心を交換せねばなりません。
今回のジョージワシントンからロナルドレーガンへの交代は、炉心交換に数年を要する為数年間現役を離れる空母ジョージワシントンに代わりロナルドレーガンが配備される、というかたちです。同じニミッツ級ですが就役は2003年と比較的新しく、一番艦よりは多くの部分が改良されています。
横須賀に馴染んだばかりの空母交代は残念ですが、新しいロナルドレーガンも日本と親しい関係があります、中曽根内閣時代のレーガン政権との親密関係は有名ですが、更にロナルドレーガンは東日本大震災に伴う米軍日本救援任務トモダチ作戦へ、定期整備中のジョージワシントンに代わり太平洋艦隊の一員として救助活動に当たりました。
米海軍は、ロナルドレーガンへの交代と共にイージス艦の近代化と増勢を継続、更に沿海域戦闘艦の日本配備を決定しており、更に空母航空団へは遠からずステルス性を有する画期的な新世代戦闘機であるF-35C戦闘攻撃機の配備が開始されるでしょう。アメリカは我が国やその周辺諸国とともに西太平洋の海洋の自由を守るステイクホルダーとしての責務をこうして果たしています。
北大路機関:はるな
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