■どうなる!?未来護衛艦の設計
むらさめ型以外の話題の記事を云ってしまえば3900t型護衛艦の特落ち記事を勘違いしただけなのですが。
護衛艦の自動化はどこまで進むか。先日、日本経済新聞が"海上自衛隊が募集難により護衛艦の四割を省力型に置き換える"という話題をみまして、なにしろ2021年の記事でしたので、いよいよ護衛艦むらさめ型を置き換えるのか、と早合点、くまの型護衛艦、暫定的に3900t型をこう呼んでいるのですが、これと併せ大量建造が豪勢だな、と思ったものです。
日本経済新聞2021年1月13日付0200時の記事にて"防衛省は2030年代前半までに護衛艦の四割を半分程度の乗員で運用できる護衛艦に置き換える"という。四割というと、護衛艦定数は50隻台ですので概ね20隻、つまり護衛艦隊の護衛隊群を構成する汎用護衛艦の置き換えを始めると解釈し、日本は本気を出してものすごい建艦競争を始めるものだ、と。
くまの型護衛艦。いや旧海軍でも陽炎型駆逐艦の陽炎が撃沈されたあとには二番艦の名を冠して不知火型と呼んだともいいますので、暫定的でありつつ、早く一番艦進水式と命名式の挙行を期待したいものですが、閑話休題。考えてみれば日本経済新聞の示す省力型護衛艦とは、くまの型を示しているのでしょう、乗員90名となっています。凄いと思う。
あさぎり型定員が220名、はつゆき型定員195名、くまの型の乗員はまさに90名で半減したこととなります。くまの型を小型護衛艦と誤解される方もいますが、当初の新しい護衛艦が基準排水量2000t規模を想定していた頃と異なり、大きい方が汎用性が高く経済的だとして、3300tへ、いや3500tがいいとなり、最終的に基準排水量3900tとなりました。
日本経済新聞では、なにしろ優秀な記者が多い新聞社ですので、まさか、3900t型護衛艦の大量生産は平成30年防衛大綱に明記されているものを、特落ち三年でいま、例えば"護衛艦にF-35Bを搭載へ!"というような今更話題を掲載するとも思えませんので、早合点してしまったのですが、記事をみた際には大いに驚いたものでした、こういいますのも。
むらさめ型護衛艦の後継艦が乗員を半減させて建造されるものだ、と早合点したものですから驚きは大きかった、何故なら護衛艦むらさめ型以降、護衛艦は大幅に省力化が進んでいまして、4400tの排水量に対し乗員は165名まで抑えられ、あさぎり型の3500t船体に220名の乗員を必要としていたものですから、むらさめ竣工は昔ちょっとした騒ぎでした。
しかし、そうしますと護衛艦は限界まで乗員を減らした場合、どの程度で運用できるのか、という疑問というか関心が沸き起こります、なにしろ早合点で、むらさめ型後継艦が乗員半分、と勘違いしたものですから基準排水量5000t以上の大型艦を乗員80名規模で運用できる、と非常に驚いたものです、技術はここまできたのか、というように驚きは大きい。
ズムウォルト級駆逐艦、アメリカ海軍の最新鋭駆逐艦で建造費が高騰し過ぎ3隻で建造終了となった駆逐艦は、満載排水量14797tの大型艦を106名で運用しています。この内航空要員は36名といい、艦そのものは70名で運用しているというので、頑張れば自衛隊も基準排水量5000tの護衛艦を80名で運用できるのでしょうか、満載排水量だと7000t規模だ。
タンカーなどは30名規模で運用しているので何とか出来るものではないか、と思われるでしょうが、護衛艦は、砲雷科、航海科、船務科、機関科、補給科、衛生科、飛行科、この7科が昼夜で運用できるよう3交代で運用していますので、乗員が仮に80名とすると、26名で3ローテーションを回さねばなりません、つまり各科3名から4名となる計算ですね。
砲雷科は1分隊を構成しますが、航海科と船務科で2分隊を構成、機関科は独自に3分隊を構成しますが、補給科と衛生科で4分隊、航空科が5分隊を構成しますので、5区分とすると、各科5名、とできるかもしれません。自動化と可能な限りAI人工知能での機械管理や見張り補助を行えば、各科5名で満載排水量7000tの艦を運用できるものなのか、と。
しかし難しいものでしょうか、戦闘準備が発令されますと、砲雷科だけで戦闘部署と艦内哨戒部署に対潜戦闘部署に対空戦闘部署及び対水上部署が発令されます、もちろん合戦準備が発令されれば、戦闘配置に就き、3交代を2交代として乗員を強化する事となりますが、2直体制で各科7名、AIの補助が入っても各部署指揮官に部下をつけられない運用となる。
MQ-9無人偵察機のように、護衛艦乗員を最小限度とした上で、陸上の司令部から艦砲やレーダーの操作支援を行うという方法も未来にはあり得るかもしれませんし、ガイノイド型ロボットを数十機搭載し甲板掃除や船体塗粧と短魚雷装填や洋上補給の補助に充てるなど、今世紀中に実現するのかもしれませんが、まだまだ2030年代には間に合わなさそうです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
むらさめ型以外の話題の記事を云ってしまえば3900t型護衛艦の特落ち記事を勘違いしただけなのですが。
護衛艦の自動化はどこまで進むか。先日、日本経済新聞が"海上自衛隊が募集難により護衛艦の四割を省力型に置き換える"という話題をみまして、なにしろ2021年の記事でしたので、いよいよ護衛艦むらさめ型を置き換えるのか、と早合点、くまの型護衛艦、暫定的に3900t型をこう呼んでいるのですが、これと併せ大量建造が豪勢だな、と思ったものです。
日本経済新聞2021年1月13日付0200時の記事にて"防衛省は2030年代前半までに護衛艦の四割を半分程度の乗員で運用できる護衛艦に置き換える"という。四割というと、護衛艦定数は50隻台ですので概ね20隻、つまり護衛艦隊の護衛隊群を構成する汎用護衛艦の置き換えを始めると解釈し、日本は本気を出してものすごい建艦競争を始めるものだ、と。
くまの型護衛艦。いや旧海軍でも陽炎型駆逐艦の陽炎が撃沈されたあとには二番艦の名を冠して不知火型と呼んだともいいますので、暫定的でありつつ、早く一番艦進水式と命名式の挙行を期待したいものですが、閑話休題。考えてみれば日本経済新聞の示す省力型護衛艦とは、くまの型を示しているのでしょう、乗員90名となっています。凄いと思う。
あさぎり型定員が220名、はつゆき型定員195名、くまの型の乗員はまさに90名で半減したこととなります。くまの型を小型護衛艦と誤解される方もいますが、当初の新しい護衛艦が基準排水量2000t規模を想定していた頃と異なり、大きい方が汎用性が高く経済的だとして、3300tへ、いや3500tがいいとなり、最終的に基準排水量3900tとなりました。
日本経済新聞では、なにしろ優秀な記者が多い新聞社ですので、まさか、3900t型護衛艦の大量生産は平成30年防衛大綱に明記されているものを、特落ち三年でいま、例えば"護衛艦にF-35Bを搭載へ!"というような今更話題を掲載するとも思えませんので、早合点してしまったのですが、記事をみた際には大いに驚いたものでした、こういいますのも。
むらさめ型護衛艦の後継艦が乗員を半減させて建造されるものだ、と早合点したものですから驚きは大きかった、何故なら護衛艦むらさめ型以降、護衛艦は大幅に省力化が進んでいまして、4400tの排水量に対し乗員は165名まで抑えられ、あさぎり型の3500t船体に220名の乗員を必要としていたものですから、むらさめ竣工は昔ちょっとした騒ぎでした。
しかし、そうしますと護衛艦は限界まで乗員を減らした場合、どの程度で運用できるのか、という疑問というか関心が沸き起こります、なにしろ早合点で、むらさめ型後継艦が乗員半分、と勘違いしたものですから基準排水量5000t以上の大型艦を乗員80名規模で運用できる、と非常に驚いたものです、技術はここまできたのか、というように驚きは大きい。
ズムウォルト級駆逐艦、アメリカ海軍の最新鋭駆逐艦で建造費が高騰し過ぎ3隻で建造終了となった駆逐艦は、満載排水量14797tの大型艦を106名で運用しています。この内航空要員は36名といい、艦そのものは70名で運用しているというので、頑張れば自衛隊も基準排水量5000tの護衛艦を80名で運用できるのでしょうか、満載排水量だと7000t規模だ。
タンカーなどは30名規模で運用しているので何とか出来るものではないか、と思われるでしょうが、護衛艦は、砲雷科、航海科、船務科、機関科、補給科、衛生科、飛行科、この7科が昼夜で運用できるよう3交代で運用していますので、乗員が仮に80名とすると、26名で3ローテーションを回さねばなりません、つまり各科3名から4名となる計算ですね。
砲雷科は1分隊を構成しますが、航海科と船務科で2分隊を構成、機関科は独自に3分隊を構成しますが、補給科と衛生科で4分隊、航空科が5分隊を構成しますので、5区分とすると、各科5名、とできるかもしれません。自動化と可能な限りAI人工知能での機械管理や見張り補助を行えば、各科5名で満載排水量7000tの艦を運用できるものなのか、と。
しかし難しいものでしょうか、戦闘準備が発令されますと、砲雷科だけで戦闘部署と艦内哨戒部署に対潜戦闘部署に対空戦闘部署及び対水上部署が発令されます、もちろん合戦準備が発令されれば、戦闘配置に就き、3交代を2交代として乗員を強化する事となりますが、2直体制で各科7名、AIの補助が入っても各部署指揮官に部下をつけられない運用となる。
MQ-9無人偵察機のように、護衛艦乗員を最小限度とした上で、陸上の司令部から艦砲やレーダーの操作支援を行うという方法も未来にはあり得るかもしれませんし、ガイノイド型ロボットを数十機搭載し甲板掃除や船体塗粧と短魚雷装填や洋上補給の補助に充てるなど、今世紀中に実現するのかもしれませんが、まだまだ2030年代には間に合わなさそうです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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