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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

愛について考えを深める・・・真夏の勝五郎の生まれ変わり探索(10/10 五感とストレス解消の生活)

2021-07-30 | 第九章「愛」

ビックワードは余り使わない方が良い・・・そんなことを社会人になってから先輩にいわれたりしたが、今は平気で愛とか慈愛といった言葉を使っている。しかし、当然ビックワードなので、その意味付けは人それぞれであり、場合によりその言葉を使うことで混乱を招く事もあるので注意が必要なことは確かだと思う。しかし、他者以上に、自分の中でも愛の意味は生育史の各局面で親をはじめとし色々と学んでモザイク状のイメージになっているようである。そして、愛は自分のバックボーンを支えている大事な言葉なので、人生の変曲点でその意味のゆらぎが大きな影を落としたりすることもあるようだ。

「生き甲斐の心理学」を学び始めると、愛といっても自己愛があったり、人を健全に成長させる愛もあったりとさまざまな愛(愛のようで愛でないもの)があることが分かってくる。もちろん、宗教や哲学、文学などでもいろいろ語られ、いろいろ思索することで人生を豊かにしていくと思う。先日も引用した「愛と心理療法」(M.スコット・ペック著、訳 氏家寛・矢野隆子 創元社1987年)でも、読むたびに愛について新しい発見があるようだ。その本の中の愛の定義はつぎである。「愛とは、自分自身あるいは他者の精神的成長を培うために、自己を拡げようとする意思である」。なかなか蘊蓄のある定義で、この暑い夏に考えると暑さを忘れることができるかもしれない(笑)。

さて、私はこの数日、八王子市の市民講座で矢口祥有里先生から学んだ、江戸時代末期の勝五郎さんの生まれ変わりについていろいろ思索し、そのゆかりの地を時間をかけて散策した。勝五郎さんは、初めに今の日野市程久保に藤蔵として生まれ、疱瘡で6歳の時に夭折するが、12年後に程久保の近く(4-5Kmか?)の八王子市東中野に生まれ変わる。生まれ変わった勝五郎は少年時代に、生まれる前の記憶を持っていたことで、程久保の家との交流が生まれたり、やはり疱瘡で娘を亡くした江戸の学者の冠山や平田篤胤などがその詳細を報告したり、後日にはラフカディオハーンが世界に広めたりし有名になった。生まれ変わりの現象を当時の一流の学者が記録したのは世界でも初めてだったようだ。勝五郎が程久保の家を訪れ、もう二度と会えないと考えていた養父と楽しい時間を過ごしたりした記述を読むと、親子の愛とか、神仏の愛とかをいろいろ考えてしまう。特に今はコロナ禍。時代は異なるが突然大切な人を亡くすという伝染病の悲劇と愛の関係。何とも言えない深い世界を垣間見る気がする。

冒頭の写真は勝五郎の生家に近い愛宕神社のそばの丘から撮った丹沢方面の写真。丹沢の最高峰蛭ヶ岳が見える。

東中野の風景、勝五郎の本家の近く。

勝五郎の生家やお墓は多摩ニュータウンの開発で移転されたそうだ。そばには縄文時代中期のTN448遺跡があり、今は住宅地ですが、5000年前には環状集落があり100人位住んでいたようだ(因みに拙書、縄文小説「森と海と月」の舞台の一つ)。勝五郎の生家は東中野小学校の前身の小学校として移築され、お墓は近くの永林寺に移されたそうだ。

生まれ変わる前の藤蔵の生家のそばの程久保川。下は生家の前の程久保六地蔵など。

五感で勝五郎を味わった散策でしたが、先の愛の思索を深めることで、このコロナ禍の夏にあって、自分の中で何かが統合されたようだ。そして、コロナ禍でどんどん変わる世界の中に不思議なオアシスを見いだしたような気になりました。

10/10 五感とストレス解消の生活

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