縄文土器などの遺物に驚くべき美を見つけたのは岡本太郎さんである。そして、日本でも縄文時代の国宝や重要文化財などが生まれ、多くの人がその美に魅せられるようになってきた。特に2018年の東博での「特別展 縄文ー一万年の美の鼓動」は35万人の来場者を数え縄文ブームを引き起こしたとよく言われている。しかし、私にとっては2014年の「日本国宝展 心ひかれる祈りのかたち」が一番強烈であった。ちょうどそのころ多摩の遺跡のストーンサークル見学会に行っており、私の縄文開花のきっかけの一つとなったのだ。日本国宝展では、祈りのかたちというテーマで、仏像、神像などが時代ごとに展示されていたが、縄文時代の5体の国宝土偶も展示されていて、その感動は忘れられない。美と祈りとの深い関係、しかも有史以前に遡ることを知った展示会であった。
さて、ウツと美。人によっては不思議な組み合わせだと思われ方も当然いらっしゃると思う。しかし、私にとっては生育史のいくつかの局面で美が大いに救けてくれていて、何の不思議も無い。私の高校から大学にかけては学園紛争の時代。今のコロナ禍での学生さんの受難もわかるが当時も結構大変な時代であった。そんな中で考えてみれば文学とか芸術に助けられた。夜明けの明星を見て深い感動を味わった時に読んだリルケの詩。今だったら「ウツに美」とピンときたが当時はただ感動しただけだった。
就職を控えた大学生最後の年も畑は違うものの、実験心理学につかった数理モデルの美しさに感動した。就職してからも関西での単身赴任生活。休みにはよくわからないものの京都や奈良の寺社仏閣を訪れた。50歳代になりNPOに関わるようになってからも、U先生の影響を受けて奈良や明日香周辺の散策で神社仏閣・教会、その背景の自然の美にどれほど助けられたであろうか。
私はカトリック信徒であるが日本の美には脱帽するばかりだ。
美の後ろには、信じて見える世界がある。慈愛というのだろうか愛というのだろうか。ウツの背後にある愛の孤独を癒すのは、慈愛や愛を想起させる美が大きな働きをするのだと思う。
9月11日。東博で聖林寺の十一面観音像を見に行く予定だ。明日香には何度も行ったが不思議なことに聖林寺の十一面観音像をまだ見てなかった。O氏も勧める観音像で行かねばと思い立った。コロナのウツを吹き飛ばしに行こう。
9/10 宝のストレス曲線
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