物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

かけ算の意味がわからない子ども

2024-12-01 15:23:07 | 数学
昨日は土曜日だったので、ただ塾の先生に出かけた。

今日は首ねっこをつかまえたような感じで生徒さんに対応したので、途中で原因はわからないが胃がしくしくと痛んだ。

家に帰ってからもしばらく痛んだが,照明を消して暗くして、FMのラジオで音楽を聞いていたら、いつの間にか痛みは止まっていた。

夕食の話題はただ塾の生徒さんが話を聞いてくれたかという話を妻が聞いてくれたので、むりやり教科書の問題を読ませて考えさせたと言ったら、塾に来た子どもで掛け算の意味がわからなかった子がいたという話をしてくれた。

本人に責任があるという風には考えなくて、教え方の問題であると考えていると妻は言う。もしそこらあたりから数学のわからなさが起因しいているとすれば、かなり重症である。

大抵の子どもは本当によくわかっているかどうかはわからないが、なんとかかけ算の意味を了解して使いこなせるようになるのだが、そういう子どもばかりはないということである。

世の中に少数だが、そういう子どもがいることは認識しておきたい。

妻によるとかけ算の意味がわからないのだから、割り算はもっと難しいのだと思うとのことであった。

かけ算の意味ががわからないと思っていた子どもさんも自分がわからないことで塾の先生に迷惑をかけたと思っていたようだという。

「本当はわからない子どもがわるいのではなく、そういう感覚を持つ子供はすぐれた感覚の持ち主なのかもしれないね」という結論に達した。

しかし、それに対する対策はなかなか思い当たらない。

普通には(一当たり量)の(いくつ分)ということでかけ算の意味を教えるのだが、そういう教え方が通用しない子どもがいるということを示しているのだろう。

(ある量)の(何倍)ということで教える先生もおられるだろう。

かけ算の意味はどうだったかを深く考えなくてはならないだろう。

私などは3+3+3=3*3などと教えられたが、そういう教え方ではない教え方が現在ではされていると思う。

しかし、わからない子どもにはいろいろな教え方で教えて見て一つでもなっとくできる方法があれば、いいのだが。

代数の基礎

2024-11-29 13:48:43 | 数学
代数の基礎とは、大層たいそれたタイトルのエッセイを書いている最中(「さいちゅう」と読んでください。まちがっても「モナカ」とは読まないように)だとは何回もこのブログで書いた。

本文はかなりできてきたので昨夜から図を少しづつ描き始めた。とはいっても図そのものは難しいものではない。ただ手間がかかるだけである。

そして、図の入力にはtikzを使っているので、いつもtikzの使い方を書いた文書を取り出してきて読むか、そうでなければ前のプログラムをそのままコピーしてきてそれを少しづつ変更して使っている。もっともそのためには変更して使えるのに、適当な図をどこに描いていたのかを探さなければならない。

昨夜もそういうファイルを見つけるという作業を何回行った。

この「代数の基礎」は12月23日発行予定の「数学・物理通信」14巻7号に掲載される。


高校時代の数学の教科書

2024-11-27 11:50:05 | 数学
高校1年のときの数学のテキストはあまりよくないもので、その上にあまり教え方のよくない数学の先生に数学を学んだために数学が嫌いになった(注)。

もちろん、だから数学がよくできるはずもない。先生は高校2年になってもかわらず教え方の下手なM先生だった。だが、2年の教科書は好学社の田島一郎先生の編集だった。これは1年のときの教科書と比べて格段によかった。

私は理系だと思っていたが、高校一年のときに数学がわからなくなって文系に進もうかと思っていた。しかし、2年の途中になって自分の性質として理系にもどった方がいいと判断した。

それで苦手な数学を何とかしたいと考え出した。そのときに父親が買ってくれたのが考え方で有名だった藤森良夫先生の学習参考書『解析の基礎』前、後、続編(考え方研究社)だった。この本と田島先生の2年の数学のテキストとは私の大切な本となった。

これらの本のおかげでようやく私は高校数学のわからなさから抜け出すことができた。しかし、相も変わらず計算が下手なこととかは私の本来もっている頭が鈍さからくることでなかなか計算上手にはなれない。

(注)これはこの先生が授業時間中に教科書に書いてあることしか板書せず、またハッとするようなある種のコツとかなるほどと思うようなことは一言も言わなかったからである。

その上に教科書はまた読むにも耐えないものであった。挙句の果ては三角関数の余角公式だとか補角公式だとかの還元公式と私が呼んでいる公式を記憶して使えるようになさいとまでこの先生は宣われた。

私にしてもはじめは先生の言う通り素直に丸暗記を試みたと思うが、覚えたときにはしばらくは記憶がもつが、ちょっとするとどの公式に負号がついており、どれにはついていないのかが混乱してきて覚えられないのである。

後で、藤森良夫先生の『解析の基礎』続編にはこれは角度がどの象限にあるかを図を描いて符号を決めるのであって、丸暗記するものではないと書かれてあった。

sinとかcosの中の偏角に+\pi /2がでで来ようと-\pi /2がでて来ようと、それらの奇数倍であれば、sinはcosにcosはsinに変化することだけ覚えて、前に付く符号は角がどの象限にあるかで決めるという。

またsinとかcosの中の偏角に\pi の整数倍があれば、sinはsinにcosはcosで関数は変化しないことだけ覚えて、前に付く符号は角がどの象限にあるかで決めればよいという。

もちろん、cosは第1,4象限が正であり、第2,3象限は負であるとか、sinは第1,2象限で正であり、第3,4象限で負であることは覚えておかなればならない。

しかし、このことはcosとかsinの定義 cos \theta=x/rとsin \theta=y/rを知っていれば、すぐにcosとかsinの各象限での符号はすぐわかることで棒暗記する必要はない。



2次関数の平方完成

2024-11-26 12:29:10 | 数学
2次関数の平方完成を恒等式変形の1種として紹介することにした。もっともこれは「代数の基礎」というタイトルのエッセイの付録に書こうとしている。

もう一つは題材は単振動の合成についてである。こちらも恒等式変形の1種として同じエッセイの付録に載せるつもりである。こちらにも1=a(1/a)という技巧が使われている。

これらは主な話の筋の本文に載せるのははばかられるので付録にしている。この付録には恒等式の変形ルールの図示も載せようと思っているが、なかなか図を描くのがおっくうである。難しい図ではないのだが。

すでに「2次式と平方完成」というエッセイでは以前に2次関数の平方完成を図示したこともある。

昨夜書き加えた恒等式の変形では同類項をまとめる(同類項を簡約する)もある。また移項という考えも方程式の変形に関して説明をここに書いておいた。

さて今日は何をする

2024-11-25 10:19:18 | 数学
さて今日は何をする。前に書きかけていた「代数の基礎」というエッセイを書き続けることにしようか。

眼の使い過ぎによってめまいを起こしたので、その執筆を中止していたのだ。あれから1週間と数日経ったのでようやく通常に復帰して感じがする。もっとも、これは数学ミニマムと題するファイルに手書きのメモが眠っているのを最近見つけた。

それとただ塾の生徒さんの学習資料として書いたものとを融合しようとしている。

「代数の基礎」とはたいそれたタイトルだが、まあ許してもらうしかない。



球面三角法の公式の導出

2024-11-24 22:01:31 | 数学
球面三角法の公式の導出が少しづつ頭に入り始めている。完全に頭に入ったというまでにはまだなっていないが。

昨晩、インターネットのサイトからプリントした文献を読んでいて少しづつ頭に入りそうになってきた。

いまのところは余弦法則と正弦法則である。頭に入りそうなのは。他の法則にはまったくまだ手が届かない。

一つは平面三角法を用いた導出であり、もう一つはベクトル代数を用いた導出である。

球面三角法の現代的な導出も一つではない。私の知る限り少なくとも2つはある。私としては発見法的な導出を知りたいと思っているが、それはどこにも書かれたものをまだ読んだことがない。

(2024.11.26付記)最近ネットで見た球面三角法の導出の説明での参考文献にアラビア語とラテン語の文献があるらしい。これはドイツの出版社が出版している書籍らしいが、もしアラビア語ならまったくちんぷんかんぷんだし、ラテン語も読めない。もっともラテン語ならこれからでも学んで読めるようになることも不可能ではないかもしれない。

昔の知己の山本義隆さんはラテン語を予備校勤めの傍ら学んだとかどこかに書かれているのを読んだが、さてはて、そういうことまでできるかどうかはわからない。

比とは比の値のこと

2024-11-23 16:41:33 | 数学
土曜日、恒例のただ塾を終えてほっと一息ついたところである。

毎土曜日に何を教えるかにいつも苦労している。今日は比ということについて「比とは比の値のことだ」との和達清夫さんの中学校時代の数学の先生の話を述べた。

例えば a:b=c:d は、すなわち、a/b=c/d である。いつまでも a:b=c:d を使い続ける理由がわからない。 a:b=c:d には等式の性質は使えないのである。昔から「内項の積は外項の積に等しい」、すなわち ad=bc という等式を使うが、この性質の由来ははっきりとは示されない。

日本では「比とはなんだ」ということについてあやふやである。数学教育の権威であった遠山啓先生でもなかなか割り切った論説を書かれていない。もちろんそれはそれなりの理由があろうが。

その点で「比とは比の値のことだ」と教えた、和達清夫さんの数学の先生の卓見を貴ぶ。今年(2024年)の7月に亡くなった武藤徹先生も『新しい数学の教科書』II  図形編(文一総合出版)p.154で
 a:b=c:dはa/b=b/dとまったく同じことです
と書かれているが、さてはて他の数学の書ではどう書かれているのだろうか。

私の体験によるとドイツではa:bは日本の割り算の意味に使われているということを知っている。もっともヨーロッパでも他の国で同じようであるのかどうかはわからない。


積分記号下での微分による積分

2024-11-22 16:09:06 | 数学
積分記号下での微分による積分についてはこのブログでも何回も書いた。

この積分法のことをFeynmanの積分法と題してこのブログに書いたところ、場の量子論の大家のN先生に積分記号下での微分による積分はFeynmanの考え出したものではないとのお叱りを受けた。

そのお叱りはまったく正当なのだが、ちょっと『ご冗談でしょう、ファインマン』を読んだ後だったので、それに悪乗りをしてしまったきらいはあった。

ストロガッツの本にもその方法に触れた例があるとここブログで書いたこともある。Woodsの本がFeynmanの学んだ元の本だった。そこで一度そのWoodsの本のその箇所をよく読んでみたいと考えている。

該当箇所は20数頁らしいのであまり根気の続かない私でも読めるのではないかと思っているのだが。果たしてどうだろうか。

球面三角での余弦定理の導出

2024-11-21 13:37:50 | 数学
一昨日あたりからまた球面三角法への関心が復活している。インターネットを検索して見ると以前にはなかったサイトができている。

そのうちのいいサイトと思われるサイトを見つけたので、プリントしようしたのだが、このサイトはプリントできなかった。残念である。

他のサイトだが、スカラー積とベクトル積を用いた球面三角での余弦定理の導出があった。これだと余弦定理を現代風に比較的簡単に導出できる。

もっともベクトル代数の初歩だけは知っている必要があるのだが。

現代風な導出といっても一つではなく、少なくとも2つはある。上に述べたスカラー積とベクトル積を用いた導出はそのうちでもっとも簡単な導出法だと思われる。

私の知っているところでは平面三角法よりも球面三角法の方が歴史が古いという。その導出がどういうものだったのか興味津々だが、それについて述べたものはまだ私は見たことがない。

平面三角法の知識もなく現代的なベクトルの知識もなくどういう風に直に球面三角法の余弦定理や正弦定理を導いたのだろうか。



球面三角法

2024-11-20 13:15:54 | 数学
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昨日このブログで球面三角法が分らないと書いた。球面三角法についてはもう何年も前からそのレヴユーを書こうと資料というか文献を集めてきた。すでにこの分野のファイルを3冊もつくっている。

そして、そのうちの短いものは自分で読むことを試みてきた。そしてその一部を理解しても来たらしい。ただ、それが自分ですらすらと文献を見ないで再現できるほどになっているかと言うとそうはなっていない。

中学生を対象とした本に岩波書店から出版された『数と図形の話』(岩波科学の本)の中に「地球儀の幾何学」という章があり、私もこの章を2章か3章を読んでみたことがある。ところが最後まで読み切れていない。

今調べて見ると全体でわずか64ページであるのに読み通せていないのだ。この本を書いた著者がまえがきで書いておられるところでは実際に中学生の方に読んでもらって意見を聞かれているという。私はその中学生よりも知力が劣っているらしい。

もっとも私はまだあきらめたわけではない。いつか球面三角法の書を書いてみたいと思っている。

単に事実を事実であることを確認するといった普通の数学書が採用している、書き方には私は満足できないので、『四元数の発見』で採用したようなできるだけ発見的な見方で本を書けたらと思っている。ただそれは言うは易いが書くのはとても難しい。

気持ちは別として私の生きているうちにこのことを達成できない可能性も大いにある。


わからないことばかり

2024-11-19 11:57:05 | 数学
わからないことばかりと言っても世界の情勢が不可解だというような大所高所にたった話ではない。

私の数学のわからなさである。ベクトル解析がわからない、ベクトル代数はなんとかわかる気がするようになったが、ストークスの定理だとかガウスの定理だとかがまだわからない。

微分形式がわからない。球面三角法がわからない。線形代数がわからない。リー群がわからない。

一般の数学科で学ぶであろうような数学をわかることはもうとうの昔にあきらめているのだが、そういうことではなくて、自分に関係したことだけでもなんとかわかりたいという気が少しはしている。

なかなか仕事が進まない

2024-11-14 12:19:52 | 数学
「数学の基礎」というたいそれたタイトルのエッセイを昨日から書き始めたが、なかなか進まない。

これはボールペンで書いたメモを先日見つけて書く気になったエッセイである。それと先週の土曜日に生徒さんに話した内容を加味したエッセイである。

前のメモには四則の交換法則、結合法則、分配法則を図に表すことを考えていた。図のスケッチはしていたが、きちんとtikzで描いた図はもちろん用意されてはいなかった。このメモをいつ頃書いていたのかもわからない。

そういうこととは別だが、このメモには平方完成の話とかも書かれている。もっともそれを図で表すことはメモには描かれていない。この図も描くべきだろう。

それと平方完成の方法の動機もどこかに書いておくべきだろうが、このことを詳しく考察した論考をあまり見たことがない。掘り下げた考察が私にできるだろうか。

いわゆる単振動の合成とかも恒等式の式変形ということで述べておきたいと思っている。


ちょっと時間ができたので

2024-11-13 13:54:49 | 数学
ちょっと時間ができたので、恒等式と方程式の関係の私の知見をまとめようとしている。

これは以前に書いたメモを最近見つけたということもあるし、1週間ほど前に中学生君に話したこととも関係がある。

うまくまとまれば、「数学・物理通信」14巻の12月発行の号に掲載したいと考えている。

手書きのメモでは10ページほどもあるが、パソコン入力したら7~8ページであろうか。図も描きたいと考えている。

これは以前から考えていたことだが、和と積の演算での結合則と交換則、分配則とかを図で表すことを前から考えていた。これをあまり他では見たことがない。

もっともまったく例がないわけではなく、矢野健太郎『代数入門』(岩波全書)に私の考えているような図が前例としてはある。ほかではいろいろ文献を探せばあるであろうが、かなりよく調べないと見つけられないのではなかろうか。

もっとも数学を学んで行く途中で出会うような恒等式の変形についてもここで取り出して述べておきたいと思っている。

これらは高校数学をよくご存じの方々には珍しいことではないが、これらのついて再度注意を喚起しておきたいという気がしている。

こういう話はこのブログのようなところでは詳しく述べることができないのは残念である。

もっとも「数学・物理通信」のすべてのバックナンバーは名古屋大学の谷村先生のサイトで見ることができるので、今年の年末には全貌が明らかになるであろう。


恒等式と方程式

2024-11-09 10:26:18 | 数学
恒等式と方程式とは同じ等式だが、式の変形の原則はちがうことを知っておく必要があろう。

恒等式の式の変形の原則は
(1)交換法則 
(2)結合法則 
(3)分配法則
だけである。
式の展開では(3)分配法則を左から右へと適用するが、因数分解では(3)分配法則を右から左へと適用する。

こういうことは今まで考えたこともなかった。

一方、方程式の式の変形ではいわゆる等式の性質を使う。これはここに書くことは止めておこう。

難しくはないことだが、主格変換という考え方もある。これは一般に恒等式における方程式風の変換であるが、等式の性質を使っている。

ちょっと説明をすると距離 d と速さ v と時間 t との関係は d=vt である。この関係式を速さ v について解きたいとする。そうすると v=d/t としなくてはならない。また、距離 d を速さ v で行くに要する時間 t はt=d/v となる。

こういう変形は等式の性質によっているが、本来この式は恒等式である。



魔の金曜日?

2024-11-08 10:42:54 | 数学
また金曜がやってきた。本来私は教えたがりの性質だが、それでも最近は金曜は重たくなる。別に私の体重が重くなるわけではない。気が重たくなるということだ。

すいすいと勉強してくれれば、こちらも気分がよくなるのだが、そうではないので気分が重くなる。

それでも負けずに準備をして期待に応えることが必要である。第一私自身が60年くらい前には数学がわからなくて、お先真っ暗だったではないか。

そして、そのときには私自身はだれかの先生に直接教えられたのではなくて、学習参考書を読んで自分の高校数学のわからなさを時間をかけて、なんとか克服したのではあったが、そういう学習参考書も最近では適当なものを見つけるのが難しいかもしれない。

そういう意味では現在は選択肢は広がっているものの、それから何を選んだらいいのかが、却って難しくなっている時代なのかもしれない。