昨日「舞踏会の手帳」という白黒のフランス映画を見た。久しぶりにフランス語の美しい響きに触れた。これでもテレビとかラジオで数十年フランス語の入門コースを聞いているので、かなりの部分が明瞭に聞き取れたが、それでも1/3くらいだろうか。
話はクリスチーヌという女性が夫が亡くなったあとで、自分が社交界にデビューしたはじめての舞踏会のときの手帳を見つけて、そのときに「一生愛する」と囁いた男たちを訪ねてみるという話で、20年後の男達の実情にクリスチーヌは幻滅を味わう。
16歳のときに舞踏会で社交界にデビューして20年後のということだから、クリスチーヌはまだ36歳だが、湖に面したお城のような自宅に住んでいる。お話がどこかのものかはわからないが、どうもスイスかイタリアのコモ湖あたりの雰囲気である。
この映画は上映は愛媛大学の数名の教員の尽力で「愛大名画座」と称して、一月に一回ぐらい上映しているものの13回目だった。新聞にその内の旧知の一人古川先生の紹介が前にあったが、忘れてしまっていた。
ところが宇和川先生を訪ねたときに偶然古川先生に会って昨日の映画会の宣伝ビラをもらった。私のように言葉の勉強のために映画を見に行くというようなのは論外だが、映画はやはり一つの文化であろう。
いま大学は各教員に渡される研究費や旅費は数年前の1/3くらいになっている。それでもやりくりをして研究者は生き残りをかけているのだが、それも難しくなってくる。文化活動を支援するというだけではなくて学問の財政的な支援をどうやってするのか。一番の問題であろう。