『物理のための数学』(ベレ出版)を最近購入した。これは主としてベクトル解析の主要な定理である「ストークスの定理」、「ガウスの定理」についてどのように書かれているかを知りたいと思ってであった。
もちろんそのことについて書かれた章は読んだのだが、他の章も読んでみた。複素関数について書かれた6章とか7章も読んでこの短いページの中に複素関数のことをうまく要約して書かれていることを知った。
それに続いて、昨夜11章、12章も読んでみた。これは私もよく知っているはずの量子力学に関した章である。うまくこの2章に複素数を行列要素とするベクトル空間とかヒルベルト空間へのいざないとかを書かれているのだが、ある種の衝撃を受けた。
これはそれらの事実を私が知らなかったということではない。そうではなくて、そういう解説があればいいのだなという実感である。それであまりいままで読んだことがなかった、今村勤『物理と行列』(岩波書店)を読む気が起きた。
こういう気が起きたのは私には『物理のための数学』のこの11章、12章を読んだためであり、ある種の衝撃を私に与えてくれた箇所である。まだ13章のフーリエ変換の章は読んでいないが、最近ではいい意味の衝撃を与えてくれた書である。
もっとも、こういう感じ方はその人その人によって違うので私がある種の衝撃を受けたからといって、他の人が読んで衝撃を受けたり、感動したりするとは限らない。これは当然のことであろう。