flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

西国へ

2008-12-12 22:30:35 | 漂い紀行

 雨上がりの濃い霧の中を西に向かった。
 新幹線での岡山以西は初めてである。広島を過ぎると、閑散とした車内になる。そして、すれ違う新幹線も4両、6両といった単編成が多くなる。新下関を過ぎると、間もなくして海底トンネルをくぐり、陸上からは初の九州入りとなった。
 「はよ乗らんといかんですよ」 「…したとですか~」…西国に入ったのだ。
 小倉を過ぎ、暫し田園を走ると、西国最大都市福岡博多に到着した。思いのほか狭い構内の博多駅は、九州新幹線開通準備のためか、駅ビル工事がされていた。その下を、かもめ号が入線してきた。各地の濃霧のため、やや遅れているようだった。白いかもめ号(885系電車)の車内は、板貼りの床、革張りの座席で重厚感がある筈なのだが、新幹線の後に乗ると、いささかオモチャのように感じてしまうのであった。
   
 更に西に向かい、佐賀平野を走る車窓からは、静かそうな集落が見える。海抜が低いのか、時折灰色の水たまりのようなものが見えた。そして、霧に覆われた有明海が現れ始めた。辺りは河川が運んだ堆積土砂であるため、何か大きい構造物を築く際には、しっかり潮抜きをして、深い地層からの基礎工事が必要であろうと感じた。更にトンネルを抜けると、辺りが暗くなった。空は曇天、霧が深く、干潟も灰色…その霧の流れ具合が、大河ドラマの一シーンように不自然に見えた…。
 
 午後一時過ぎに遅れての長崎到着。市電に乗り、まず平和会館、歴史民俗資料館、原爆資料館、原爆死没者追悼平和祈念館、浦上天主堂、平和公園、原爆落下中心地などに足を運んだ。
 

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