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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行100座登頂を振り返って

2020-08-02 16:11:58 | 北海道低山紀行 & Other

 この度、私が一つの目途としていた北海道内の低山を中心にして100座の登頂を達成することができた。登山については全く素人だった(今もそうだが)私がおよそ10年間かけて一つの目標を達成することができ充足感に浸っている。その10年、100座を振り返ってみたい。

 現職時代、私はほとんど登山には関心がなかった。

 それが退職後、札幌に転居してきて第二の職場も終えた平成22(2010)年、何か体を動かすことは?とあれこれ考えを巡らすうちに、身近な山に登ってみよう!と思い立ったのが始まりだった。

 初めは「札幌近郊低山紀行」と称して、札幌の近隣にある標高の低い山を中心に登っていた。登っているうちに登山の良さ、面白さに気付き始め、自分一人ではなく札幌市内で開催される集団登山にも参加し始めた。また、年に一度開催される退職組織のレクリェーション登山で、大雪山や十勝連峰の縦走も体験し、ますます登山に嵌っていった。

 そのうちに北海道新聞刊行の「夏山ガイド」の札幌・小樽近郊の山のほとんどを登りつくしてしまった。まだまだ元気だった私は、自分自身のプロジェクトを「札幌近郊」から「北海道」に名称替えして、目標を北海道内に置き換えて100座登頂を心密かに目指すことにした。

 以来10年、先日の「目国内岳」を登頂することによって目標の100座登頂を果たすことができた。私が登頂することができた100座をまとめてあるので、ここに掲載してみる。

◎北海道低山紀行 登山記録

           ※ 数字は標高(小数点以下省略)、〈〉内は標高差を表す 

№ 1. 藻岩山(旭山記念公園)531m〈231m〉   ‘10/06/09

№ 2. 八剣山(南口ルート)498m〈288m〉      ‘10/06/13

№ 3. 五天山 304m                 ‘10/06/19

№ 4. 円山(大師堂口ルート)225m        ‘10/07/09

№ 5. 砥石山(小林峠ルート) 862m〈516m〉      ‘10/08/03

№ 6. 朝日岳 598m〈298m〉                 ‘10/09/11

№ 7. 夕日岳 594m〈300m〉              ‘10/09/11

№ 8. 定山渓小天狗岳 765m〈445m〉          ‘10/10/07

№ 9. 青山(白川市民の森)530m             ‘10/10/14

№10. 三菱山(盤渓市民の森)482m         ‘10/10/14

№11. 銭函天狗山 536m〈417m〉              ‘11/05/26

№12. 神尻居山 946m〈650m〉               ‘11/06/04

№13. 手稲山(平和の滝ルート)1,023m〈774m〉‘11/07/02

№14. 赤岳(大雪山)2,078m〈580m〉      ‘11/07/30

№15. 北海岳(大雪山)2,149m         ‘11/07/30

№16. 黒岳(大雪山)1,984m〈474m〉      ‘11/07/30

№17. 塩谷丸山 629m〈579m〉          ‘11/09/16

№18. 遠藤山 735m                  ‘11/09/16

№19. 天狗山(小樽)532m               ‘11/09/16

№20. 樽前山 1,041m〈363m〉           ‘11/09/25

№21. 風不死岳 1,102m〈445m〉            ‘11/09/25

№22. 神威岳 983m〈733m〉            ‘12/06/26

№23. 下赤岩山(小樽)279m           ‘12/07/18

№24. 赤岩山(小樽)371m           ‘12/07/18

№25. 旭岳(大雪山)2,291m〈690m〉      ‘12/07/31

№26. 間宮岳(大雪山)2,185m         ‘12/07/31

№27. 中岳(大雪山)2,113m          ‘12/07/31

№28. 尻別岳 1,107m〈457m〉                    ‘12/10/09

№29. 野牛山 539m                    ‘12/10/14

№30. 八剣山(中央口ルート)498m       ‘12/10/19

№31. 紋別岳 865m〈576m〉           ‘13/05/24

№32. 定山渓天狗岳 1,144m〈755m〉           ‘13/06/16

№33. 駒ケ岳(馬の背)902m〈415m〉       ‘13/06/21

№34. 藻岩山(慈啓会ルート)531m〈440m〉    ‘13/07/18

№35. 藻岩山(市民スキー場ルート)531m    ‘13/07/22

№36. 藻岩山(小林峠ルート)531m        ‘13/07/26

№37. 上富良野岳 1,893m           ‘13/07/31

№38. 上ホロカメットク山 1,920m〈650m〉    ‘13/07/31

№39. 十勝岳 2,077m〈1,147m〉       ‘13/07/31

№40. チセヌプリ(神仙沼)1,134m〈383m〉  ‘13/09/21

№41. 藻岩山(北の沢ルート)531m        ‘14/05/08

№42. 春香山 906m〈770m〉            ‘14/07/25

№43. 空沼岳 1,251m〈884m〉             ‘14/08/03

№44. 羊蹄山 1,898m〈1,450m〉        ‘14/08/30

   

№45. 三角山~奥三角山縦走 311m~354m      ‘15/01/15

№46. 札幌岳 1,293m〈895m〉         ‘15/06/14

№47. 迷沢山 1,005m〈596m〉         ‘15/08/23

№48. 余市岳 1,488m〈303m〉         ‘15/08/30

№49. 無意根山1,464m 〈1,085m〉      ‘15/09/06

№50. イチャンコッペ山 828m〈495m〉     ‘15/09/23

№51. 藻岩山全コース一筆書縦走 531m      ‘15/10/18

№52. 藤野富士(冬)651m〈329m〉      ‘15/12/13

№53. 盤渓山(冬)604m〈334m〉       ‘16/01/14

№54. アポイ岳 810m〈740m〉         ‘16/05/06

№55. 吉田岳 825m              ‘16/05/06

№56  黄金山 739m〈550m〉          ‘16/05/15

№57. 来馬岳 1,040m〈690m〉        ‘16/06/06

№58. オロフレ山 1,230m 〈310m〉      ‘16/06/06

№59. 徳舜瞥山 1,309m 〈610m〉       ‘16/06/19

№60. ホロホロ山 1,322m           ‘16/06/19

№61. 伊達紋別岳 714m〈※獲得標高735m〉   ‘16/07/01

№62. 稀府岳 702m〈513m〉            ‘16/07/01

№63.   砥石山(中ノ沢ルート) 862m〈616m〉   ‘16/07/12

№64. 喜茂別岳 1,176m〈337m〉         ‘16/08/04

№65. 豊平山 662m〈410m〉            ‘16/08/12

№66. 恵庭岳 1,319m〈1,010m〉          ‘16/09/22

№67. 蝦夷松山 667m〈477m〉        ‘17/05/31

№68. 恵山 617m〈373m〉             ‘17/06/01

№69. 海向山 569m〈325m〉                               ‘17/06/01

№70. 礼文岳 489m〈485m〉            ‘17/06/16

№71. 利尻山 1721m〈1,509m〉          ‘17/06/18

  

№72. 室蘭岳 911m〈506m〉                ‘17/07/06

№73. カムイヌプリ 750m〈496m〉       ‘17/07/06

№74. 仁頃山 829.2m〈554m〉       ‘17/08/14

№75. 雌阿寒岳(オンネトー) 1,499m〈854m〉‘17/08/15

№76. 雄阿寒岳 1,370m〈955m〉                   ‘17/08/16

№77. 昆布岳 1,045m〈790m〉              ‘17/09/04

№78. ニセコアンヌプリ 1,308m〈558m〉         ‘17/09/05

№79. 南暑寒岳 1,296m〈756m〉               ‘17/09/17

№80. シャクナゲ岳(長沼コース)1074m                  ‘17/10/16

№81. イワオヌプリ 1,116m〈366m〉     ‘17/10/17

№82. 写万部山499m〈358m〉          ‘19/04/30

№83. 横津岳 1,167m〈250m〉         ‘19/04/30

№84.  御殿山〈函館山〉334m〈278m〉      ‘19/05/01

№85.  当別丸山 482m〈442m〉                      ‘19/05/02

№86. 烏帽子岳 1,078m〈303m〉       ‘19/05/03

№87.  手稲山(乙女の滝ルート)1,023m〈913m〉‘19/06/06

№88.  美利河丸山674m〈455m〉        ‘19/06/14

№89. 黒松内岳 740m〈549m〉                            ‘19/06/15

№90. 朝里天狗岳 683m〈298m〉       ‘19/07/07

№91.  盤渓山〈夏〉604m〈334m〉        ‘19/07/12

№92. 北広山 487m〈202m〉         ‘19/07/16

№93. 八剣山(西口ルート)498m〈258m〉      ‘19/07/28

№94. 斜里岳 1,547m〈862m〉       ‘19/08/14

   

№95. 西別岳 799m〈465m〉                          ‘19/08/15

№96. ピンネシリ 1,100m〈800m〉      ‘19/10/01

№97. 白旗山 321m〈206m〉             ‘20/05/14

№98. 浦臼山 718m〈473m〉             ‘20/06/24

№99. 岩内岳 1,085m〈885m〉         ‘20/07/29

№100.目国内岳 1,220m〈560m〉       ‘20/07/30

  こうして並べてみると、面白いことに気づく。実は2008年には一つの山にも登っていないのだ。別に体調が悪かったわけではない。この年は、特にヒグマ出没のニュースが世間を騒がせたために、私が怖気づいてしまい山に向かう気力が失せてしまったことが原因である。ということで2008年を除くと、今年でちょうど10年間で100座に登頂したことになり、1年平均で10座の登頂を果たしたことになる。

 さて、「100座登頂といっても但し書きがある」と山旅日記で触れたが、それは純粋に100の違う山を登ったわけではないということである。つまり私の中では同じ山に登っても登山ルートが違えば一つの山としてカウントしてきたということなのだ。

 例えば、2010年8月に砥石山に登っているが、この時は「小林峠ルート」だった。そして2016年7月に「中ノ沢ルート」で同じ砥石山に登っている。私はこれを二つの山に登ったことにしてカウントしているということなのだ。同じような例は、藻岩山、八剣山なども同様である。また、唯一の例として盤渓山は夏と冬に登頂しているが、これも条件が違うということで二つの山としてカウントしている。というように純粋に100の山の登頂を果たしたということではないということなのだ。しかし、私が何か記録を狙っているとか、他に誇るというようなことではなく、あくまで自分の中で目標としていた登頂数に達したということなのだ。そのことに対して今は充足感に浸っているのだ。

 登頂した100座はそれぞれの想い出を私の中に残してくれた。その中でも特に印象に残った山を挙げよ、と言われたとしたら、その山容、スケールの大きさから①羊蹄山、②利尻山、③斜里岳を挙げたい。この三つの山は決して低山ではなくスケールも大きく、困難を極めながらの登頂だったが、幸い天候にも恵まれ、眺望を楽しむことのできた山々でもあった。

 

なぜ山に登るのか?

 さて100座登頂を終えた今、初心者ながらこの命題について考えてみたい。

 有名な登山家マロリーは「そこに山があるから」という有名な言葉を残したが、私はいつも山に登りながら「山は誰に対しても平等ではないのか」ということを感じながら登っていたような気がしている。山は老若男女誰に対しても、金持ちの人もそうでない人に対しても、また地位のある人も無い人に対しても、全ての人に対して平等であると思う。例えお金を積んだとしても山登りが楽になることなどない。偉い人だからといって誰かが助けてくれるわけでもない。誰もが自らの足で一歩一歩登山道に歩みを刻み続けながら、頂きを目ざさねばならない。その平等性こそが魅力なのではないかと思っている。

 私が登山を始めて4年目のとき、札幌市の「山遊会 ル・レラ」というグループが主催する「定山渓天狗岳」登山会に参加したことがある。私のレベルでは非常に難しい山だったが山遊会の方々のサポートを得てなんとか登頂を果たしたことがあった。私が後日、山遊会のリーダーに感謝のメールを送ったところ、返信メールをいただいた。その中に「登山はインテリのスポーツです。これからも続けてください」というメールをいただいた。

 私はその後、山に登るたびにこの言葉について反芻したのだがよく意味が分からずにいる。敢えて考えれば、苦しく辛い登りに耐えて、その後に待っている充足感を得ることを知っているような人はインテリといえる、ということなのだろうか?

 ともかく登山は、体力に余裕のある人は速さを競うようなことがあってもいいだろう。しかし、体力の衰えた私たち世代はゆっくり、ゆっくり一歩ずつ、自分のペースで頂きを目ざす。それぞれのペースで頂きを目ざせばよいのだ。どのような登り方も登山の楽しみを感得することができるのが登山の良さだと思う。

 しかし、最近はその体力にも限界を感じ始めたのが正直な気持ちである。一応の目標を達成することができた今、今後はできる範囲内でゆっくりと楽しみその数を少しでも増やすことができたらいいなぁ、と思っている。