国際的な彫刻家として活躍したイサム・ノグチが基本設計をした公園として知られる「モエレ沼公園」は、新しい形の公園である。広大な敷地の中に点在する数々のモニュメントや施設は札幌の新しい顔として定着したといえるだろう。
「札幌でしかできない50のこと」の登録№003は「モエレ沼公園」である。
※ モエレ沼公園の全体図です。モエレ沼に囲まれるようにして公園が造成されています。
この新シリーズ「札幌でしかできない50のこと」に取り組み始めて、以前に訪れたことのある場所や施設を再び訪れることによって、新たな視点から見ることが出来る機会を与えられたと感じている。この「モエレ沼公園」も自宅からけっして近くはないが、これまで何度も訪れていた公園だった。訪れた日(8月12日)はこの夏最高の気温(31.9℃)を記録した中、汗をふきふき貸自転車に乗って公園内を走り回った。
※ 公園入口のモエレ橋からモエレ沼と、その向こうにモエレ山を望んだところです。
モエレ沼公園を特徴づける一つが公園入り口近くに建つ「ガラスのピラミッド(HIDAMARI)」がある。高さ32.3mの総ガラス張り三角錐の建物は訪れた人の目を惹くに十分である。館内にはレストラン、ギャラリー、ショップ、公園管理事務所が入っており、またアトリウムは大きな空間が造られそこでは各種イベントが不定期で開催されている。(私も過去にコンサートを聴くために訪れている)
※ 全面ガラス張りの「ガラスのピラミッド(HIDAMARI)」です。
そして何といっても特徴的なのは、人工の山「モエレ山」である。モエレ沼公園が公園化する前は札幌市のゴミ捨て場だったという。その時の不燃ゴミと公共残土を積み上げて造成されたのが「モエレ山」である。標高62mの「モエレ山」は東区唯一の山であり、札幌では最も標高の低い山だそうだ。私は効率良く登ろうと直線に伸びている242段の階段を一気に登ったのだが、気温が高かったため汗が噴き出て困ってしまうほどだった。しかし、山頂に登ると周りに高いところがないため眺めは最高だった。
※ モエレ沼公園を象徴する一つ「モエレ山」です。
※ 前の写真の右側に回ると、写真のような直線状の階段があります。
※ モエレ山山頂からモエレ沼とガラスのピラミッドを見たところです。
※ 同じく山頂から、左からテトラマウンド、プレイマウンテン、アクアプラザ&カナールを望んだところです。
※ 同じく山頂からの光景で、野外ステージだそうです。
※ 同じく山頂から、遠くの山は手稲山、手前に「つどーむ」(札幌ドームではない)が見えます。
さらに私が特に気に入っているのが「プレイマウンテン」と「ミュージックシェル」である。「プレイマウンテン」は高さ30mとモエレ山ほど高くはないが、なだらかな丘陵を作っていて片面が花崗岩を用いて99段の観客席に見立てている。その底面中心部に「ミュージックシェル」を配して、大型の野外コンサートが可能な造りとなっている。機会があればこんな素晴らしい装置で野外コンサートを楽しんでみたいと思う。
※ ミュージックシェルのところから見た花崗岩の客席に見立てたプレイマウンテンです。
※ ミュージシャンや演者たちが準備をしたり、休んだりできる「ミュージックシェル」です。
その他、モエレ沼公園にはデザイン性豊かな、そしてユニークなモニュメント、施設が広い敷地にゆったりと配置されている。その間を埋める芝生が見事に管理されていて気持ちの良い空間が広がっている。
※ 「サクラの森」の遊具の一部です。
※ 「モエレビーチ」は子どもたちの夏の絶好の遊び場ですが、コロナ禍のため水が張られていませんでした。
※ 直径2mのステンレス鋼の円柱を三角に組み上げた「テトラマウンド」です。
この日は平日だったが、お盆休みに入っていたのだろうか?たくさんの家族連れが芝生の上で思い思いに楽しんでいたのが印象的だった。
「モエレ沼公園」のような芸術性豊かで、ユニークな公園が全国的にみて他にあるのかどうか知らないが、いかにも北海道らしい「モエレ沼公園」は間違いなく、北海道を、あるいは札幌を感じることができる素晴らしい公園である。
《モエレ沼公園概要》
〔住 所〕札幌市東区モエレ沼公園1-1
〔電 話〕011-709-1231
〔営業時間〕7時~22時
〔定休日〕 無休
〔駐車場〕 有(東側駐車場1,500台 その他もあり)
〔施設内容〕・ガラスのピラミッド ・海の噴水 ・サクラの森 ・モエレビーチ
・プレイマウンテン ・モエレ山 ・テトラマウンド ・ミュージックシェル
・アクアプラザ&カナール ・野外ステージ ・各種スポーツ施設