田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

講談師・神田山陽を聴いた!

2022-02-13 19:23:41 | ステージ & エンターテイメント

 昨日午後、講談師・神田山陽さんの新作「非現実の報告で」を聴いた。しかし…。残念ながら私はその良さを感得することができなかった…。

          

 昨日午後、かでるホールにおいて講談師・三代目神田山陽さんが8年ぶりの新作となる「非現実の報告で」と題する講談のネタ下ろし(初演)の独演会が行われ、講談など聴いたことがなくその良さもそれほど知ってはいなかったが、神田山陽さんに興味があり参加した。

 というのも今から20年も前のことだが、私は神田山陽さんの講談のさわりを聴いたことがあったのだ。彼は網走市の南ヶ丘高校の出身だったのだが、その南ヶ丘高校が創立80周年を迎えた時に式典のゲストとして招待されていた。当時の山陽さんは講談界の第一人者として全国的人気を誇っていた方だった。私は網走市の教育関係者の一人として式典に招待されていて、式典の中で山陽さんが活舌の良い講談を披露してくれたことを記憶に残していた。そうしたこともあり、もう一度山陽さんの講談を聴いてみたいと思ったのだ。

            

 その後山陽さんは2007年に突然のように講談界の第一線から身を引き、故郷の大空町に移り住んだことを聞いていた。第一線から身を引いたものの、道内のテレビやラジオには出演し活動を続けていたようだが、私は彼の活動についてはほとんど承知してはいなかった。

 さて、昨日のかでるホールであるが、キャパ521名というホールがほぼ満杯状態という客の入りで、多くの方が関心を持っていることが伺えた。

 聴衆の中には山陽さんと関わりのある講談師の方もいたようである。その一人旭堂南湖さんが舞台の様子をレポしているのでそれを借用させていただく。

「緞帳が上がると、板付きの山陽先生。丸坊主。鳴りやまない拍手。語り出したのは、身辺雑記からの物語。入れ子状になっている。講談的表現や古い洒落言葉、情景描写で物語を進めていく。2時間(15分休憩)のネタおろし。素晴らしかったです。『レモン』『鼠小僧とサンタクロース』のような笑いをふんだんに入ったものではなく、語り続け、物語を転がし続ける。聴き終えて全てが分かるものではなく、付録の冊子を読み、さらに索引を見て、三段返しでやっと山陽先生が伝えたかったことが分かるんじゃないかと、思います。勉強させていただきました」

とあった。講談の専門家が「聴き終えて全て分かるものではなく」と語っている内容を、何の素養もない私が理解できるわけがない。

 舞台の後方にはスクリーンが用意され、噺の接ぎ穂のように映像と音楽の演出があり、既成の講談とは一線を画しているようにも思えた。また、入場時には旭堂さんも “付録の冊子” と言っているように50頁ほどの立派な冊子が配布された。それは神田さんの今回の新作の構想ノートのようなものだった。しかし、鈍感な私はそれに目を通しても今回の「非現実の報告で」の良さを感得することはできなかった。

   

※ 入場時に渡された50頁におよぶ冊子です。

 舞台後、緞帳が上がり神田山陽さんが現れて、「久しぶりの舞台なのだから代表作を披露するところだが、私はそうしたことをヨシとしないところがある。ご理解いただきたい」という趣旨のことを述べられた。

 このことは彼が一線を退き、田舎へ移り住んだこととどこかで結びついているような気がしてならない。神田さんは “天才” とも称された講談師であった。彼は大衆におもねるようなことをヨシとせず、我が道を往く講談師なのかもしれない…。

《北京冬季五輪寸評》

 昨日のチームジャパンにとって最大の話題はやはりスキージャブ男子のラージヒルの小林陵侑選手の活躍だろう。1回目に首位につけてノーマルヒルとのダブル金メダルが期待されたが、2回目に惜しくも逆転を許したが見事銀メダルを獲得した。天晴れである。

 続いてスピードスケート男子500mの森重航選手の銅メダル獲得である。500mでは第三の男と目されていたが、見事に本番の強さを発揮し、三大会ぶりのメダル獲得となった。

 私だけでなく、カーリングファンを歓喜の渦に巻きこんだロコ・ソラーレの2試合連続しての逆転勝利は今後の試合展開にも期待を抱かせてくれる内容だった。これで予選リーグ3勝1敗と決勝トーナメントへの進出がかなり濃厚となったのではないか。今後の戦いぶりにも注視したい。

 今夜は深夜となるがスビートスケート女子500mに小平奈緒選手と高木美帆選手、郷亜里砂選手が登場する。小平選手のオリンピック2連覇は実現するだろうか?期待を込めて見守りたい。