自動運転システムの開発が進んでいることは聞いていたが、同時に私たちシニア向けの安全技術の開発も相当に進んでいることを知った。私が望んでいたこととは少し違った内容だったが、安全運転システムの今を知ることができた。
2月19日(土)の「道新みんなの終活フェア」で午前に行われた桜木紫乃氏の特別講演会の様子はすでにレポしたが、私はこの日の午後行われた各種セミナーの中から、「高齢者と安全運転」というテーマに興味を抱き受講した。
セミナーはJAF(日本自動車連盟)札幌支部の方が「安全運転サポートカーの先進安全技術等について ~機能を知って、より安全・安心に~」と題して話された。
講師によると北海道内における自動車事故の件数は漸減傾向にあるとのことで、2020年度は7,891件だったとのこと。数年前には1万件を超えていたそうだから良い傾向である。その事故の中から65歳以上の事故の詳細をみてみると全体の6割近くが「前方不注意」、「操作不適」が原因となっているという。
そこでASV(先進安全自動車)の登場である。ASVは、ドライバーの「認知」、「判断」、「操作」を助けるシステムであるとされた。
※ ASV車のイメージ図とお考えいただくイメージ図です。
具体的には、現在の新しい自動車には次の6つのシステムが購入者の希望によって搭載されているという。
〈1〉衝突被害軽減ブレーキ
〈2〉ペダル踏み込み間違い時加速抑制装置
〈3〉車間距離制御装置(ACC)
〈4〉車線逸脱警報装置
〈5〉リアビークルモリタリングシステム
〈6〉自動切替型前照灯
以上のようなシステムが開発され、新しい自動車には搭載可能だということだ。特に(1)、(2)あたりは、最近の高齢者事故でクローズアップされている事故を未然に防ぐ装置として有効のように思われる。ところがとても残念なことが判明した。というのも、私がセミナーを受講しようとした動機は、高齢者の運転で気を付けねばならない点を指摘されたり、高齢者運転の危険性除去のための装置を紹介いただき、その機器の後付け方法を伝授していただけるものと思い受講することにしたのだ。しかし、セミナーは案に相違して「新しい機器の後付けは難しい」とのことだった。
※ 図は前方方向の衝突回避を避けるシステムの説明図です。
このことはとても残念なことである。私自身これから新車を購入するなどということは現実的ではない。いつ現在乗っている自動車をいつ手放そうかと考えている者にとってはあまり参考となる話ではなかったが、こうした技術の進歩によって自動車事故が減少していくことは歓迎すべきことである。
そういう意味では新たに知識を得たことは無駄ではあるまい。当面の私にとっては慎重の上にも慎重を期して運転するよう心掛けたい。
ちなみにASVとは、Advanced Safety Vehicleの頭文字を取ったものということだ。
※ 私が受講したセミナーの説明とは一部違いがありますが、ASVを理解しやすい図です。
※ 掲載した図は全てウェブ上から拝借したものです。