天狗山スキー場も朝里川温泉スキー場と同様に私にとってはいわく付きのスキー場である。私は今日、実に44年ぶりに天狗山スキー場を訪れ、スキーを楽しんだ(?)当初は良い日を選んだと喜んだのだが、結果としては最悪の日に天狗山に訪れたことになった…。
※ 天狗山スキー場の全体図です。旧コースの斜度が38度、新コースが40度だそうです。
例年以上に雪解けが早く進んでいるとメディアなどが伝えるので、内心少々焦っていた。私のスケジュールを睨みながら、なんとか今シーズン中に天狗山スキー場を訪れたいと思っていた。そこで本日(2月22日)、雪模様ではあるが「大した雪にはならない」と判断してスキー場に向かった。
リード文でいう「いわく付きのスキー場」とは、実は天狗山というとその昔、全日本スキー指導員検定の会場だったのだが、天狗山の急斜面は受検者たちにとっては「恐怖の急斜面」と恐れられ、語り草になっていたスキー場だったのだ。幸いなことに、私が受験した1979(昭和54)年からは会場が朝里川温泉スキー場に変更となり、私はその恐怖を味わうことなく指導員の資格を得た。無事に合格した後、「先輩たちが恐れた斜面を滑ってみよう!」と受験者仲間を誘って天狗山スキー場を訪れたのだが、噂に聞いた斜面を見て私たちは驚き、「こんな斜面で受験しなくて良かったぁ」と仲間内で胸をなでおろしたことを記憶している。
そうした思い出のある天狗山スキー場だが、ゲレンデに立ってみるとやはり天狗山スキー場は立っていた。雪は降ってはいるも、小雪状態で見通しも効いた状況だった。
※ 天狗山のスキー場の下からスキー場全体を見た図です。
早速リフト券を購入し(リフト・ロープウェイ共通4時間券)を購入し、まずは足慣らしにBのロングラインコースを滑るためにペアリフトを利用した。このリフトがかなり長いリフトなのだ。ロープウェイより長くデータによると長さ1,094mあり、10分も乗り続けるという長いリフトだった。
※ 天狗山上部のファミリーコースでは小樽市の小学生のスキー授業が行われていました。
そして山頂付近のAの「ファミリーコース」という初心者コ―ス、それに続くBの「ロングラインコース」を滑り降りた。このコースは中級者コースとなっており、かなり気持ち良く一気に滑り降りた。コース状態はちょうど前夜から降った雪が10cm程度積り、数日来の暖気で融け、そして凍った斜面を覆い、ちょうど良いコンディションだった。「この時期にしては良い雪の状態で滑ることができる」と私は喜んだのだが…。
2本目はDの「旧コース」という上級者コースに挑んだ。ここは斜度が38度だそうだ。今の私にはまったく歯が立たない急斜面である。こうしたコ―スへ入った時の自分が情けない。気持ちが斜面に負けてしまって、まるで初心者のような滑りしかできないのだ。自らの衰えを自覚させられる瞬間である。その後、Cの「バンビコース」に入って滑り降りた。
※ 新コースの滑り出しの箇所ですが、ロープが張り巡らされていました。
※ 新コースの終盤のところからコ―スを見上げたところです。屋根はカフェ・ショップなどが入るロープウェイの山頂駅です。
3本目はロープウェイを利用した。私はこのスキー場巡りの自分に課した流儀に従い、全てのコースを体験しようと思っていたのでEの「新コース」を滑ろうと思った。ところが滑り出すところにロープが張り巡らされ、コースに入れなくなっていた。そういえばリフト券売り場で「滑走禁止の箇所があります」と注意を受けたのが、その場所だったようだ。(こんなところに雪解けが進んでいる影響があった)仕方がないので再び「旧コース」を降りたが、言葉通りに滑ったのではなく降りたのだった。
※ ロープウェイの山麓駅です。意外に地味な建物でした。
この頃から雪が激しくなった。山の形容が判別できないくらいの激しい降りとなった。私はロープウェイ降り場のカフェ・ショップに避難して様子を見ることにした。それほどお腹が空いていたわけではなかったが、時間稼ぎも兼ねて「味噌ラーメン」を食することにした。
※ 写真は良くありませんが、味噌ラーメンと野外の吹雪の様子です。
※ ロープウェイの山頂駅にはスキー資料館が併設され、歴代のスキーが陳列されていました。
※ 同じく、天狗山にちなんで天狗のお面が展示されていました。
しかし、雪は止まない。むしろ益々激しくなってくるようだった。いつまでもカフェに留まっているわけにはいかない。意を決して私は一度滑り降りることにした。ファミリーリフトを利用して山頂まで上がり、ロングラインコースを滑り降りたのだが、降雪が激しくて滑るコースの判別が付かないのだ。昼間なのにスキー場がライトを点灯してくれていて、そのライトの光を頼りになんとか滑り降りることができた。
滑り降りてロッジで一休みしようと考えたが、一方で「無理することはない。もういいかな?」という思いが勝って、潔くスキーを外した。リフト券はまだ2時間分も余っていたが…。
※ 駐車2時間で我が愛車はご覧のとおり雪まみれでした。
結局、本日はスキーをするには最悪のコンディションになってしまったということだ。私としては、ここ天狗山スキー場で今シーズンの滑り納めと考えていたのだが、どうも納得いかない思いも強い。できるならコンディションの良い時に “もうひと滑り” との思いが強くなってきた。さあ、どうしょうか??
天狗山スキー場はけっして大規模なスキー場ではないが、何といっても急斜面が売りのスキー場だ。この山で育った高校生スキーヤーがスラローム系では国内大会を席巻した時代があった。この山で鍛えて、小樽勢が復活することを期待したい。
【グリーンランドホワイトパークスキー場 概要】
◇〒047‐0023 小樽市最上2丁目16-15
我が家(札幌)から約38km。小樽の市街地からそう離れていない住宅地
のすぐ傍に立地。ナビに導かれて訪れたこと、複雑な道順だったこともあ
り詳しい説明は不可能。
◇ロープウェイ 1基
◇リフト 2基(ペアリフト1基、シングルリフト1基)
◇リフト券 リフト・ロープウェイ共通時間券
共通4時間券(シニア) 2,800円
天狗山はやはり手強かったです。今の私の脚筋力では、あの急斜面は太刀打ちできません。年齢を感じざるを得ませんでした。
私からみると、まだまだ現役のsyokanさんでしたら、太刀打ちできるんじゃないですか?
機会があれば是非訪れてみてください。
2年目でやっと、ロングラインコースを一度も転ばずに滑り通すことができましたが、それだって、ちょっと急なところは斜めに滑って一旦停止して必死に方向転換して、というドタバタスキーでした。
イラストのD、旧コースは当時、急コースと呼ばれていたような……。
下から見ても急斜面、上から恐る恐る覗き見たら断崖絶壁みたいでした。こんなところ、スキーで滑るなんて正気じゃないって思ってました。
ですが運動神経バツグンの男子はいるもので(たぶん女子にもいたと思われるが)、断崖絶壁を鮮やかに滑り降りてくるAくんに対し、クラスの女子が熱い視線を送っていたのを覚えています。
そのAくんは、今ではH大病院の病院長なのですから、頭のいい人は運動神経も優れているという見本みたいなケースですね。
しろまめさんの許可も得ずにしろまめさんのお庭にお邪魔してしまい失礼しました。
年代的にいうと、私が最初に天狗山を体験した少し後に高校生のしろまめさんが滑ったということになるでしょうか?
おっしゃるように天狗山の急斜面は他のスキー場の急斜面とは違い、“断崖絶壁"
と表現するのが相応しい斜面ですね。
コース名については、私には何とも言い難いですが、「新コース」と称されるところは昔からあった急斜面のように思いますが、スキー場側に何か思惑があるんですかね?
ともかく小さなころから鍛えられた小樽の少年はAくんみたいな少年がゴロゴロいたんでしょうね。