植物は毒にもなれば、薬にもなる。考えてみれば常識なのだが…。新聞というマスコミュニケーションの威力はまだまだ捨てたものではない。考えてみれば当たり前のことなのだが…。
足底部の痛みに慌てふためいた私だが、医師から「問題ない」とお墨付きをもらい、自宅にあった「経皮吸収型鎮痛消炎剤」を足底部に張って様子を見ていた。すると、本日になって違和感は残るものの痛みは消えてくれた。心配していただいた方にはお礼申し上げたいと思います。
そこで数日前に新聞のお知らせ版に掲載されていた北海道立衛生研究所の「薬用植物園」の一般公開に出かけてみることにした。
※ 北海道立衛生研究所の正面玄関です。
私は新聞で衛生研究所が薬用植物園の一般公開していることを知ったのだが、衛生研究所の HPを繰ってみると毎月のように公開していることを知った。関心のある方には既知のことだったのだろうが、私のようなものは初めて知った。同じような方がけっこういたのではないだろうか?一般公開に詰めかけた人の会話を聞いていると、私同様に初心者のような方が多かったようだ。改めてマスコミの威力を実感した。
入口でコロナ対策をしたうえで植物園に入った。園内には見慣れた、聞き慣れた植物がたくさん栽培・展示されていた。植物の前には植物名とともに薬効が記されていた。それを眺めてみると、中には「へぇ-、この植物にこんな薬用があったの!」と思った植物にたくさん出会った。その数があまりにも多いので、中から私たちが良く知った植物をピックアップして掲載したい。( )内がその植物の効用である。
※ 園内では職員が説明していましたが、たった一人なので長居できませんでした。
①テッセン(利尿、整腸、痛風)
②ギョウジャニンニク(ニンニクの代用 香辛料、強壮健胃、利尿)
※ ギョウジャニンニクの葉によく似たスズランです。猛毒と言われています。
③ドクダミ(整腸、利尿、緩下、消炎)
※ 緩下(かんか)とは、便通を促進すること。
④イタドリ(利尿、通経、緩下、鎮咳)
⑤スギナ(民間で利尿)
※ 花壇においては憎っくきスギナに薬効があるとは…。
⑥オオバコ(鎮咳、止瀉、消炎、利尿)
※ 止瀉(ししゃ)とは、下痢を止めること。
※ 少し虫に食われたオオバコです。
⑦キキョウ(排膿、去痰、鎮咳、消膿)
※ 排膿(はいのう)とは、化膿した膿を出すこと。
※ 去痰(きょたん)とは、喉頭(こうとう)または気管にたまっている痰を取り除くこと。
◇次からは薬用植物の中でも樹木を集めた「薬用樹木園」の木々です。
⑧キウイの葉(利尿、止血)
※ 薬効があるのはキウイの葉なのですが、実がなっていたので…。
⑨ボケ(鎮咳、鎮痙、利尿)
※ 鎮痙(ちんけい)とは、内臓平滑筋の収縮・緊張を緩解すること。
⑩アメリカノウゼンカツラ(利尿、通経)
※ 馴染みのない種でしたが、花の形が独特だったので…。
⑪アジサイ(民間で花を瘧に煎用)
※ 瘧(おこり)とは、間欠的に発熱し、悪寒や震えを発する病気。
◇唯一ハイビスカスは温室で出会いました。
⑫ハイビスカス(花~洗眼、解熱、止瀉 葉~茶剤、洗髪、止瀉 根~去痰)
以上、私が知っている植物や気になる植物のみをチェックしたが、植物園内には数多くの薬効をもった植物が栽培されていた。
しかし、それも考えてみれば当たり前のことかもしれない。私たちはあらゆる植物を食料の原料としている。そこには人間にとって利となるもの、害となるものが入り混じっている。その中から古の人々は体験から利となるもの、害となるものを峻別してきた。そして薬効のあるものを伝承してきたのだと思う。それらはやがて工業的に処理され「薬」という形で私たちに提供されているということを改めて教わる機会だった。