百年佳約 村田喜代子著
朝鮮では 親に死なれた子は、特に長男は、この世で最も不幸な人間となるようです。 主人公の百婆は死んでいます。 長男は毎日墓に来て 【哭】という儀式?をします。
死んだあと神となって生きている百婆 49日までのこと・・・・ちょっと死んでみたくなるほど 面白かったです。
冥婚(ミョンホン)死人同士が結婚式を挙げる 墓から風のように出てきては 死にそうな人を探して死ぬのを待って結びつけるんです。
夜這い を上から見る 夜這いですよ。
娘のところに夜這いが誰も来ない・・・父親は表で待って 他の家に夜這いに行く人を 引きずりこむ それを上から眺める百婆・・
長男は49日まで物を食べず それから100ケ日までお粥のみ
100ケ日で白米になり おかずを食べられるのは1年たってから・・・300年くらい前かな?そうしてたんですね。
以前 慶長の役により朝鮮から連行された 陶工の葬式の様子を描いた「龍秘御天歌」を読みました。
日本と朝鮮半島の葬式の様子は とっても興味深く、その時に 続編として 「百年佳約」があることを知ったけど 書店で手に入らずネットで探しました。 手元に来たら安心して・・・・積んだまました。
この本を読んだ日 私 死んでみるのもいいかな~とホントに思ったものです。 戻れるならばね。
現代の朝鮮・韓国は もちろん違うでしょうが 300年前の葬式と結婚式 素晴らしいと思いました。
そうそう・・・ 木雁の礼 という結婚の儀式があったけど もしかして・・・・・ 韓国で買ったんですが これかな? 違うでしょうね。
銀の匙 中 勘助著
日本語って素晴らしいと思いました。 明治の事だから今だったら使えない差別用語も出ましたが それ以外は・・・。
子供の遊びや 四季の移ろい 自然 花鳥風月の描写が とても美しい言葉で表現されています。
虚弱児で泣き虫の【私】 の初めての友達との別れ
16歳 子供の憧憬が空を巡る冷たい石をお星さんというのがそんなに悪い事であったろうか(本文抜粋)
お星さんのやり取りの後 兄とどうしても打ち解けず 心の中でさようならをする場面。
17歳 お貞ちゃんとの別れ 別れの挨拶を聞こえないふりをして ・・・さようなら ごきげんよう 暗いところで頭を下げた。
俥の響きが遠ざかって門の閉まる音がした。「私」は花に隠れてとめどもなく流れる涙を拭いた。(本文抜粋)
小学校に上がるまでおんぶされていた伯母さんに 会いに行った。 伯母さんは 「私」の好きだった鰈を20数匹も買ってくる・・・・・ そして別れ 明日の仕事のために針に糸を通してあげた
それぞれの別れの度に私も 【私】と一緒に泣かなくちゃなりませんでした。
積んどく の中から2冊をご紹介しました。写真は 魚屋さんで買ったお寿司です。 680円
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