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ある日の流血事件で…。
流血事件は、ある9月の祭日に勃発したのだった。
当時、我が家の朝は人数が多かったせいかトイレの順番待ちが厳しい。
その朝は祭日にもかかわらずトイレ待ちがあった…。
その日に限って仕事だった相方は、使用している主に声をかけたのだが
出てきたのはトイレットペーパーを顔いっぱいに押さえたば~ちゃんであった。
『鼻血が止まらないんだよ…』そう言って
トイレに隣接している洗面所にしゃがみ込んだ。
だけど
『大丈夫だ、すぐに止まるから…』
それが家族の聞いた最後の言葉になってしまった。
救急病院に居る医師によって、事の次第は左右されるのではないかと思った。
あの日あの時あの場所に、脳神経科の先生が居たのだったら…。
その日、救急病院にいた医師によって鼻血は止まった。
家路に帰り着くまもなく再度出血
もう一度救急病院へ向かうしか手はなかったのだが…。
今度は耳鼻科の医師がいて処置してもらい次の日を迎えた。
その日の夜は食欲がないと
祭日なので作った、好物の山菜おこわをほとんど食べずに寝てしまった。
次の日は、朝から明らかに様子が違っていて
まともにトイレまで歩けなくて再度病院へ向かった。
診察の結果、脳神経科の医師が駆けつけ事が判明。
【脳梗塞】だった…。
確かに、その日は真っ直ぐに歩けなくて言葉もハッキリしなかったし
数え上げたら思い当たるふしが…鼻血も初期症状のひとつであったらしい
しかし、すべて過ぎてしまった事で
あ~すれば良かった、こ~すれば良かった…等とは
過ぎてしまってから思いつく事なのだとわかった。
おかげでしっかりと、右半分の全廃麻痺と失語症までもらって
言語科の先生に名前を聞かれて
言葉が出てこなくて、照れたような困ったようなば~ちゃんの顔が
今も時折り頭を過ぎる。
その日から入院生活の始まりだった…。
To be continued...