津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■あるけばきんぽうげすわればきんぽうげ

2014-05-13 09:22:21 | 俳句

 もうずいぶん前の事に成るが、近所にある大きなグリーンショップに出かけた折、可愛い山野草の鉢があった。「黄連」と名前が記してあり、スタッフの方の話では「根は漢方薬として使われている」とのことだった。「うん聞いたことあるなー、これがそうか」位で忘れ去っていた。

後年、種田山頭火の句に、あるけばきんぽうげすわればきんぽうげ という句があることを知った。
情景が目に浮かぶ美しい句である。いろいろ調べていたら細川家ゆかりの豊前香春に於いての句だと分かった。
更に調べていたら、サイト「福岡県香春町の山頭火句碑」に出会った。山頭火が香春で詠んだという12(+1は木村緑平)の句が句碑や主題となった風景とともに紹介されている。ところが上記の句を あるけばきんぽうげすわればんぽうげ と紹介してある。句碑の写真を見ると「きんぽうげ」のような気がする。紹介文の方が間違いなのだろう。ついでに「こんぽうげ」を調べて見ると、「キンポウゲ科のコンポウゲ」とある。そして「コンポウゲ=黄連」であることを知り、数年前のグリーンショップで見た鉢物の山野草を思い出した。キンポウゲはよく承知しているが、黄連の方は御目にかかったことは無い。

さて香春の句碑の真実はどうなのか・・・コンポウゲもありかなとも思うのだが、やはりキンポウゲの可愛い花が道脇にづっと続いている風景が優っているように思える。

                                         香春をまともに乞い歩く                                        
                                         寸くひあげられて小魚かがやく              
                                         谺谺するほがらか
                                         登りつめてトンネルの風
                                     香春晴れざまへと鳥がとぶ
                                     香春見上げては虱とってゐる
                                     鳴きかはしては寄りそふ家鴨
                                     枯木かこんで津波蕗の花
                                     みすぼらしい影をおもふに木の葉ふる
                                     あるけばきんぽうげ すわればこんぽうげ
                                     ふりかえれば香春があった
                                     そこもこゝも岩の上には佛さま 

                                     香春へ日が出る雀の子みんな東に向く (木村緑平)


 つい最近、夏目漱石・没後100年を迎える2016年を前に、熊本県では「夏目漱石記念年100人委員会」が発足した。お歴々が顔をそろえていろいろ企画をされていくのだろうが、漱石フアンの意見も大いに取り上げていただきたいものだ。熊本に関係する漱石の句などを、関係する場所に句碑を建てるというのも良いではないか。句碑をたどるツアーなども結構だと思うのだが・・・・そんなことを考えていたら、香春のこのすばらしい取り組みを思い出して記してみた。

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■里程(江戸・・3)

2014-05-13 07:20:39 | 史料

 雑事紛冗解は細川重賢公代に作られたものである。この「里程書」を見ていると、先の老中・若年寄等は別に出掛ける先の人物が特定されて面白い。

     ・津軽出羽守様御屋敷西御門迄       目黒御門ヨリ 弐里八丁三十間
     ・松平讃岐守様向御屋敷御門迄       白銀御門ヨリ 壱里三十二丁拾八間余
     ・細川能登守様屋敷迄             河岸御門ヨリ 廿四丁
     
     ・松平遠江守様御屋敷前            裏御門ヨリ  廿六丁
逆ルートも有り
     ・木下左衛門様表御門ヨリ           竹御門迄   拾五丁余
     ・安藤対馬守様大塚之御屋敷表御門ヨリ  河岸御門迄 壱里六丁十間 
     ・小出伊勢守様御屋敷裏ヨリ         河岸御門迄  拾五丁拾四間 

 又、石小田御屋敷へ出かけられることが多いようで、これもいくつかのルートが記されている。

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