寛永四年二月六日の奉行所の日帳に、ちょっと笑いたくなるような記事があった。(福岡県史・近世史料編 細川家史料一 p283)
一、御のり物かき両人、かたそろひ不申付而、御ふちを被放候、然共、被両人手前ゟ上納米六斗余宛有之ニ付、
只今取立不罷成、しからハ別ニ仕様も無之候間、御長柄衆の明所両人有之儀候間、右之跡替ニ入、御切米
御かし米を取せ、右之通上米をすまさせ可申ニ、談合相極候事
御駕籠かきの背の高さがそろわない人物を解雇しようという訳である。そもそも身長がそろわない人物を雇用したことが問題である。
ところが両人に上借米の未納があるがこれを収めさせる事ができないので、幸いにも明きがあった御長柄衆の跡替として、ここで御切米を前借させて上納米の不足分に宛てさせようというのである。なんだか現代でもあるような話だが、まずはご両人の再就職を喜ぶべきであろうか・・・・