久野啓介氏著の「宇土半島私記」を図書館から借りて読んだことは先にブログで書いたが、非常に面白いので日本の古本屋を通じて購入した。
ここに著者が大学生の頃の話が出ている。
宇土細川家のおひい(姫)様に付文を頼まれたという。
「・・・僕が大学へ汽車通学の時代に、通学列車で一緒になることがあったが、文字通り高根の花であった。
仲間の誰一人アタックすることができなかったところ、他所の高校の無鉄砲な学生から付文を頼まれたこと
があった。「滅相な」と一言発して、即座に断った。」
おひい様はピンク色の馬門石の石塀で囲まれた広大なお屋敷に住まわれていたという。かっての宇土細川家の陣屋の事だろうか。
著の中にも書かれているが、後には切り売りされて住宅街になったとある。地震の後どうなっているのか知らないが、教育委員会が入る建物があったがそこが陣屋跡である。
久野氏は1936年生まれで、「おひい様とは一つ違い」と書かれているが、資料を調べてみると二歳違いだがY子様が1938年生まれだからこの方の事であろう。
13代立興公の孫にあたられる。宇土細川家の嫡家はY子さまに10歳年下の弟が誕生したが夭折され男系が途絶えた。
12代行眞公の家系にも男系が途絶えた。
そのため現在は11代立則公・12代行眞公の弟・寿長家の家系に受け継がれている。