本棚整理の中で、古いダンポール箱の中から「海坂藩の侍たちー藤沢周平と時代小説ー」(向井敏著)がひさしぶりに顔を出した。
藤沢はずいぶんたくさんの時代小説を書いているが、私はそのほとんどを文庫本でよんだ。
地震後小説類をかなり処分してしまったので、藤沢作品は単行本の「三屋清左衛門残実録」と、薄っぺらい文庫本で藤沢最晩年の「静かな木」の二冊だけが残っているのみである。又、佐高信の「司馬遼太郎と藤沢周平 歴史と人間をどう読むか」という興味深い本も残っていた。
改めて向井敏の著を読んでみると、懐かしさがこみあげてくる。井上ひさしや落語家の立川談四楼が海坂藩の地図を作ったとかいう話を聞いて、当時はすっかりのぼせ上ってしまい、どうしたら手に入れられるのかと大いに考えたこともあった。それぞれ懐かしい思い出となっている。
又、図書館から全集でも借りてきて読んでみようかという気にもなっている。
そしてこの四冊を仲良く並べて本棚に配置した。